マクロスF(フロンティア)第18話感想&備忘録「フォールド・フェーム」

 今話はシェリルの「ここ」が完全崩壊、アルトは作中悪のバイアスが掛かっている為、「俺は、『ここ』にいたいんだ!」という答えに辿り着けず、ランカも作中悪の掌中でバジュラの殲滅に参加してしまい、「歌」が本来あるべき姿をねじ曲げてしまい、ランカがいる「ここ」、フロンティアを急速に歪ませてしまっています。

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本編感想

シェリル・ノーム

 「アルトの傍」という「ここ」は、自分が性病持ちである事を知って距離を取る事しか出来ず、「歌手のステージ」という「ここ」は、あらゆる手段、あらゆるメディア、あらゆる描写で奪われてしまい、結果、「フロンティア」という「ここ」にシェリルの場所はなくなってしまい、ギャラクシー船団でゴミを漁っていた日々と全く同じ状態に陥ってしまいます。
 例えば、シェリルのキャッチフレーズだった「この銀河に暮らしてシェリルの歌を聞かない日はない」さえも、ランカに完全に乗っ取られています。

「あー、ランカちゃんー。
すごいよね、このところどこ見てもいるよー。」(少女)

 しかし、怪我の功名、転んでもタダでは起きない。人生七転び八起の精神でシェリルが思わぬ所でリード。
 今まで聖域だった「アルトの家の事情」に突撃です。居候です。食客です。このまま嫁候補まっしぐらです。
 まあ、誰の嫁になるかは知りませんが。ねえ、矢三郎兄さん?(ドクロ)

 ところで、6話でシェリルのイヤリングとアルトが首に提げているお守りは、共に「母親」に纏わる品物という点で類似していると書いたんですが、その点でアルトをシェリルは理解できると思うんですよね。
 その辺りを再出発点としてシェリルの再起が始まり、今作中悪に毒されているアルトとランカを巻き込んで作中善に戻る事になると思ってはいるんですが、シェリルもどうせ「ここ」を取られたのなら、思い切りゼロからやればいい。すぐそこのモールで酒に溺れてるエルモさんがいるんだから、「チャンスをモノにする」というシェリルの一番の魅力を思う存分フロンティアに響かせてやればいいのです。シェリル頑張れ!!(シェリル派)

早乙女アルト

 アルトはビルラ氏の夢に踊らされて「〜すべき(と周囲が言っている)事をする事で、自分を騙している」事に象徴されるように、現在「主体性」を失ってしまっている上、最大の関門、「実家」という「ここ」を避けているので、「俺は『ここ』にいたいんだ!」という答えに辿り着けずにいます。

「俺は……」(早乙女アルト

ランカ・リー

 ランカもまたグレイスの夢に踊らされて「〜すべき(と周囲が言っている)事をする事で、自分を騙している」ので、作中悪の「敵の殲滅」に、本来作中善のはずの「歌(=グレイスによってねじ曲げられたアイモ)」を歌って参加しますが、「正しい、正しい」と何度も自分に言い聞かせてきた殲滅作戦に、腹痛に象徴される、わだかまりを感じてしまい、「歌(=本物のアイモ)」を歌って、「自分の本当の気持ち」への回帰の兆しを見せていました。

ブレラ・スターン

「お前は俺が守る。安心して歌え、ランカ。」(ブレラ・スターン)

 グレイスによって歪ませられた「守り方」では、ランカを不幸にしてしまう、という事に気付いてからがブレラ・スターンの本番です。
 ブレラには思う存分「バカ兄貴」をやってほしいと思います。(まだ言うか)

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次回予告

 マクロスF(フロンティア)第19話「トライアングラー

新OP

 本編に先行して、一足早くランカとシェリルの共演。
 15話の二人の共演で仄めかされてはいたんですが、その萌芽はシェリルの病魔によって阻まれてしまいました。シェリルの復活、ランカの回帰で、是非、一日も早く二人の共演を実現して欲しいと思います。

 「ここ」に居続ける為に「生き残る」という、アルト・ランカ・シェリルの三人が共有する「思い」が凝縮した曲だと思います。

 というか動く動く。前シリーズのOPも好きだったけど、こっちも好きだなー。

ライオン

ライオン