ヒロイック・エイジ第22話感想「死の契約」

 前半は先回に続いての伏線解消。後半はノドスの戦闘でカルキノスは死亡、エイジ・メヒタカ・レクティさんはどこかに飛ばされて、ユティさんが独り生き残り、エリュシオンに向かうアルゴノートが危険に曝される事に。
 ロム・ローさんもいい加減ヤバいし、パエトーさんもいますので、アルゴノートのピンチにエイジ、メヒタカ、それにレクティさんを加えた3人がやって来て、すんでの所で救出という事になるのかなぁ。

 今週も「黄金の種族」を全肯定。カルキノスさんの死を容認した連中はあまり肯定したくありませんけど、「黄金の種族の力」というのは、「脚本の力」、要は、「将来の脚本を自由にする力」で、「黄金の種族の脚本」から「全ての人が自分の脚本を自分で書く」というラストに着地してくれたらいいんですけど、さて、どうなる事やら。

 穿った見方をすれば、「脚本の力」を登場人物に委ねるというのは、これまでにない匙の投げっぷりなんじゃなかろうか。

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契約の正体

「ただ、私は黄金の種族の力は必ず存在すると信じています。」
「私はまだそこまで言い切る事はできません。力の存在は、ただノドスの契約に示されているだけです。」
「ノドスの契約は、私たち全て、この宇宙に生きるあらゆる者達に道を示しているのではないでしょうか。そのように私は考えているのです。」
「道、未来を? ・・・私もそう考えていました。契約が示すものは、『未来』ではないかと。」
「はい。何もせずに諦めてしまえば、決してたどり着けない未来が。
「辿り着くべき、最善の未来が。」
「私は、そう信じます。」

 「契約」は「未来」、つまり、「契約=道」。前の感想でもその類似性には触れた事はあったけど、強ち穿った意見でもなかったみたい。こうして昔の感想見てると、作品に対して希望を持っていた事が思い出されて悲しすぎ。

 多分「契約」は「スターウェイ」と同じモノ、または暗喩の関係になっているのだと思います。今回、全てのノドスが「契約」から離れる描写を見せた事で、「契約」を破棄する方向に進むのだと考えてよさそう。ノドス達全てが「契約」を離れる切欠が「感情」に由来しているというのもまた暗示的。

スターウェイと契約
スターウェイ 皆が移動手段として頼っており、外れる事が出来ないし、しようとしない。 ディアネイラ様はスターウェイから外れて「道」を見付けようとしている
契約 ノドス全員が守るべきモノとされている。 ノドス達が契約を離れて「道」を見出しつつある
http://d.hatena.ne.jp/AlfLaylawaLayla/20070822/1187797599

スターウェイを生み出す力

 先回の感想でも書きましたけど、「スターウェイを作る行為」は「命同士を繋げる行為」と同義ということでした。今回ディアネイラ様とプロメさんが行った「太古から連綿と受け継いできた種族の記憶を委ねる行為」は二重の意味で「命同士を結びつける行為」。一つは、銀の種族が太古から連綿と受け継いできた「記憶」と「感情」、それが銀の種族自体の「道」を示し続け、そして、それを異種族であるディアネイラ様に委ねる事で、次の「道」であるエリュシオンへの「道」が開かれようとしています。

 つまり、「スターウェイで結びつける」という行為は、「命同士を繋げる」、「命を生まれさせる(そしてやがて死ぬ)」という、種族同士の相互理解と繁栄という二つを暗喩している事になるので、今続けられているノドス同士の闘争も、「何か(嗚呼、カルキノス・・・)」が切欠となって和解する事になる訳ですね。

http://d.hatena.ne.jp/AlfLaylawaLayla/20070829/1188396864

「貴方に出会えて良かった。」
「私も。貴方に出会った事ではっきりと分かりました。『道を示す力』は、『スターウェイを生み出す力』は誰もが持っているものなのです。」
「誰もが?」
「貴方はお一人で一身に種族の記憶を背負い、その態度と行いによって自分の種族に『道』を示されました。私も共に生きる者達に道を示し続けます。それを行う事で、きっと皆が私と同じような力に目覚めるのではないでしょうか。そうなる事で、きっと。」
「生命と生命が結ばれ、星々が交流する。」
「それがスターウェイを生み出す力となって」
「この宇宙がスターウェイで満たされる。」
「それこそが、黄金の種族が望んでいた事。彼らがこの宇宙で行おうとしていた事なのです。」

次回予告

 ヒロイック・エイジ第23話「四人」

  「四人」なのね。「三人」じゃなくて。

おまけ

 カルキノスはよく頑張った。ユティさんを導く切欠になる事で、ユティさんを狂乱からも、破滅からも救ったんですよ。

「誰もいない。いなくなった。カル・・・キノス・・・」(ユティ・ラー)

 結局最後まで謎だったなぁ。ユティさんがカルキノスに惚れた理由。(ドクロ)
 ユティさんの脳内では、カルキノスさんがとんでもない美形に脳内変換されているんじゃなかろうか。

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