魔法少女リリカルなのはStrikerS第25話「ファイナル・リミット」

 ありがとう。もうそんな言葉しか思いつきません。

 「魔法少女リリカルなのはStrikerS」のテーマは、勿論「家族」なんだけど、もっと踏み込んで、「『要らない子』とされた子供達が、『居場所』を獲得する事」と、「その居場所を作る『母親』になる事」がテーマなんだよ。

http://d.hatena.ne.jp/AlfLaylawaLayla/20070723/1185366902

 これら全てが無事に着地してくれて、もう胸がいっぱいです。

DVD vol.3は9/26日発売

魔法少女リリカルなのはStrikerS Vol.3 [DVD]

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ヴィータさんの救済

「ダメだ、守れなかった・・・、はやて、みんな、ごめん・・・。」
「謝る事なんて何もあらへん。」
鉄槌の騎士ヴィータと、グラーフアイゼンがこんなになるまで頑張って、それでも壊せへんもんなんて、この世のどこにもあるわけないやんか。」

 度々の困難にも負けず、なのはさんとの約束通り、満身創痍の体で駆動炉を壊してくれたヴィータさんも、「母親」であるはやてさんによって救済。ヴィータさん、よく頑張った。

ヴィヴィオの救済

 冒頭の段階では、まだ「母親」という自覚が無かったなのはさん

 そんななのはさんに、ヴィヴィオは凄絶に拒絶します。

 一度目の拒絶は、「六課襲撃の時に自分を守ってくれなかった事」をクアットロさんに操作されての拒絶。

「嘘つき。あんたなんか、あなたなんかママじゃない!」(<#23)

 そして二度目の拒絶は、全てを知った事による拒絶。自分が「要らない子」だと認識してしまった事による拒絶。

「もう、来ないで!」
「分かったの、私、もうずっと昔の人のコピーで、なのは・・・なのはさんも、フェイトさんも、本当のママじゃないんだよね・・・。この船を飛ばす為のただの鍵で、玉座を守る生きてる兵器。」
「本当のママなんて元からいないの。守ってくれて、魔法のデータ収集をさせてくれる人を探してただけ。」
「悲しいのも、痛いのも、全部偽物の作り物!私は、この世界にいちゃいけない子なんだよ!」

 でもそれは違う。「本当の母親」になる決意をしたなのはさんが、孤独も悲しみもを全て包み込んで、「母親」という絶対的な「居場所」を与えられてくれるカタルシスがすごく綺麗です。

「違うよ。生まれ方は違っても、今のヴィヴィオは、そうやって泣いてるヴィヴィオは、偽物でも作り物でもない。
甘えんぼで、すぐ泣くのも、転んでも一人じゃ起きられないのも、ピーマン嫌いなのも、私が寂しい時にいい子ってしてくれるのも、私の大事なヴィヴィオだよ!」
「私はヴィヴィオの本当のママじゃないけど、これから本当のママになっていけるように努力する。だから!いちゃいけない子だなんて言わないで!本当の気持ち、ママに教えて。」

 そしてヴィヴィオが「本当の母親」にずっと言いたかった言葉―――

「私は、私は、なのはママの事は・・・大好き。ママとずっと一緒にいたい!ママ、助けて!」

 「助けて」と叫ぶ人を助けるのがこの物語を貫く信念それはスバルお嬢さんが言語化してくれています。

「災害とか、争い事とか、そんなどうしようもない状況が起きたとき、苦しくて、悲しくて、助けてって泣いてる人を、助けてあげられるようになりたいです。自分の力で、『安全な場所まで、一直線に!』」

 そして、「本当の母親」になったなのはさんの言葉。

「私はヴィヴィオの本当のママじゃないけど、これから本当のママになっていけるように努力する。だから!いちゃいけない子だなんて言わないで!

 嗚呼、この言葉が聞きたかった。

「私は、私は、なのはママの事は・・・大好き。ママとずっと一緒にいたい!ママ、助けて!」

 助けを求める声があるなら、なのはさんは一直線に来てくれる。

「助けるよ、いつだって!どんな時だって!」

 嗚呼、その言葉を待っていた。

 そして「スターライト・ブレイカー(=壊す為じゃなく、守る為の力)」によって「聖王の鎧(=パーソナル・スペースの象徴)」を打ち破り、破壊される全ての元凶たるレリック。
 そして全てが終わり、自ら立ち上がり「母親」に向かって立ち上がるヴィヴィオ

「来ないで、一人で、立てるよ。強くなるって約束したから。」

 それは、なのはさんから伸ばされた愛情に答える形での、ヴィヴィオから伸ばされた手。
 OPでは繋がれなかった手と手が、いま届いた。

 嗚呼、もう語るべき言葉はありません。

 ありがとう。

ゼストさんの救済

 旧世代の騎士であるゼストさんが、新世代の騎士であるシグナムさんに、志を全てを託す形でのゼストさんの救済。最後までアギトさんとルーテシアさんの事を気遣っていたゼストさん、ありがとう。過去の部下の為、現在の家族の為、最期まで誰かの為に戦った貴方は、最後まで強く、優しかった。

 ありがとう。

「アギトとルーテシアの事を、頼めるか。巡り会うべき相手に巡り会えずにいた、不幸な子供だ。」
「お前やルーテシアと過ごした日々、存外悪くなかった。」
「俺やレジアスが守りたかった世界、お前達は、間違えずに進んでくれ。」

クアットロさんは救済されず。

壁抜き!?まさか、こんな馬鹿げた事が!?」

 星を砕き、天をも貫くなのはさんに壁ぐらいどうという事はあろうか、いや、断じて無い!倒すべき対象が見えるなら、全てを貫いて悪を断つ!

「ディバイン・バスター!」

 さようならクアットロさん。悪役らしいやられ方。ナンバーズに対する視聴者の怒りを全てその身に受けて大変だったとは思いますが、最後までありがとうございました。
 それにしても、最初からこのルックスならこんなに憎まれなかったかもしれないのに。

次回予告

 魔法少女リリカルなのはStrikerS第26話「約束の空へ」

「インドアでの脱出支援と救助任務、陸戦屋の仕事場だぜ!」

 第一話での恩返し、「誰かを守る為の力」で、あの日、炎の中から助けてくれたあの人達を、今度は自分が助けに行く。それなら、方法は唯一つ、ディバイン・バスターただ一つ。

 スバルお嬢さん頑張れ!

「優秀な前衛がいて、後先考えない一撃必殺を撃てる状況なら、そりゃまあおっかないスキルなんでしょうけど。」

 そして最後は二人でのディバイン・バスターを期待しても、いいですか?

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おまけ

 スカリエッティさんを倒す為にソニック・フォームになったままのフェイトさん、その恰好、目に毒なので早く何か着て下さい。

 フェイトさんは視聴者が何を求めているかよく分かっている気がした。流石は最初に変身シーンを披露してくれたお方ですね!(台無し)