マクロスF(フロンティア)第5話感想&備忘録「スター・デイト」
今回はアルトが「俺は、『ここ』にいたいんだ!」に繋がる言語化を始め、ランカは「アルトが『ここ』いる」事で自分は飛べると意識し、シェリルは「アルトと『ここ』にいる」事を楽しいと感じながらも、『ここ』の人間ではないと、(今回のバジュラの襲撃ですぐにひっくり返るワケですが)「別れ」を告げる(実質的な戦線離脱)話でした。
本編感想
早乙女アルト
アルトは「俺は、『ここ』にいたいんだ!」という、自分自身のアイデンティティを「言語化」する予備段階、シェリルとランカが「(『ここ(=ステージ)』にいる為・いようとする為に)歌わずにはいられない」のを見にして、「俺は、『ここ』にいたいんだ!」に繋がる「飛ばずにはいられない」を「言語化」。
「呆れるよな。
どうしてあんなに――いや、なんで人は歌ったり、飛ぼうとしたり、果ては宇宙にまで出てこようとしてるのかってね。」(早乙女アルト)
「そうせずにはいられなかったからに決まってるじゃない!」(シェリル・ノーム)
「そうか、『飛ばずにはいられない』、か。」(早乙女アルト)
ランカ・リー
ランカはミシェルに「覚悟」を問われたものの、結局自分一人では「覚悟」を決められず、自分自身の「甘さ」に気付いたランカが、「紙飛行機(=飛んでいるアルトの暗喩)」を目にして、第三話で丘の上でアルトが教えてくれた「私は『ここ』にいるよ」という事を伝える為には、思い切って飛ばなくてはならないという事、そして実際に飛んでS.M.Sに入隊してみせたアルトを思い出して自分も飛び立ち、そして見事に飛んでみせ、同時に自分にとってのアルトの存在の大きさを強く意識し、最後のシェリルのキスで揺さぶられる事になります。
「アルト君の御陰なの!」(ランカ・リー)
シェリル・ノーム
アルトと一緒にマクロス・フロンティアを回る中でアルトと一緒にいる事の楽しさを意識するんですが、同時に『ここ』、マクロス・フロンティアの人間ではないシェリルが、「『シェリル・ノーム』という人間はどんな人間なのか?」、「シェリルにとっての(現時点での)『ここ』、ギャラクシー船団はどんな場所なのか?」を通して、「アルト・ランカにとっての『ここ』、マクロス・フロンティアはどんな場所なのか?」を意識化させ、アルトが「俺は、『ここ』にいたいんだ!」へと近づかせる話。(視聴者にとっての観光案内にもなっているのが巧い。)
「でも『ここ』に来て驚いたの!こんなに色んな匂いに満ちているんだって!」(シェリル・ノーム)
その他・視聴メモ
最初の企画段階から「飛ぶ」と「歌う」が並列になる―――まるで比翼連理のように―――事を意識して製作されている事が伝わってくる。
アルトとランカがそれぞれ「飛ぶ」と「歌う」を担いながら、「一緒に」踏み出していく点は勿論、物語として「飛ぶ」と「歌う」が全く同じ概念として捉えられている事からも忖度出来る。
また、これまでのマクロスがそうであったように「飛ぶ(戦士)」と「歌う(歌手)」によってテーマ的な「敵」―――今回の敵ならば「『ここ』にいるな」という圧迫―――を凌駕する事になっているのはこれまで通り期待して良い。
「小さな地球」、「閉鎖系」という事は、「『ここ』の人間」以外の存在を許してはくれないという事?つまり暗に「ミシェル」は『ここ』にいられないという事なのだろうか?
ミシェルがアルトのお守りを見てすぐに「自分にとってのイヤリング」と同じモノである事を気付き、同時に取った反応からアルトも「自分にとってのお守り」と同じモノであると気付いていた事も意味する。ミシェルとアルトの共通点。
一話で一お色気、一話で一曲。これからも続けて頂きたい。
七瀬さんは自分が如何に可愛いかを意識に昇らせずに無意識下で理解している節がある。彼女は良い確信犯。彼女も早晩「ステージ」に上がるのでしょう。
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次回予告
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