Yes!プリキュア5鏡の国のミラクル大冒険!感想

 劇場版のテーマは「仲間」と「過去の自分を越える」。
 いつもは、ナイトメアに自分の「負の面」を見せつけられて、精神的に追い込まれていくのですが、映画では、自分の「負の面」が、プリキュアの力に悪役のシャドウの力を上乗せして襲いかかって来ます。それだけじゃなく、ナイトメアとは「負の面」へのアプローチが若干違っていて、それも面白かったし、「過去の自分を越え」て前に進み続けるのは夢原さんらしくて凄く良かったです。

 こんにちは、Sunithaです。
 わざわざ有給とってプリキュアの映画を観てきました。
 いやー、映画良かったよー。
 なるほど、38話を丸々宣伝に回すだけの価値はありましたよー。

 というか、劇終後の、一文で私の脳髄が真っ白になりました。

 プリキュア第5シリーズ製作決定

 是非とも夢原さんに続投して頂きたい所ですが、美翔さんも観てみたいっ!何とかして、東映の偉い人!

本編感想

 一番悪い悪役のシャドウは、マジカルライトの舞台作りと、ダークプリキュア達を相対的に良いキャラにする為のスケープゴート、そして、ピンキーを××××××するという力業担当で、作品のテーマ的としての本当の闘いは、ダークプリキュアとの闘いにあった感じでした。
 ダークドリームが仲間に加わり、夢原さんを庇って命を落とす事で、観客に対するダークプリキュアのイメージが180度変わって、全ての悪意がシャドウに向く、という上手い脚本。

 ただ打倒するだけじゃない、というプリキュアの映画の新しい形を観た気がします。
 ダークプリキュアさんの主張はこんな感じでした。

偽夢原さん なんでそんなに笑っていられるの?
偽夏木さん 夢原さんに付き合ってわざわざ苦労しなくていいんじゃない?
偽春日野さん 女優になってどうするの?他人を喜ばしてどうするの?
偽秋元先輩 守る力なんて何の役にも立たない、自分だけ守ればいいじゃない?
水無月先輩 貴方は優秀、一人で十分。足手まといの仲間なんて要らないわ。

 いつものナイトメアのアプローチならこう。

対夢原さん 「人の夢を叶えてどうする。」
対夏木さん 「こっちが必死に面倒見てるのに、(夢原さんは)ちっとも感謝してないし、あんな子、友達じゃないよ。」
対春日野さん 「入学する時、貴方は決意していた。『女優になるのが最優先!友達ができなくても構わない!』って。」
対秋元先輩 「気を遣うのももう嫌だなって思ってるでしょ?」
水無月先輩 「成績は学年トップ、あまりに優秀すぎて誰も彼女について行けない為、周囲から浮いてしまう。その事を悩んでいるのに誰にも相談しない。」

 全体的には「夢」より「仲間」に比重が置かれています。代わり映えがしないのは夏木さん。ちょっと仲間はずれなのが、春日野さんです。「みんなが喜んでくれるから嬉しいんです!」というカウンターで、より「夢」を「他人」からのアプローチで切り込んだ感じでした。

 その後、偽プリキュアさんとの闘いの中で、知性のプリキュア水無月先輩から偽プリキュアの正体が明かされます。

「ダークアクア、みんなと出会う前の私自身!」

 そう、偽プリキュアの正体は、プリキュアさん達のただの「負の面」じゃない。プリキュアさん達がお互いと出会う前の自分を映した鏡。だから、ナイトメアとはアプローチが違うのでしょう。

 偽プリキュアさんに対するプリキュアさん達の主張はこんな感じでした。

夢原さん 仲間の為なら、私絶対に負けないよ!
夏木さん みんなが頑張ってるのにあたしが頑張らないワケにはいかないでしょ!
春日野さん そろそろ失礼させて頂きます。ドリームが呼んでいますので。
秋元先輩 私は、みんなの思いや気持ちを守りたい!
水無月先輩 貴方、友達はいる?私にはいるわ。

 夏木さんと春日野さんは容赦なく相手を殲滅しますが、秋元先輩と水無月先輩はちょっと違って、闘いに悲壮感が漂い出します。
 秋元先輩は、ダークミントまで「守りたかった」とその存在を排斥するのではなく、受け入れる形でダークミントを打倒。そしてその秋元先輩の優しさに、ダークミントも涙を流します。

「ごめんね、私、貴方の事も守りたかった。」

 水無月先輩は、自分の心の闇を自覚して、その闇と正面から戦います。
 そして取り出すのは第34話感想「ミルクを守れ!白馬の騎士かれん」で見せたあの剣。唸る剣撃、ぶつかる心。水無月先輩の恰好様さは尋常じゃありませんでした。

「私は何でも一人で出来ると思ってた。ホントに愚かだったわ。
でもみんなに出会って、私は変わった!
私は、あなたを越えて行く!!」

 そして夢原さん。同じ力に加えてシャドウの力を持つダークプリキュアに敵う筈が無いのに、それを圧倒する夢原さん。

「私は、ずっと同じ私じゃないの!
昨日の私より!一時間前、一分前、一秒前!
前の自分より、もっといい自分になりたい!」

「成長して古い自分を越えていくんだよ!」

 そんな事ができる筈がないと思っていたダークドリームさん。

「自分を越える?そんな事、出来るわけないのに!」

 でも、最終的にはダークドリームもシャドウに立ち向かうべく、夢原さんの差し出した手をとって「自分を変え」、そして夢原さんを庇って「仲間の為に戦って」、その儚い生涯を終えてしまいます。

 今までのプリキュアに無いキャラだったので、非常に惜しい事をしました。
 そのうちひょっこり復活してくれないかなぁ。だれか一人鏡の国に残してさ。例えば赤い人とか。(ドクロ)

その他

 パルミエ王国を滅ぼされた経験を持つミルクが、国をシャドウに乗っ取られたミギリンとヒダリンに喝を入れるシーンのミルクが格好良かった。こう、ぺしこーん!と殴る姿はちょっと惚れそうになりました。
 あと、スーパープリキュアがスーパーセーラームーンとか、いきなりココとナッツを拉致したミギリンとヒダリンの極悪さに敢えて言及しない私ってとっても優しいねっ!(ドクロ)

おまけ

 ピンキー、映画の中でシャドウが犯則技を使って55匹集まっちゃいましたよ。
 映画を観ながら、シャドウが何匹かは解放しちゃうんだろうなぁと思ってたら、プリキュアさん達はそしらぬ顔で、ドリームコレットを懐に収めておりました。
 こんな反則技でピンキー集めるなんて聞いてない!今までのピンキーキャッチュは何だったんだコノヤロウ!
 だから今まで夢原さんたちはピンキーキャッチュサボってやがりましたか、コンチクショウ!

 あ、でも、春日野さんがピンキーをドリームコレットに移さない戦略は大変良いです。さすが春日野さん、やってくれます!