Yes!プリキュア5第27話感想「りんちゃんイケメン幽霊とデート!?」

 今回は幽霊とのカップリングを仲間に推奨されるという夏木さんが哀れでなりません。やっと「心が通じた」と思ったら、相手は成仏しちゃうし…。夏木さんが気の毒過ぎる。 けど、伯爵の真摯な「思い」を知る事で幽霊に対する恐怖を克服した夏木さんと、最初はりんさんを恋人だと間違えた伯爵が、自分の「思い」を守ってくれた「夏木さん」自身に髪飾りを渡した伯爵は素敵でした。(必死にフォロー)

DVDは10/17発売

Yes!プリキュア5 Vol.1 [DVD]

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ペイバックの秋本先輩

 「夏と言えば怪談」です。「夏と言えば水着」という言葉もあったような気もしますが、「プリキュア」の名の前に、淡い希望は打ち砕かれました。けれどそれがプリキュアさんのいい所。水着は来年に期待して、気持ちを「怪談」に切り換えましょう。

「その古い校舎がある辺りにはね、その昔ローゼット伯爵のお屋敷があったの。」

 「ローゼット伯爵」って、日本じゃないし!

 これです。こういうワケの分からなさこそが初代から続くプリキュアの魅力。思うに、前作がいまいち振るわなかったのは、色々性格に問題があったキャラ、特に白、次に黄色を反省しすぎて、優等生、模範的なキャラを全面に出した結果、こういう「勢い」とかに欠けていたのではないかと思ったり。子供には、意外と根性の悪い脇役キャラがいるとのめり込めるのかも知れません。*1

 場所は変わって「恐怖」で社員を支配するナイトメア。カワリーノさんに呼ばれたアラクネアさん。

「恐怖に支配された者は持てる力を出し切れなくなります。」(カワリーノさん)

 すっかり「恐怖」に支配されてプリキュアさんに「肝試し勝負」というワケの分からない勝負を挑みます。それよりナイトメアに労働組合とか作った方がいい。こんな職場じゃ働きたくないし、働けない。
 しかし、ここに「恐怖」を我が者とした人が約一名。そう、先週、「メイン回なのに脇役」という地獄を見た秋本先輩です。不死鳥は、灰の中からこそ生まれると言いますが、不死鳥と言うより地獄の門卒。満面の笑顔だけど目が笑ってない。だって秋本先輩メイン回が終わったら作画が元に戻ってるんだもの。

「ワクワクするわね!」(秋本先輩)

 仕事は人気のバロメーター。なら先輩のバロメーターはマイナスを振り切ってる。周囲からは、

「緑要らなくない?」

「4人にすれば、もっと効率的に回るんじゃない?」

「先輩は青だけでいい。」

「地味。」

「今からでもプリキュア4に変えたら?」


秋本先輩
「・・・・・・。」

 嗚呼、秋本先輩のゲシュタルト崩壊は時間の問題だったのでした。

やられたら、10倍にして返しましょう

 古来、ハンムラビ法典には、「目には目を」というのがあります。ニワトリは強いニワトリが弱いニワトリを虐めるという非情なヒエラルキーがあると言います。孫子は言いました。「兵は詭道なり!」
 主役回を奪われたなら、他人にそれをやり返しましょう。更に、「夜の校舎」という舞台では、「恐怖」を自らのものとした秋本先輩がヒエラルキーの頂点。そう、「復讐するは我にあり!」

 さて、そこにやってきたのは逆に「恐怖」に支配されたアラクネアさん。プリキュアへの復讐に燃えていますが、既にここは秋本先輩の領域、アラクネアさんといえども、秋本さんの掌の上で踊らされているにすぎません。最初の標的は夏木さん。人骨模型を動かすという、お化け屋敷以下の戦術で夏木さんに「恐怖」をお見舞いです。みんなおかしい。

「ふふふふふふふ。」(アラクネアさん)

 勝負が「恐怖」するかしないかにすり替わってるんじゃなかろうか。上司のアドバイスを鵜呑みにするのも程々に。所詮上司に現場の気持ちなんて分からない。しかし、見事にそれに引っかかって一目散に逃げていく夏木さん。「肝試し勝負」はアラクネアさんに軍配が上がりそうですが、絶対に驚かない緑の人が約一名いるような。やっぱりみんなおかしいよ。

「きゃああああああ!」(夏木さん)

 逃げた夏木さんが暗闇の中で出会った影が一つ。増子さんです。いつものバンクを決めながら颯爽と決めてくれました。

「ローゼット伯爵をスクープする為に来たに決まってるじゃない。」(増子さん)

「増子さん、なんで理科室通るの?」(夏木さん)
「なんでって、理科室と言えば幽霊でしょ。ちょっと怖いけど。記者魂が燃えるわ。」(増子さん)
「燃えない、全然燃えない。」(夏木さん)

 怖いのに来た増子さんの記者魂が素晴らしい。それと、運動しか取り柄が無い夏木さんと同じ速度で突っ走る増子さんは身体能力も素晴らしい。サンク・ルミエール通信は体が資本。あと、増子さんメインの話まだ〜?

 一方、増子さんに見捨てられ、幽霊に襲われ心がボロボロの夏木さんに秋本先輩から一言。

「りんさんが見たのはローゼット伯爵よ!」(秋本先輩)

 嗚呼、先輩はとっくに心が壊れてしまわれたいたのでした。語るべき言葉は復讐という言葉に彩られて、笑顔が禍々しく輝いております。そう、いまの先輩は誰にも止められない。

「りんさん、髪飾りを受け取ってあげるべきよ!」(秋本先輩)
「そーです!そして今まで待ち続けた伯爵の思いを遂げさせてあげましょう!」(春日野さん)
「そーだよ、りんちゃん!りんちゃんにしか出来ないよ!」(夢原さん)
「まあ…そーかもしれないわね。」(水無月先輩)

 嗚呼、気が付けば四面楚歌。渡る世間は鬼ばかり。いつもは仲間なんて言ってるけど、所詮は他人事。畢竟対岸の火事

だって「ロゼ×りん」面白そうなんだもの。(クサレ)

 「伯爵が思いを遂げさせたらどーなるの?」という「危険性」を修正液で無かった事にしつつ、「ロゼ×りん」を全力で推奨するプリキュアの皆さん。いえ、むしろ分かっててやってるのか。周囲のノリに気圧されて思わず同意してしまった水無月先輩が可愛すぎ。
 しかし、意外や意外、正体を現したローゼット伯爵は音に違わぬイケメン。この年頃の女の子には所詮は顔が全て。「幽霊=怖い」は、「イケメン=正義」という言葉にかき消されて、場所もいつの間にかファンタジーな雰囲気に。夏木さんすっかりメロメロです。(死語)
 そこに登場したアラクネアさん、「さっき伯爵の幽霊に怯えてガタガタ震えてたくせに!」に夏木さんがカウンター。

夏木さん
「気持ちが通じれば、怖いものなんか無い!」

 気持ちが通じた!通じたのは「言葉」じゃなく「顔」な気もしますが、やっぱりイケメンって偉大だという結論でOK?(ひねくれ)

 その後、販促タイムが始まって、微妙に変わったバンクを導入して無事に戦闘終了。頑張った夏木さんにローゼット伯爵からのお礼。

ローゼット伯爵
「受け取って欲しいんだ。私の為に一生懸命戦ってくれた君に受け取って欲しいんだ。」

次回予告

 Yes!プリキュア5第28話「こまちの夏祭り奮闘記」

「銭の花は白い、けどその根は血のように赤いんや!」

 終始夏木さんから主導権を奪い続けた秋本先輩のまたもやメイン回。もう先輩は誰にも止められないっ!

映画関連商品(今年は手際が良すぎる)

ちょっとマジメな話

 こうしてみると、先回の「ロマンス全開リゾートライフ!」は、秋本先輩のメイン回というワケじゃなくて、ココとナッツのメイン回で、二人の「守りたかった」という気持ちに一番近かったのが、健気に「防御技」に専念する秋本先輩だったと解釈。

*1:その文脈では、今感想を書いてる「魔法少女リリカルなのはStrikerS」で覚えた「ベルカ式作画」はこういう年齢層には有効な戦略かもしれません。(Sunithaはあたらしいことばをおぼえた!)