ヒロイック・エイジ感想第10話「孤独の英雄」

 第10話「孤独の英雄」感想

 今回は、ディアネイラ様が自分自身の役割にさっぱり「無自覚」だったというお話。

 先回のヒロイック・エイジ第9話「帰還」では17件の感想記事のトラックバックを頂きました。再び2桁。ありがとうございます。感想のトラックバック、これからも宜しくお願いします。
 今話のヒロイック・エイジ第10話「孤独の英雄」の記事でも皆様のトラックバック・コメントをお待ちしております。より沢山の読者の皆様の鑑賞の手助けになるような感想を目指して頑張りますので、ご協力宜しくお願いします。

 それと、最も大事な事は、

 ユティさんは、冲方ツンデレでした。(結論)
 「自分に芽生えた感情」を一生懸命否定しようとするユティさんを見てそう解釈。

ユティさん
「べ、別にお前の事なんて何とも思ってないんだからな!」

とか、絶対に言わせない辺りが、良くも悪くも冲方テイストですが、個人的には、是非ともユティさんに言って頂きたいと思います。(バカ)

 ここに来て、ユティさんが俄に可愛くなってきました。

 こうなったら、エイジも引き留められないような色気無しのディアネイラ様の所為で欠如気味な、ヒロイック・エイジのヒロイン分は、これからユティさんで摂取する事にしましょう。

 ニルバールさんに、ユティさんと、破壊力抜群の脇役に比べて、メインヒロインの筈のディアネイラ様にはヒロイン分の含有率が少なすぎです。ヒロイン分が足りないと、作品のバランスと、作品の寿命に響いちゃったりするのですよ?(ドクロ)













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 さて、そのディアネイラ様、彼女の兄上様が良からぬ野望を画策する一方で、ディアネイラ様は、自身の役割、「導く者」を綺麗さっぱり忘れて、自分からは干渉せずに、流れに身を任せようとしています。
 この9話の間に、さんざ「導く者」だってエイジが盛んに教えてくれてたのに、ちゃんと目を開けて起きていたんでしょうか?いや、まあ、実際寝ていたワケですが。

 エイジもそれを本質的に理解しているのでしょう。ディアネイラ様は「エイジの自由意思を尊重」するのに対し、エイジは、「導きを期待」しているワケですよ。
 その点で、メレアグロスさんの言う、「我々のノドス」というのは半分当たっています。正確には、「ディアネイラ様のノドス」が正しいのです。

 今回は、エイジが盛んにディアネイラに「導き」を促そうとします。


 ケース1:ディアネイラ、デートのお誘いに失敗する

ディアネイラ様
「では、私が出席すればエイジも行きますか?」
エイジ
「ん〜〜、行かない。」

 この場面でエイジが期待したのは、「一緒に行きましょう」と、誘ってくれる事。ディアネイラ様が兄に呼ばれて行くのではなく、自ら自主的にパーティーに行って、主導権を勝ち取る為に、「エイジと一緒に行く」事を、エイジも、モビードさんも、イオラオスさんも期待しているのに、当のディアネイラ様は全くの「やる気無し」。第8話でパエトーさんに向けたあの「殺る気」は嘘だったのですか・・・。

ケース2:ディアネイラ、将来の話で失敗する

ディアネイラ様
「黄金の種族は戦いの行きつく先について話してくれましたか?」
エイジ
「お父さん達が言ってた。ディアネイラが導いてくれるって。」
ディアネイラ様
「私が?あなたが私を導いてくれるのではないのですか?」

 この場面で、ディアネイラ様は、「黄金の種族」「答え」を期待してはいけなかったのです。恐らく「黄金の種族」は、宇宙の種族全体が、「黄金の種族」が用意した「道」から「外れる事」自体を期待している筈なので、ディアネイラ様は、「自分の進む道」を、自分で探さなくてはいけなかったのです。
 そんなディアネイラ様に、エイジはがっかり。「分からない。」と誤魔化します。これは、ディアネイラ様が自分で気付かないといけないことですからね。


ケース3:ディアネイラ、三行半に至る


ディアネイラ様
「新しい輝きを発見した時は、星が生まれたのだとはしゃいで・・・。
その星はずっとあそこにあって、私が気付かなかっただけなのでしょう。」

エイジ
「本当に生まれたんだよ、ディアネイラなら見えるから。・・・お別れだね。」

 モビードさんから、エイジのアルゴノート残留が決まって油断したのか、呑気にクルージングをしているディアネイラ様。とどめの、「私が気付かなかっただけなのでしょう。」の発言をかましたりと、見事に日和っています。
 それに対してエイジは、「ディアネイラなら見えるから。」と、ディアネイラ様の直感を肯定し、「導く者」だという事を迂遠にメッセージを残して、ディアネイラ様が気付く事を期待して、人類を守る戦いに出かけるのです。

エイジ
「これから、沢山の星が無くなって、沢山の道が消える。
でもディアネイラなら、大勢の人の為に、道を見つけてあげる事ができる。
ディアネイラがいれば、もっと沢山の星と道が生まれる。」


 ディアネイラ様なら、みんなを「導く」事が出来るのに、自覚も無く、さっぱり努力をしないディアネイラ様。努力もせずに吉報を待って、モビードさんの努力でエイジ残留が決定して喜んでいるのですが、それでは「導く」事は出来ません。
 そんなディアネイラ様が悟るのを待つ為に、エイジは一足先に戦場に赴きますが、予想もしなかったエイジとの離別に涙を流す姫様。

 だから、最初から「努力」していたらこんな事にはならなかったのに・・・・・・。 
 ディアネイラ様にらき☆すたの第2話を見せてあげたい・・・。ディアネイラ様、何故ここまで言われて気付かないのですか・・・。

 さて本編、早速登場したディアネイラ様のお兄様、メレアグロスさんは、中々人間味に溢れたキャラです。

建前:

メレアグロス
「この戦いは、奪われた地球を奪還し、
全宇宙に、再び自由を取り戻す聖戦であります!」


本音:

メレアグロス
「まだ足りん。ノドスを手に入れ、私は全人類の王となる。」

  いい感じにダメダメな野望を口にしていますが、来週のノドスとの戦いで、お飾りの艦隊司令官なのか、それなりに有能なのか、見せて頂きましょう。ニルバー ルさんを参謀に招いた辺りで、ダメダメな雰囲気が漂っていますが、簡単に撃墜されては、我らがマニュー艦長こと、ニルバールさんまでお亡くなりになってしまいます。エイジには頑張っ て守っていただきたいと思います。(バカ)

 そんなメレアグロスさんの弟君も割とダメ人間。

アタラヌス
「早くノドスと共に戦いたいものだ。」

 メレアグロスよりは有能そうですが、この人もいい具合に勘違いしています。せいぜい死ぬ程度に頑張って下さい。(ドクロ)

 結論:ユーノス王家にはロクな人間がいない。














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 一方、ディアネイラ様に「恐怖」を植え付けられたパエトーさんは、プロメさんに「恐怖」を受け渡しちゃいました。便利な能力です。
 その一方で、プロメさんとレクティさんは、またウジウジと「黄金の種族」の意図について話しています。
 感情には「感情で苦しむメヒタカ」「恐怖に怯えるパエトーさん」のように、あまりありがたくない一面がある一方で、「メヒタカさんを案じるレクティさん」「エイジを想うディアネイラ様」「カルキノスを心配するユティさん」の様に、大切な面も有ります。
 銀の種族が否定しているのは、前者なのですが、「感情」を除去してしまうと、後者まで消えてしまいます。銀の種族が「感情」を除去した状態でやって行けるのは、「銀の種族」が圧倒的に強い事で、「感情」を持った「他の種族」の事を気にせずに、自分たちのコミュニティの中で完結している御陰なんですが、宇宙に出た以上は、自分たちだけで完全に完結できるワケはなく、不自然に「感情」を除去している為に、逆に「感情」に対する耐性が無くて、パエトーさんのようにすぐに使い物にならなくなったりするので、ディアネイラ様のような、銀の種族以外で精神感応能力を持ち、尚且つ「感情」を持つ存在は天敵となるワケです。
 また、ユティさんのように、盛んに「他の種族」と接していると、今回のユティさんのように「感情」の存在を、「理性」「否定」するものの、中に芽生えた根源的な「感情」「肯定」してしまっているように、「黄金の種族」が促した、「宇宙に出る」という行為そのものが、内輪で完結している「銀の種族」「感情」を持つ為のステップというのも理由の一つにありそうです。

 まぁ、ディアネイラ様も、ユティさんを邪魔しない程度に頑張れ。