DARKER THAN BLACK 黒の契約者感想第16話「裏切りの記憶は、琥珀色のの微笑み・・・(後編)」

 今話は、ノーベンバー11が、取るに足らぬ人間どもよ!支配してやるぞッ!!我が“知”と“力”のもとにひれ伏すがいいぞッ!的なノリで「契約者は人間を越えた存在」と考えている「イブニング・プリムローズ」ではなく、「契約者だって人間だ!」のスタンスの黒<ヘイ>さん側に着地する過程と、「イブニング・プリムローズ」にすら隠している「本当の」目的がありそうなアンバーさんの存在感をこれでもかと提示したお話。
 今までのエピソードで描かれてきた「契約者」達は、「人間」である事を肯定していたように、黒<ヘイ>さん側の「契約者だって人間だ!」が作中善で、それを真っ向から否定するのが
「契約者は人間を越えた存在」という考え。彼らに作中善を貫いて勝つ事が、クライマックスの一つの山場になると思います。
 そういやもう2ヶ月しか無いんだね、「黒の契約者」も。 嗚呼、続編作ってくれないかな〜。

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・「人間」になったノーベンバー11
 「ノーベンバー11」というキャラクターが、初登場の5話に出てきた時点では、「感情」「合理性」で言えば、迷わず「合理性」を取るキャラでした。ただ、「タバコが嫌いなのに、対価は『喫煙』」という、「矛盾」(=人間性)を抱えていて、「感情」に傾く「萌芽」だけが根底にセットされていたキャラでした。
 あの頃のノーベンバー11なら「合理的」「自分の命が最優先」だと判断すれば、先回のようにジュライを、また今回のように霧原さんを爆風から庇って負傷したりするのは勿論、エイプリルの「敵討ち」の為に、本来の目的であるフェブラリー(=アンバー)を追うのを霧原さんに任せて、自分は「勝ち目のない戦い」に赴いたりはする筈なかったのですよ。

 第6話で、殺されたハヴォックの仇を討とうとする黒<ヘイ>さんが見せた「非合理的(=人間的)な契約者の姿」と、ジュライ君の「仲間」という言葉で、ノーベンバー11が「人間」になって第6話の黒<ヘイ>さんとシンクロする形で「非合理的(=人間的)な契約者の姿」を自分自身がなぞって「勝ち目の無い戦い」を挑み、そして仲間パワーで勝利する展開が格好良すぎでした。

霧原さん
「ご無事で何よりです。あなたの『仲間』がこの場所を教えてくれました。」

 満身創痍、水にはトラップが仕掛けられ、「勝ち目」なんか全く無い状態でも敢えて戦いを挑んだノーベンバー11が、ジュライ君のサポートでマキ君の所まで無事に辿り着き、この絶妙なタイミングで復活したエイプリルさんの雨で大逆転を果たします。

ジュライ
「出来るよ。僕達。」

 また、「過去のノーベンバー11」と雨霧さんが似ているという描写を通じて、逆に「今のノーベンバー11」のギャップを描写したのは上手い手でした。そのギャップは、「合理的」ではないと「タバコ」を否定する「契約者側」のスタンスから、仲間と一緒に勝利後の一服を楽しめる「人間側」のスタンスに移ったのが、ただひたすら恰好良いです。
 それにしても、仕事の度に喫煙したり、飲酒をする、ダメっぽい大人を見て育っているのに、非常に良い子にそだっているジュライ君が健気。君はいつまでもそのままでいてください。

エイプリル
「何?私の敵討ちってワケ?」
ノーベンバー11
「つまらん冗談はやめておけ。」
エイプリル
「あんたもね。」
ジュライ
「・・・・・・」

 余談ですが、雨霧さんに「イブニング・プリムローズ」に誘われた時に霧原さんが助けに来てくれたので「断る。」と言ったんですが、最早「人間」となったノーベンバー11は、きっと来なくても「断る。」と言ったんじゃないかなと思います。

 先回、マキ君にやられた時点では、何かやらかしてくれるとは思ってましたが、こうも化けて来るとは思いませんでしたよ。

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 能力を制御出来ない「モラトリアム」である為に母が死に、「家族」を喪失した舞さんが、「家族」を再獲得するまでを描いた第3〜第4話「新星は東雲の空に煌めく(前編・後編)」と、能力を失った「喪失者」であるハヴォックが登場する第5話「災厄の紅き夢は東欧に消えて・・・(前編のみ)」を収録しています。

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DARKER THAN BLACK-黒の契約者- Vol.2 [DVD]

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該当話の感想
 DARKER THAN BLACK 黒の契約者感想第5話「災厄の紅き夢は東欧に消えて・・・前編」
 DARKER THAN BLACK 黒の契約者感想第4話「新星は東雲の空に煌く・・・後編」
 DARKER THAN BLACK 黒の契約者感想第3話「新星は東雲の空に煌く・・・前編」

  1. ・「母親」を渇望するマキ君


 マキ君の「対価」「母親の渇望」を意味していると思います。
 最近の話でネタになるような「対価」が無かったので話題に上がりませんでしたが、私は「対価」の正体は、「喪失した人間性を補完しようとする代償行為」だと捉えています。

 例えば、ハヴォックさんの「対価」「(子供限定の)吸血行為」でしたが、ハヴォックさんが人間性を取り戻した風景には「食事」があった事等から、ほぼ確実だと考えています。

 そう考えれば、マキ君がホットミルクを飲むのは「母乳」を象徴しているからであり、「誰か」の温もりを求めてカーテンにくるまったり、アンバー(=母親)が愛している黒<ヘイ>さんに対する「嫉妬」はエディプスコンプレックスの変形とかそんなんじゃないかな。

マキ
「だって、冷えたミルクじゃ対価にならない。」

  • ・アンバーさん


 本当に黒<ヘイ>さんにベタ惚れなアンバーさん。「イブニング・プリムローズ」も、黒<ヘイ>さんの為だけに作られたみたいですが、当の「イブニング・プリムローズ」のメンバーはそんな事は知らないのか、結果的に「契約者が人間を支配する」事を達成できればどうでもいいとか、本気でそんな事考えてそうで怖い。
 でも、アンバーさんマキ君に言ったように、アンバーさんは、契約者らしい「合理性」より大事なもの、「感情」を肯定している人なんですよね。そういう意味では明らかに黒<ヘイ>さん側の人間なんですが、この人はまだ謎が多すぎます。とまれ、アンバーさんの黒<ヘイ>さんに対する気持ちの正否は、アンバーさんが、作品のテーマの一つでもある、「仲間(=家族)」を本当に理解しているのかに掛かってきます。つまり、「黒<ヘイ>さんの笑顔」は、その周りの「仲間(=家族)」がいたからこそ生まれたのであって、その「家族」は、今は銀<イン>さん、猫<マオ>さん、黄<ホァン>さんであり、嘗ては白さん、そしてアンバーさんだったんです。銀<イン>さんに話したセリフを聞く限りでは、その事を理解しているようでもあるんですけど。さて、どうなるか。

アンバーさん
「彼もね、一度だけ本気笑ってくれたことがある。
とびっきり、抜けるような笑顔だった。その時思ったの。
『ああ、こりゃやられたな』って。
『私はきっと、この人の為なら何だって出来るな』って。
あの笑顔がもう一度見られるなら、何だって。
きっと貴方も思うはず。」


「あの人の事、見ててあげてね。」

 あと、アンバーさんのセリフは結構意味深。先回から星見様が多用していた矛盾する修飾語、例えば「憤怒かい、慈しみかい」みたいなのを使っていたり、銀<イン>さん達「家族」「対価」に、白さんと会わせると言っているのは、まるで「ゲート」そのものみたいな雰囲気ですし。

アンバーさん
「とっても遠くて、すっごく近く。」

アンバーさん
「一緒に来て。黒<ヘイ>。そうすれば会わせてあげる。
でももし、その為にこの街が闇に消えてしまうとしたら、どうする?」


 あと、黒<ヘイ>さんがアンバーさんからもらった首飾りを捨てていなかったのは、きっと黒<ヘイ>さんもアンバーさんの事が好きだったからだろうと思ったり。

・黄<ホァン>さん

 だんだん黒<ヘイ>さんの「家族」になってきた黄<ホァン>さんがいい味出してました。

黄<ホァン>さん
「頼むから俺にやらせるな。」
「手加減したってのか、ふざけやがって。契約者の、クセに・・・。」

・星見様
 星見様が、「憤怒かい、慈しみかい」というような矛盾する対義語で修飾語を成しているのは、「星=契約者」であり、「感情」があるから「合理的」に動かずに、「感情」を意味する「憤怒」「慈しみ」で動いている・・・という意味なんじゃないかと思いました。

「インのピアノ」を始め、「テンタイカンソク」など、本編で流れた素敵な曲が収録されている「DAKER THAN BLAC 黒の契約者-劇伴」サウンドトラックの発売は07/25発売予定。Amazonの購入で¥2,940、ポイント147pt(5%) 還元です。

DARKER THAN BLACK-黒の契約者- 劇伴

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・おまけ
 「大黒斑周期」って、まるで今週起こるような雰囲気だったけど、一体いつ起こるの!?

・次回予告 第17話「掃きだめでラブソングを歌う・・・(前編)」
 今回これだけシリアスな話を展開しながら、次回は日常に戻って一層シリアスな話を展開する黒の契約者が大好きです。

<追伸>  今週は色々あって本当に疲れたので、帰宅してすぐに書き始めたこの感想を書いたら、時をかける少女を観る為に、仮眠を取ります。
 今週は感想を上げるのも遅いし、内容も充実してなくてゴメン。

 おやすみなさい。(マキ君風に)



・新OP&新ED
 新OP覚醒ヒロイズム~THE HERO WITHOUT A“NAME”は、最初は否定する声もあったけど、「現状を打ち破る力」に満ちた曲がだんだんと受け入れられてるみたいで何より。HIGH and MIGHTY COLORの新ED、Dreamsは、みなさんが予想していたよりもずっと良かったみたい。
 先週まで否定的な評価だったブログが、一転して褒めてたり、否定を怖れて話題にしなくなってたりするのを読むのを楽しみに、皆さんの感想のトラックバックをお待ちしておりますよ?(性格悪いです)
Dreams

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