魔法少女リリカルなのはStrikerS感想第17話「その日、機動六課(後編)」


 第17話「その日、機動六課(後編)」

 今回の話で、魔法少女リリカルなのはStrikerS」が何を描きたいのかやっと分かった気がします。
 魔法少女リリカルなのはStrikerS」のテーマは、勿論「家族」なんだけど、もっと踏み込んで、「『要らない子』とされた子供達が、『居場所』を獲得する事」と、「その居場所を作る『母親』になる事」がテーマなんだよ。

<お越し下さったみなさまへ> 先回の魔法少女リリカルなのはStrikerS第16話「その日、機動六課(前編)」のブログ感想の計測件数は 85件、当ブログには59件の感想記事のトラックバック、感想へのコメント4件(by エイジロウさん、八咫・静凛さん、レインボウさん)を頂きました。ありがとうございました。
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・該当話の感想
 魔法少女リリカルなのはStrikerS感想第6話「進展」
 魔法少女リリカルなのはStrikerS感想第5話「星と雷」
 魔法少女リリカルなのはStrikerS感想第4話「ファースト・アラート」
魔法少女リリカルなのはStrikerS Vol.2 [DVD]

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・あなたは「要らない子」なんかじゃない。

 両親から「要らない子」とされたエリオ君、一族から「要らない子」だとされたキャロさんは勿論、ティアナさんが「凡人」だと「(六課の中で)要らない子」だと思っていた事、はやてさんが、自分を「罪人」だとして「要らない子」だとして、せめて人の役に立とうと考えている事も、全てこの「要らない子」というテーマに則っていますし、もしかしたらスバルさんも「人間ではない」事から、自分に疎外感を感じ、父親とも血縁が無い事が分かって自分を「要らない子」だと思ってしまうかもしれませんし、そして世界を滅ぼしかねない「聖王の器」として、「(世界からも、人類からも)要らない子」とされたヴィヴィオさんが「軌道六課」という「家族」に自分の「居場所」を見つける事が一つ。
 そして、過去に実の母親から「要らない子」とされたフェイトさんが、「軌道六課」全員の到達点としての「新しい家族」の形を提示し、なのはさんヴィヴィオ「母親」として「居場所」を作ってあげる事が、最終的な物語の着地点なんですよ。

 そう考えると、何だかよく分からなかった魔法少女、育てます」というキャッチフレーズや、新人の育成に「かなり」時間を掛けていた事、そしてなのはさん達が庇護を受ける「幼女」から、「19歳」という年齢になったのも、「母親」になる為に必要な「年齢」だったという理由から納得できます。

 だから、軌道六課の崩壊を目にしたキャロさんの叫びは、それぞれに「要らない子」だとされていた「子供達」がようやく手に入れる事が出来た「家族」が壊された「怒り」全ての代弁なのです。

キャロさん
「壊さないで・・・、私たちの居場所を壊さないで!」


 ・アギトさん達も、「要らない子」なんかじゃない。

 相性ばっちりのヴィータさん&リインさんに対して、ユニゾンの相性が良くないポンコツコンビのゼストさん&アギトさん。それでも果たさなければいけない約束の為に、命を削る戦いを挑むゼストさんと、ゼストさんをうまくサポート出来ず思うように「恩」が返せないアギトさん。決して恵まれたとは言えない境遇の二人がお互いに気遣って、絶対権力に逆らう姿が、オー・ヘンリー「賢者の贈り物」の報われない夫婦を見てるみたいで、思わず応援せずにはいられません。

ゼスト
「終わらんさ、成すべき事を成すまではな!」
アギト
「ふざけんなよ!!旦那の事は私が守るって言ったろ!?旦那の命は削らせねえ!私が必ず旦那の道を通してやる!」

 しかも、シグナムさんの接近で小競り合いで終わりかけた戦局でしたが、ゼストさんの役に立ちたい一心で焦ったアギトさんをヴィータさんの一撃が襲います。それを見たゼストさんは、使えば命を削るフルドライブでヴィータさんのデバイス「グラーフ・アイゼン」を粉砕、この一撃でリインさんも意識不明になってしまいます。ヴィータさんは「また」守れなかったのです。
 互いに譲れない信念で戦っているだけに辛過ぎます。

 ゼストさんはアギトさんの為に「フルドライブ」を使ってしまったように、「自分の為に」、無茶をする人じゃないっぽいです。多分レジアス中将を狙うのも、「誰かの為」なんじゃないのかなぁ。

 ルーテシアさん、ゼストさん、アギトさんの3人は、「目的が同じ」とか、「恩」といった、「家族」ではない状態で始まった関係がいつの間にか「家族」に変わっているという事を気付く辺りが着地点じゃないのかなぁ。

・ナンバーズだって「要らない子」じゃない。

  一方、ナンバーズ全体が敵かどうかはまだ分からないです。ウーノさんはスカリエッティさん側のブラックなのは分かりましたが、トーレさんはよく分からない のでグレー、クアットロさんの正体はマリエルさんっぽいですが、多分ウーノさん以上のスーパーブラック、他のメンバーは、「姉妹」で心配し合ったり「家族」らしいですし、セインさんなんかは、意図的なのか、人間を直接的に傷付ける能力も描写も無い上に、性格的にも好感が持てるので、多分グレーに近いホワイトっぽい感じです。ナンバーズも「姉妹」全員とは行かないまでも、土壇場で「姉妹」「家族」となって「居場所」を作ることになるんじゃないかと思います。

ウーノ
「その子もとても可愛そうな子なんです。」(嘘つき)

ノーヴェ
「セイン、セイン、急いで手を空けてくれ。チンク姉が!」

・「家族の証明」としての「スカリエッティさんの否定」

 スカリエッティさんは、「タイプゼロ」であるスバルお嬢さん、ギンガお姉さん、「プロジェクトF」のフェイトさん、エリオ君、「聖王の器」ヴィヴィオさんに対して、肯定して、「居場所」をあげようと言っているのです。

 それをフェイトさんは強く否定出来なかった。何故でしょうか?

 例えばフェイトさんは「プロジェクトF」で生まれた自分自身を受け入れ、同じく「プロジェクトF」で生まれたエリオ君を肯定しているのに、これ以上「プロジェクトF」で生まれる事は否定している。つまり「自分達が生出された事」は肯定しながら、スカリエッティという「生み出した人間」は否定しているという事です。
 そうすると、同じく「生み出した人間」であるプレシアさんや、エリオ君の両親を否定してしまう事であり、「自分自身」を構成している大事な要素が連鎖的に崩れてしまうのです。

 そうした「矛盾」の為に、フェイトさんは否定出来なかった。

 それを否定するのは、「家族」という要素です。「プレシア母さん」はフェイトさんを「娘」として生み出し、エリオ君の両親も、「息子」として生み出したので、そこには「家族」があり、「愛情」があり、「幸福」が欲しかっただけ。それに対してスカリエッティさんには、「家族」という意識は無いし、「愛情」も有りません。ただ「不幸」を生み出し続けているだけです。その一点に於いて、同じ「生みの親」であっても、スカリエッティさんは否定されるのです。

 フェイトさんがもう一度自分を振り返った時に、テスタロッサ家の家族」「ハラオウン家の家族」が自分にとってどんな存在だったかを見つめ直す事を通して、エリオ君はキャロさんの存在によって、スカリエッティさんを否定する「強さ」を獲得して、決戦に臨む事になるんだと思います。

 エリオ君は今回描写された「自分と同じ存在を作りたくない」という思いが提示されているので、明確には描写されないかもしれませんが、フェイトさんによる「スカリエッティさんの否定」は大きな位置を占めると思います。

 更に別の面からスカリエッティさんを否定する材料として、なのはさんヴィヴィオの母子関係があります。自分の「配下」として「居場所」を与えるというスカリエッティさんに対して、自分の「家族」として「居場所」を与える事が、「要らない子」だった全ての存在を救済する事を象徴するんだと思います。
 何故なら、フェイトさんの「家族」の形が、「要らない子」「家族」を獲得する形なのですから。

・ヴォルケンズだって要らない子なんかじゃない・・・よね・・・。

 そうそう、最近出番が絶望的に少ないシャマルさん、今回も台詞(「あれ台詞か?」という疑問は忘れよう)を貰った途端に撃墜されたザフィーラさんが、「要らない子」化しているのも、ラストで凄い活躍を見せてくれる為の「溜め」なんだよね?そうだよね?

 あと、はやてさんとカリムさんが偉い人に一生懸命説明しているのに、腕組みして見てるだけのシグナムさん。シャッハさんがなのはさんを追いかけたから待機しているんだよね?「要らない子」なんかじゃないよね?そうだよね?

 シグナムさんは、主であるはやてさんをさしおいて、一足早くフィギュア化していらっしゃる。

 もう、どっちが主なんだか分からない。

 やはり最後は需要と供給ですか・・・。

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・スバルお嬢さんとノーヴェさん
 今回はみんな辛い戦いが多かった中、スバルお嬢さんの戦いが一番悲惨でした。まさかギンガお姉さんがあんな事になるだなんて・・・。

ティアナさん
「お届けです。」

 そんな宅急便みたいなギャグをかましている間にギンガお姉さんが・・・・・・。定時連絡を欠かさないナンバーズに対して、ギンガお姉さんの存在をすっかり忘れていたのが失敗だったのかもしれません。(毒)

 駆けつけたスバルお嬢さんは、逆上してISを発動し、ナンバーズと互角以上の戦いをするも、ギンガさんは連れ去られ、自分も満身創痍の上にマッハキャリバーも機能停止。心も体もボロボロです。
 もしかしたら、次回は自分が「戦闘機人」だと知って、一層ボロボロになるかもしれません。ティアナさん、こんな時こそスバルお嬢さんをサポートしてあげて下さい。

 遂にウイングロードまで披露したノーヴェさんですが、スバルお嬢さん達との関係は提示されずじまい。記憶にセットされたお母様の記憶が鍵になったりするのでしょうか?

 あと、前の感想で、スカリエッティさんと同じ「黄色系の瞳」は、「戦闘機人の印」なんじゃないかと書いたけど、スバルお嬢さんの「黄色の瞳」に変化した事を見ると、やはり、「戦闘機人の印」なんじゃないかと思います。 となると、他に「黄色系の瞳」を持っているマリエルさん、オーリスさん、あと、今回気付いたけど、シャッハさんも「黄色系の瞳」を持ってます。マリエルさんがクアットロさんの変装だとしても、オーリスさんとシャッハさんじゃ、「0番」を設定しないと計算が合わないんですがー。(論理破綻)

 今週もOPは変わって無かったけど、先回から変わった新ED「Beautiful Amulet」は08/01発売です。

Beautiful Amulet

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・次回予告
 魔法少女リリカルなのはStrikerS感想第18話「翼、ふたたび」
 
 第1話の「空への翼」と対応しているところが心憎いです。その名の通り、ウイングロードを持つスバルお嬢さんの復活が描かれそう。頑張れ、スバルお嬢さん。

・おまけ

・強くなった新人さん達

 新人さんたちが強くなってますが、ティアナさんの活躍を最初に持ってきたのは演出上正解。スバルお嬢さんとエリオ君の過去、キャロさんの(竜の)咆吼の後だと、頑張ったのは分かりますが、どうにも地味すぎます。

 スバルお嬢さん 戦闘機人化。IS覚醒。  ティアナさん   幻術で攪乱  エリオ君     魔力を電気に変換した攻撃を初披露  キャロさん    ヴォルテールの召喚
 最初にティアナさんが活躍したときは小躍りしてましたが、その後のスバルお嬢さん、キャロさんと、すごく頑張ったエリオ君の前では霞みすぎてもう何も見えない。

 そして戦闘で全く活躍できず、エリオ君の言うがままのフリード。ヴォルテールの登場で一層存在意義が消えていきます。君ならザフィーラやシャマルさんと仲良くなれそうだ!(毒毒)


・ヴァイスさん、死んでないよね?

ヴァイスさん
「OK、撃てる。腕はまだ鈍っちゃいねえ。」

 どうやら、ヴィヴィオさんが狙いだと、いち早く気付いてストームレイダーで機動六課のピンチに駆けつけてくれたみたいです。ヴァイスさん優秀です。
 狙撃手の腕を発揮して善戦するも、ルーテシアさんによってヴァイスさんのトラウマが発覚。ストームレイダー亡き今、ヴァイスさんは立ち上がれるのか!?
 立ち上がると、死亡確率が上がるのでとっても心配ですが、立ち上がらなきゃ男じゃない。とりあえず立ち上がれ!ヴァイスさん!


・重りを落とせばいいじゃない。

 ギンガさんを助けに向かうスバルお嬢さんと、ティアナさんを抱えて通路を飛ぶなのはさん。ティアナさんを置いていけば、ギンガさんを助けるのに間に合ったんじゃ?(それを言っちゃおしまいだ。)

・ティアナさん、後ろ、後ろ! ラストで、ティアナさんの後ろで、ガジェットドローンと人がうろうろしているのはギャグなんだろうか・・・。
 こんな時にギャグをかますなんて、ティアナさんは胆が座ってる。(違)

・今回戦ってないはやてさん曰く――

はやてさん
「まだや、機動六課は、私達はまだ終わってない。」

 みんなこんなにボロボロなのに、まだ働かせる気なんですか・・・。少し休ませてあげて下さい。

・前回までの感想
 魔法少女リリカルなのはStrikerS感想第16話「その日、機動六課(前編)」
 魔法少女リリカルなのはStrikerS感想第15話「Sisters&Daughters」感想
 魔法少女リリカルなのはStrikerS感想第14話「Mothers&children」
 魔法少女リリカルなのはStrikerS感想第13話「命の理由」
 魔法少女リリカルなのはStrikerS感想第12話「ナンバーズ」
 魔法少女リリカルなのはStrikerS感想第11話「機動六課のある休日(後編)」
 魔法少女リリカルなのはStrikerS感想第10話「機動六課のある休日(前編)」
 魔法少女リリカルなのはStrikerS感想第9話「たいせつなこと」
 魔法少女リリカルなのはStrikerS感想第8話「願い、ふたりで」
 魔法少女リリカルなのはStrikerS感想第7話「ホテル・アグスタ」
 魔法少女リリカルなのはStrikerS感想第6話「進展」
 魔法少女リリカルなのはStrikerS感想第5話「星と雷」
 魔法少女リリカルなのはStrikerS感想第4話「ファースト・アラート」
 魔法少女リリカルなのはStrikerS感想第3話「集結」
 魔法少女リリカルなのはStrikerS感想第2話「機動六課」
 魔法少女リリカルなのはStrikerS感想第1話感想「空への翼」