魔法少女リリカルなのはStrikerS感想第8話「願い、ふたりで」
第8話「願い、ふたりで」感想
今回は「強くなる」という思いを持っているティアナさんとスバルお嬢さんと、「強くなる」だけじゃダメ、大切なのは「命」だというなのはさんとの疎隔。
先週の話で「独力志向」が克ち過ぎるのティアナさんが否定的に描かれ、今週の話でスバルさんと「二人」での、「協力志向」に落ち着く、普通にいい話を予想していたんですが、「協力志向」だけでは駄目で、ティアナさんを根幹から救うカタルシスへの昇華に持っていく為に、「自分を省みない危うさ」にメスを入れるつもりみたいです。
それにしても、怒ったなのはさんは、とっても、とっても、怖かったです・・・。
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さて、今週描かれたティアナさんの背景、兄の汚名を晴らす為に執務官を目指して「自分」を蔑ろにして無茶を続けるティアナさんと、「自分」を蔑ろにしてはいけない、とティアナさんを撃墜。二人の気持ちが、どちらも痛切なだけに辛いです。
なのは
「本番でこんな危険な無茶するんなら、練習の意味、無いじゃない。ねえ、私の言ってる事、私の訓練、そんなに間違ってる？」
ティアナ
「私は！もう誰も傷つけたくないから！なくしたくないから！だから！強くなりたいんです！」
一方で、なのはさんも、ティアナさん達に負けず劣らず無理をしています。
フェイト
「なのは、部屋に戻ってからもずっとモニターに向かいっぱなしなんだよ。訓練メニュー作ったり、ビデオでみんなの陣形をチェックしたり。」
３人とも、多少無理をする所は同じなんですが、「強くなる」為に、「自分の命」を軽く考えてしまって無茶な訓練を、無茶な攻撃をしてしまったティアナさんとスバルお嬢さんに対し、かつて「自分」を犠牲にした事で周りの人達を悲しませてしまったらしいなのはさんは、他人の為に「強くなる」のも大事だけど、「命」を蔑ろにしては、誰かを悲しませてしまうという達観した位置、一段階上にいます。よく似てはいるんだけど、「命」の尊さの認識が新人の二人にはちょっと足りなかったのです。
正直な所、リアルタイムで見ながら、ティアナさんが模擬戦で「強くなっている」実感を得て締めるんだろうなぁ、と思っていただけに、最後の最後でなのはさんがティアナさんとスバルさんを否定したのは全くの想定外でした。
実際途中までは、「独力志向」のティアナさんが、「協力志向」に傾いていたんですよね。
ティアナ
「凡ミスしておいて、サボりまでしたくないわよ。一緒にやろ。」
先週のラストでスバルお嬢さんを突き放したティアナさんが、「一緒にやろ」と、「協力志向」へと歩み寄りを見せた所で、カチッと決まった話の筋、途中の二人の訓練風景も肯定的に描かれて、「協力志向」で強くなろうとした二人を、最後の最後で、なのはさんが否定してしまった事で、先週から積み重ねてきた「協力志向」という「テーマ」がブレてしまったかな、と思いました。あたかも、「協力志向」自体を否定しているように感じてしまいそうです。それだけ、なのはさんの鬼気迫る印象が強すぎたという事でもあるんですけど。
それに、テーマがブレると、スバルお嬢さんの活躍が霞んでしまうじゃないですか。ぎぎぎ。
ところで、ティアナさんの「選択肢」を増やす方針自体は間違ってはいないんですよね。
ティアナ
「あたしのメインはあくまでシャープシュート、兄さんが教えてくれた精密射撃だけど、それしか出来ないから駄目なんだ。行動の選択肢をもっと増やすんだ。」
ただ、無茶の度が過ぎてしまっただけで。
先週の「独力志向」、今週の「協力志向」を経た、「強くなる」の軸から、来週は「誰の為に強くなるの？」と、「強さ」の意味を問うお話になりそうです。今週の「溜め」を、来週解放する事ができるか、それとも間延びした事が尾を引いてうやむやのままに終わるのか、正に来週は正念場。都築さんの脚本家としてのバランス感覚が問われる事になりそうです。
成功すればこの上無い成功ですが、失敗すれば、作品のバランス自体を壊してしまいかねません。博打みたいな状況ですが、頑張れ都築さん。
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・おまけ
ヴァイス陸曹
「もう４時間も続けてるぜ。いい加減倒れるぞ。」
フラグ立て失敗。ツンデレの壁は遙かなる高み、ただのモブキャラには敷居が高かったか・・・。
カリムさんの弟、ヴェロッサ査察官とはやてさんがお話中。カリムさんの弟だけあって、悪役面をしています。（偏見）
当ブログでは、カリムさんが黒幕だと偏見を持っているので（参照）、勿論ヴェロッサさんも悪役として認定してあげましょう。はやてさんも大変だ。
・前回までの感想
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