マクロスF(フロンティア)第9話感想&備忘録「フレンドリーファイア」

 今週の意図は、物語を貫くテーマ、アルトが「「ここ」にいたいと思う理由」を固めていく物語中盤の中に位置づけられる話でしょうね。
 ミシェルが「「ここ」にいたいと思う理由」を、アルトが理解して自分の中に流す事で、アルト自身の「「ここ」にいたいと思う理由」が固まっていくという事でしょう。
 まずはミシェル、次はルカ、ランカとシェリルについては何しろヒロインですから、少しずつ小出しに「「ここ」にいたいと思う理由」が明かされていく事になると思います。

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早乙女アルト&ミハエル・ブラウン

 アルトがミシェルの「「ここ」にいたいと思う理由」を知って、一度フレンドリー・ファイアを受けても、それでも「「ここ」で一緒にいたいと思える仲間」だからミシェルを信じてブレラ・スターンを狙撃させる、そういう話であり、「ミハエル」から「親しい友人用の呼称」である「ミシェル」に変わるというのもきちんと押さえてあって、アルトの「「ここ」にいたいと思う理由」を、ミシェルの「「ここ」にいたいと思う理由」を通して描くのが今話の目的ですがアルトの事もシェリルの事もきちんと描いてくれて、脚本の質がしっかりしていて、やはりマクロスはいいですね。

 また今話はミシェルが姉ジェシカのフレンドリー・ファイアの真相を知る伏線が張られる話でもあったワケですが、「罪悪感の力学」を考えればグレイスが「ジェシカの上司」側の人間である事は推測できるので、グレイスから「ジェシカの上司」の情報が入り、ミシェル自身も、「ジェシカ―ジェシカの上司」と比定される「ミシェル―クラン」のラインで姉の体験を追体験する事で「フレンドリー・ファイアの真相」に辿り着く――というのが王道かな。それにしても、グレイスさんは黒いなぁ…

クラン・クラン

 それにしてもクラン大尉が可愛い過ぎるので、これからはクラン姐さんとお呼びしようと思います。クラン姐さーん!

 今回面白かったのが、クラン姐さんとミシェルのバルキリーの掛け合い。ミシェルのバルキリーのCGがグリグリとよく動く動く。このシーンは変則的な青春群像的なシーンで、「本命の女性に対しては鈍感なミシェル」と「素直になれないクラン姐さん」が、「ミシェルがバルキリーに乗っている状態(=弱い自分を守っている心理の反映で、実際にミシェルも強がりを演じている)」で「生身のクラン姐さん」を傷付けて、クラン姐さんに殴られる―――と、ミシェル自身も生身になってクラン姐さんと向きあって「一人の女性に恋をする」という課題を突き付けているワケですね。

 しかし、リアルロボットアニメの路線でこういうコミカルなロボットの動かし方をするアニメは∀ガンダムとかキングゲイナー以来のような気がします。面白い。

レオン・三島

 またこの人はランカに対して陰湿な嫌がらせをする…。
 学校でならいじめっ子とかそんなポジションですよ、レオン悪い子!!

 ランカに対しては「「ここ」にいるな!」と排斥して、自分達の「「ここ」」・フロンティアを守ろうとするハワード・グラス大統領に対して、自分の利益の為だけにブレラ・スターンを動かそうなんて中々の外道っぷりじゃないですか。いいぞもっとやれ。

 キャシーに拒絶されて「「ここ」にいないで!」とか是非言われて欲しい!

次回予告

 マクロスF(フロンティア)第10話「レジェンド・オブ・ゼロ」

おまけ

 先週のコードギアスに続きまたも縮小営業です。
 というか、来週はそもそも更新自体できる出来るのでしょうか……