マクロスF(フロンティア)第23話感想&備忘録「トゥルー・ビギン」

 今話は、アルトが「ここ」の脆さ、儚さを悟り、「俺は、『ここ』にいたいんだ!」の境地まではもう少し、ですが、レオン・三島とビルラ氏、二人の煽動屋によって「ランカ討つべし!」の方向に流されて、「俺は、ランカを殺す。」という、作中悪の方向に流され、「バジュラとの共存」が眼中に無い状態です。
 ところで、フロンティアはここまでボロボロになってますが、私は、バジュラの星に人間が植民してアルト達みんなで共存して「完」ではないと思うんですよね。特にアルトは、「俺は、『ここ』にいたいんだ!」とシャウトしなくちゃ、今までに積み上げてきたものが台無しになるので、フロンティアで旅を続けるのが綺麗な着地点だと思ってます。

「脆いもんだよな。
狭くて、息苦しくて、絶対逃げられない檻みたいだと思ってたのに。」(早乙女アルト
 
「あんなに小さかったんだな、親父。」(早乙女アルト
 
「こんなちっぽけで、ほんの少しのバランスで崩れちまう世界。
でも、みんなここで生きてる。生き続けたいと願ってる。」(早乙女アルト

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本編感想

 第二クールに入ってから、ずっと「自分で決めた・自分で感じた事をする」事がプラス要素で、「周りから言われた事を無批判にこなす」がマイナス要素だという事が描かれて来ました。
 「自分で決めた・自分で感じた事をする」という点では、アルトやレオン・三島もランカやシェリルと変わらないのですが、やっぱりマクロスらしく「共存」と「誰かへの愛」は絶対の作中善なので、そこをきっちり抑えておかないとダメでしょう。

  共存 誰かへの愛
早乙女アルト ×
ランカ・リー
シェリル・ノーム
クラン・クラン ×
ブレラ・スターン
ルカ・アンジェローニ ×
レオン・三島 × ×
ビルラ氏

 で、一応主人公なのに、作中善から結構遠いトコにいるアルト。(上の表参照)
 矢三郎兄さんから「流されたまま逃げるな」と怒られますが、出た結論が「ランカを殺す」です。
 言うまでもないですが、不正解ですね。「誰かへの愛」と「共存」は両立するのがマクロスの正義なので、土壇場で気付いてくれるでしょう。(多分)

「アルトさん、私には貴方が成り行きで戦っているようにしか見えない。
貴方は敵がいてもいなくても、パイロットになったのですか!?」(早乙女矢三郎)
 
「貴方は根っからの役者です。
その時々で望まれた役を演じてしまう、演じられてしまう。
もう一度よく考えて下さい。貴方の望み、貴方が何故、何を求めているかを。」(早乙女矢三郎)

「そして、俺はあいつに出会った
アイツを守る為にSMSに入ることを選んだ。
戦う事を、守る事を、それからずっと―――」(早乙女アルト
 
「確かに、俺は今まで逃げたのかもしれない、色んなものに気付かないフリをして。
でも、それも終わりだ。
こんなちっぽけで、ほんの少しのバランスで崩れちまう世界。
でも、みんなここで生きてる。生き続けたいと願ってる。
だから、ランカがバジュラの道具にされるなら、あいつの歌が俺達を滅ぼそうとするなら、
俺は、ランカを殺す。」(早乙女アルト

 ランカとブレラの旅も終着であるバジュラの本星に到着。
 「ランカを守りたい」という主人公の鑑のようなブレラと、「共存」をただ一人掲げるランカの作中善コンビは、一人はグレイスと、バジュラ・クィーンの二人の「反共存」に捕まってしまいますが、二人ともそんなのからはとっとと抜け出して頂きたいと思います。

「何とか止めたいって、戦わないで済むようにしたいって!だから来たのに!」(ランカ・リー

 そういう事は、アルトに言ってあげなさい。毎回言ってることが違う支離滅裂な娘に見えちゃうでしょうが!(ドクロ)(ボソッ)

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次回予告

 マクロスF(フロンティア)第23話「ラスト・フロンティア」

おまけ

 シェリルが痛々しい…。
 チクショウ、言うな、語るな。

「優しいのは罪よ。
それが同情だって分かっていても、縋りたくなるから。」(シェリル・ノーム
 
「分かっていた事よ。でも今だけ、もう少しだけ。」(シェリル・ノーム