Yes!プリキュア5第39話感想「恐怖!デスパライア現る」

 夢原さんとココの恋話といえば成田良美さん。思いつくだけでもこれだけ挙げられます。

第1話 希望のプリキュア誕生!
第11話 のぞみとココの熱気球
第24話 新たなる5人の力!
第31話 のぞみとココのラブレター事件!

 夢原さんとココの中が進展する時はほぼ成田さんの脚本。成田さんは今週もやってくれました!
 デスパライア様の「絶望」に対して、夢原さんとココが今まで過ごしてきた「時間」の積み重ねで打ち破る姿が恰好良すぎました。

 ココは夢原さんとの別れを辛いものにしたくなくて、自分が夢原さんに抱いている感情を自覚していても一歩退いた立ち位置を取っていました。

「お前らしくないぞ。何を怖れている。」
「僕達は、ずっとこの世界にいられるワケじゃない。
パルミエ王国が復活したその時には・・・、だからのぞみとは・・・」

 でもココは元々、夢原さんと同じで、心のままに動くキャラ。

「よーし、みんなで寄り道するぞー!」(夢原さん)
「「けってーい!」」(夢原さん&小々田)

 夢原さんの決めぜりふ「けってーい」にココがハモる演出に痺れるなぁ。

「木に登りたければ登るし、王国を出たければ出る、お前はそういうヤツだろ。
お前にはさんざん振り回されたけどたまにはいい事もあった。
お前と木の上から見たパルミエ王国は綺麗だった。」

 ここで「王国を出る」というので暗に「王子をやめてこの世界に残る」という選択肢が仄めかされているのが上手いと思いました。信じて、いいんですよね?

 その後、デスパライア様による精神攻撃でその隠していた気持ちが暴露されてしまいます。

「王国復興を願う一方で、お前は思っている。あの娘と別れたくないと。
どちらの夢も叶わぬ。叶わない願いを抱くとは愚かなり。」

 分かってはいても、他人から言われると無性に堪えますが、そこから立ち上がるきっかけもまた他人の言葉。

「教えてくれたの!ココが教えてくれた!
今日みたいに気持ちのいい晴れた日は小春日和っていうの!
勉強の楽しさも、仲間の大切さもココが教えてくれた!
ココと出会った事、全然後悔してないもん!」

 挫けそうになるココに、夢原さんからのラブコールが届きます。夢原さんは「パルミエ王国=ココとの別れ」というのをきっと自覚していないんでしょうが、楽しかった事も、辛かった事も「掛け替えの無い時間」だと最大の肯定でデスパライア様の絶望に立ち向かう裂帛の気合い。

「くだらぬ。一時の感情など何の価値も無い。全ては消え去り絶望のみが残るのだ!」

 ですがデスパライア様も、伊達に「絶望」の名前を名乗ってない。諸行無常、万物は流転す、光陰矢の如し。いずれ失われてしまう風景なら、最初から見なければいい。
 その言葉で暗に「パルミエ王国=ココとの別れ」に感づき始めたのか、今度は夢原さんが挫けそうになりますが、今度はココから夢原さんにラブコール。

「そんな事無い!
とりとめも無い会話、一緒に見た景色。全て、掛け替えのない大切なものなんだ!
確かに感情は一時のものかも知れない。でもそれは!永遠に心に残る宝物なんだ!」

 しかしデスパライア様も一歩も退かず。デスパライア様は更に絶望をさらけ出します。「感情」だけじゃない。「人」も、「時間」も、全部消える!永遠なんてどこにもない!

「どんな日々にも必ず終わりが来る!その先にあるのは絶望だ!」

 退かぬ!媚びぬ!顧みぬ!!たとえパルミエ王国の復活で別れる事になっても(たとえ第2期がなくとも)、今感じている幸せは心の中からは消えない!後悔なんかしない!絶望なんて絶対しない!

「この先どうなってもココの気持ちは変わらないココ!
ドリームがくれた希望は誰にも消せないココ!

 いやぁ、成田さんの脚本では本当にココが輝くなぁ。

 夢原さんも恰好良かった。

 デスパライア様も、「永遠」を否定する一方で「不老不死」を渇望しているので、失ってしまった「時間」に回帰したい願望を持っているみたいな雰囲気が出ていて良かったなぁ。

次回予告

 Yes!プリキュア5第40話「理事長の正体を探れ!」

 いよいよ40話。今までのプリキュアは49話で終わりを迎えていたので、色々感慨深いです。
 増子さんも一応前に向けて歩き出したし、そろそろおタカさんの正体にも迫らなくっちゃね。