BLUE DROP〜天使達の戯曲〜第6話感想「Campanula」

 今週は表パートでは若竹さんと裕子先生の秘密をして傷ついて、それでも「先生はやっぱり先生」という事に気付く相互理解の話で、裏パートでは千光寺さんが若竹さんを守るべく再び戦端を開く話。
 とはいえ、今回は千光寺さんの努力にもかかわらず、アザナエルさんが若竹さんを掠いかけているように、表パートと裏パートが合流しつつあります。

BLUE/蕾-blue dreams-

BLUE/蕾-blue dreams-

若竹さん

 長らく屋敷に閉じ籠もっていた若竹さんには、裕子先生のような素敵な大人の女性という人には会った事がなく、褒めるだけじゃなく、きちんと叱ってくれる裕子先生に母親のような憧憬を感じていたのでしょう。

「先生。どうして、そんなに・・・。」
「あなたが落ちたら、誰が補修を講義すると思ってるの?」
「すいません。すいません。すいません。」
「やあね、冗談よ。一緒に頑張ろ。ね?」

 自宅で若竹さんに就いていた家庭教師は若竹さんを褒めるばかりで叱るという事は無かったようです。大体、きちんと叱ってくれる人がいたら、若竹はあんなにワガママには育ってない筈。

「あんた、前に家庭教師に天才って呼ばれてたって。」
「よく考えたらあれは物理で・・・。」

 でも、若竹さんの受ける追試は化学だけみたいですし、意外と他の成績は良いのかもしれませんけど。そもそも、物理でもボイル−シャルルの法則は扱いますしね。あ、でもあれは3年の夏ぐらいに習うんだっけ?

 でも、裕子先生が「大人の顔」の時に発したセリフを聞いてしまった若竹さんは駆け出してしまいます。

「いいわ。
若竹マリを行動をしっかりと見届けます。
事件の鍵を握る観察対象として。」

「見張ってた!私を、見張ってたんだ!」

 信じていたモノに裏切られ、何もかも信じられなくなってしまった若竹さん。

「全部!全部嘘だったんじゃない!
学校も!寮のみんなも!・・・全部・・・嘘だったの?」

 でも、裕子先生は「秘密調査官」であっても「先生」であり、学校や生徒達も好きだから、その時間を壊されるような事はされたくなかった。任務は任務ですが、先生が若竹さんや他の生徒に向ける視線に打算や嘘なんてなかったんです。

「困るわ。こんな所に。」

 その事を「裏切られた!」という感情で塗りつぶされた若竹さんは見えなくなっているんですが、身を挺して自分を守ってくれた裕子先生を見て、秘密調査官であろうと、裕子先生は裕子先生なんだと思い出す展開が素敵です。

「聞いて。マリちゃん。
私の任務は若竹マリの身辺調査、警護。
あなたを・・・・・・あなたを、守る事!」

「先生は夕子先生は秘密なんかかもしれないけど、私の先生なんでしょ!」
「ええ、そうよ。」
「だったら、だったら、最後まで私に勉強教えてよ、先生!」
「マリちゃん。」
「その代わり、今度赤点取ったら承知しないわよ。」

 また、裕子先生は若竹さんが無くした記憶が凄惨なモノである事を知っています。何しろ島民の半分が殺し合ったのですから。それを知ってる裕子先生が、若竹さんに残そうとした言葉は、「秘密調査官」ではなく、カウンセラーの資格を持つ化学教師ですこしおっちょこちょいな「裕子先生」としての顔でした。ただの任務なら、こんな事言わないですよ。

「ごめんね、マリちゃん。
でもね、自分から逃げちゃダメ。これは担任からの、最後の忠告よ。」

 BLUE DROPは素敵な女性が多くていいなぁ。

千光寺さん

 次々に襲い来る同胞。向けられる憎悪。それでも人知れず「日常」を守ろうとする千光寺さん。
 なお、今話で千光寺さんが朗読していたのは「ロミオとジュリエット」の序。

Two households, both alike in dignity,
In fair Verona, where we lay our scene,
From ancient grudge break to new mutiny,
Where civil blood makes civil hands unclean.

 一度起きた憎しみは、お互いを食い尽くす。殺し、殺され、静観が殺意に変わり、祈りの十字架は必殺を誓う剣に変わる。
 怒りの矛先は、既に「日常」を穿つべく狙いを定めている。

「学年トップ目指して、頑張ってね。」

 それでも、貴方はどうして笑っていられるのですか。

花言葉

 サブタイトルの読みは「小さな」。
 Campanulaは元々ラテン語で「小さなCampana()」。「瞳」という意味は持ってません。

 わざわざ似たような漢字で読み違えさせているなら、サブタイトルは「嘘」で、本当のサブタイトルは別にあるという、視聴者を誘導している事?
 それともスタッフも「読み間違い」に気付かなかったのなら、サブタイトルの「読み」には最初から重点が置かれていなくて、それが今回の「誤読」に繋がったという事?

 千光寺さん、あまあり私を悩ませないで下さい。(ドクロ)

 Campanula(ツリガネソウ)の花言葉は「誠実さ、感謝、後悔、大望、抱負、不変、貞節、思いを告げる、うるさい、感謝の音色、共感」

次回予告

 BLUE DROP〜天使達の戯曲〜第7話感想「Crinum」

 花言葉は「あなたを信じます・汚れがない・清廉・どこか遠くへ」(from 花言葉・Floword)
 他にも、「快楽」とかもあるそうです。

コミック(直接の原作ではないので注意)

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Blue drop 1―天使の僕ら (チャンピオンREDコミックス)

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