機動戦士ガンダムOO第3話感想「変わる世界」

 今回は、刹那君&ティエリアさんの理想主義と、セルゲイさんの現実主義が印象的でした。3人とも極めて象徴的に2度も執拗に描写されているんですよね。
 そして同じく2度描写されている事を、「(不動の筈の)教科書の紛争」が、「(変革していく)現実の紛争」になる瞬間を、紛争地域の外で学生をしている、まさに外部の人間である沙慈君の視点で語られて、沙慈君がその世界と向き合う伏線を敷設。おお、君が第三勢力か。

「世界が、世界が変わってる。」

 きっと、紛争の外にいる人間には、自分が生きている間には何も変わらないだろうと高をくくっている所が誰にでもある筈ですが、ソレスタルビーイングによって、お互い収めたいと思っていた銃の引き際が天から振ってきたりと、確かに変革している様に見えますし、それに一部賛同する人間も描写されました。

「儂は麻薬などというものが心底嫌いでな。焼き払ってくれるというならガンダムを支持したい。」

 なら、これからは、変革に対する害悪の描写。例えば今回アレルヤ君の爆撃によって、麻薬の製造で生きてきた人たちの生活を破壊してしまったように、ソレスタルビーイングの犠牲者の描写が出てくるという所かな。何にせよ、こんなに簡単に変わるとは思えないし、作品的にもその方向性であってる筈。

MS IN ACTION!! ガンダムエクシア

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本編感想

刹那・F・セイエイの場合

 刹那君はこれまではビーム兵器を使わなかったのに、今回2度もビームサーベルを使用し、しかもその際には「俺に触れるな!」と言っているワケです。
 つまり、刹那君の敵意とは「強い拒絶感」と共にあるワケで、これは、彼の心の頑なさと危うさを象徴していると解釈。つまり、刹那君の思考は硬直していて、「ソレスタルビーイングの活動の先に未来がある」と信じていて、そこに国家や個人の思惑が介入してはいけないと考えているからだと思います。
 刹那君が「自分」を自分で意識的に抑圧しているのは、第1話の感想から書いてきましたが、どうやらその解釈でよさそう。

 矛盾を内包したまま状況を開始したソレスタルビーイングと、矛盾から目を反らして「歯車」に徹しようとする主人公・刹那・F・セイエイ

http://d.hatena.ne.jp/AlfLaylawaLayla/20071006/1191678185

 今話を観ると、登場人物の多くが「自分を殺してる」、「自分を見失っている」という印象を受けました。みんな「これ/それが ガンダムマイスター/ソレスタルビーイングだ!」とばかり言っていて、「自分の名前」がどこにもない。今話でストラトス兄貴が刹那の名前を呼んでも刹那が反応しなかったのはそのメタファーなのかもね。

http://d.hatena.ne.jp/AlfLaylawaLayla/20071013/1192284160

となれば、刹那にこれから降りかかるのは、「誰かの為に戦う」という望みとの闘いです。まぁ、言うまでもなくマリナ・イスマイールさんが絡んでくるとは思いますが。
 その時に、「力」はあるのに、「特定の個人の為」に「力」を行使する事は許されない。大局で判断して、平和の犠牲にするのがソレスタルビーイングガンダムマイスター。でも、それでも、「君の為に闘いたいという願い」は罪なのだろうか?という、アンビバレンツな刹那君に大期待。

ティエリア・アーデの場合

 ティエリアさんが地上より宇宙を好むのは、彼(でいいよね?)の「理想主義」の象徴だと思います。多分ティエリアさんの中には「世界はこうあるべき」というのがあって、それがソレスタルビーイングの行動理念と一致するから戦っているんだと思います。
 ただ危ういのは「空」が「地に足を着けない」という象徴になっているみたいな所かな。世界はそんなに綺麗には出来ていないし、ならないと思うんだけどなぁ。

「やっと戻れる。地上は嫌いだ。」

「やはり空はいい。」

 現時点では、ティエリアさんは「理想主義者」で「頑な」という点で刹那と似たもの同士という事かなぁ。他の二人のソレスタルビーイングに属している以上は「理想」があるんだとは思うけど。

セルゲイ・スミルノフの場合

 そのティエリアさんと入れ違いに宇宙から戻ってきて、且つ、「地上に足をつける」という事が象徴するように、ティエリアさんと対照的に「現実主義」を担っているのがセルゲイさん。おお、渋いぜオッチャン。

「心地いいな。重力というものは。」

 「現実主義者」だから、「自分の目で見たものしか信じない」ワケですよ。

「私は自分の目で見たものしか信じない男だ。司令も了承される。」

「言ったはずだ。私は自分の目で見た物しか信じぬとな。」

 多分、セルゲイさんの立ち位置は、現実主義の側から世界を変革していく、或いは「理想主義」の側からの世界の変革に対して、「現実主義」の側から問題点を提起し、ソレスタルビーイングの行動について視聴者に対して疑問を投げ掛ける立ち位置だと解釈。

「戦争根絶とやら覚悟、見せてもらおうか!」

 つまり、少年を見守るオヤジのキャラ。

アレルヤ・ハプティズムの場合

 今回は特に「理想主義者」としての描写はありませんでしたが、人殺しを避けている所があります。あと、意識的にか無意識的にか、うっかりさんです。

「まさしく盲点だね。僕達に弱点があるとすれば、ガンダムが無いとプトレマイオスの活動時間が極端に限定されてしまう所かな。四つしかない太陽炉が―――」

 アレルヤさんは顔半分を髪で隠していますが、これを「何か隠している」という事のメタファーとして捉えていいのかなぁ?

沙慈・クロスロードの場合

「ねえ、沙慈は将来の事考えてる? 」
「漠然とね。」
「その中に私の事は入ってる?」
「漠然とね。」

 なる。その「漠然」が刹那によって「明瞭な将来」に変わるワケですか。

 というか、刹那さん、本名名乗っちゃダメでしょ。テロリストの自覚はありますか?(笑)

「あの、お隣さんですか?」

「刹那・F・セイエイ」

絹江・クロスロードの場合

「でも何故二百年以上経った今、彼らは動き出したの?」

 基本理論をイオリアさんが作ったなら、根本的欠陥をセットしていてもおかしくは無い。
 つまり、「二百年」を待ったのは、石油資源の枯渇により、人類が「軌道エレベーター」に頼らざるを得ない状況になり、他に選択肢がなくなった事で、人類はイオリアさんにライフラインを握られてる事になるワケですよ。

 流石悪人面。やる事がえげつないね!(バカ)

ガンダムのメタファー

「あの機動性を実現させているのは―――」
「光。」

 成る程、「太陽炉」なるものは4機しかなくて、ソレスタルビーイングにとってもオーバーテクノロジー扱いなワケですか。
 「光」は「太陽」を象徴すると同時に「希望」のメタファーと解釈。

 「光」を撒き散らす事は「希望の翼」という事でラストは締められそうですね。

次回予告

 機動戦士ガンダムOO第4話「対外折衝」
 マリナさんだやっほー!相変わらず幸薄い顔してるなぁ!(ドクロ)
 もっと笑ってください!

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