機動戦士ガンダム00セカンドシーズン第10話感想&備忘録「天の光」
「な、なんだ、この感触は…」(ティエリア・アーデ)
「メメントモリ(=死を思え)」という兵器の名前、祖国の喪失を味わったマリナさん、ダブルオーから発せられた粒子が脳量子波を持つ人たちに伝達した「他人の死の感触」というメッセージ。
それらが示す答えは、「自分の痛み」や「自分の死」を他人に伝える、或いは、「他人の痛み」や「他人の死」自分自身に実感として刻み込むという事ですよね。
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本編感想
メメント・モリ(=死を思え)
「メメントモリ(=死を思え)」という名前に反して、それを撃った人には「相手の死の感触」が伝わらないという最悪な兵器だったりするんですが、これは「神視点」のイノベイターが上からモノを言っている傲慢さを暗に示しているのと、世界全体が「死の感触」を肌で感じる最初の契機になるという二つの意味があるのだと思います。
喪失の感触
「刹那…、今なら分かるわ、故郷を、クルジスを失った貴方の気持ちが。
自分の足下が消えて無くなるようなこの喪失感。
こんな気持ちになっても、何故あなたは戦う事が出来るの?」(マリナ・イスマイール)
今までも沙慈君が軽率さから人が死ぬきっかけをつくってしまったりと、セカンドシーズンでは何度も繰り返されているパターンですけど、「分かる」という言葉を使って、明らかに「特定の誰か」の気持ちを思いやる発言をしたのはマリナさんが初めてなんじゃないかな。
マリナさんのこの「喪失の感触」も、「死の感触」と同じもので、究極的に「他人を理解する」という一番難しいトコに係っていくワケですね。
ダブルオーが世界に「死の感触」を伝達する
この暗喩が最後の最後に出て来て、思わず私も「おお…」と唸ってしまいましたよ。(断じて洒落とかではない)
ダブルオー | (脳量子波使用者限定とはいえ)他人の「死の感触(=痛み)」を伝達 |
メメントモリ | (視聴者を含めた傍観者に)他人の「死の感触(=惨状)」を伝達 |
↓
ダブルオー | 世界に「死の感触(=他人の痛み)」を理解するよう促す |
メメントモリ | 世界に「死の感触(=恐怖)」を植え付ける |
こう見ると、「ダブルオー」と「メメントモリ」は相反する概念で構成されていて、いずれ対立するとはいえ、まるで歯車の両輪のように働いているですよね。
コードギアスでルルーシュが自分を「悪逆皇帝ルルーシュ」にして「憎しみ」を集めて、その代償にナナリーから(衆目的な意味で)罪を取り除いて、世界に平和をもたらしたように、「ダブルオー」と「メメントモリ」も、必要不可欠な対立要素として働きそうな感じです。(ホントはガンダムWを例に取りたかったのは内緒です)
マリィさんのご乱心を目にした沙慈君ぽかーんでしたけど、今はこれでいい。沙慈君は一般人代表なので、まだ今は…
死神が鎌を掲げてやってくる
意外!それはハレルヤの復活!!
ファーストシーズンのラストでハレルヤ君は死んだというのが私の認識だったので、まさかの復活。
ですが、これでファーストシーズンの時に出来なかったアレルヤ君がハレルヤ君を越えるというイベントが可能になり、また、順風満帆かのように見えた「アレルヤ&マリィ」にも波乱の様相を呈してきました。
確かに、「アレルヤ&マリィ」のカップルが成立するのが早すぎたとは思ってましたけど、確かにそこに「ハレルヤ」という最悪のお邪魔虫を填める事でバランスは取れます。この発想は無かった。脚本の黒田さんに乾杯。
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次回予告
機動戦士ガンダム00セカンドシーズン第11話「ダブルオーの声」
ダブルオーを初めとするガンダム、正確にはその太陽炉には、イオリア・シュヘンベルグの一番深い部分が込められているというのは前から描写があったので、メメントモリに対抗する力を見せていただきたい。
おまけ
「そうか、会うのが初めてのヤツもいたな、儂の嫁だ。」(イアン・ヴァスティ)
「リンダ・ヴァスティです。」(リンダ・ヴァスティ)
「若い…」(沙慈・クロスロード)
「犯罪ですよ。」(アレルヤ・ハプティズム)
「どういう意味だ!?」(イアン・ヴァスティ)
「冗談はそれぐらいにして。」(スメラギ・李・ノリエガ)
「何だよ、冗談って。」(イアン・ヴァスティ)
誰も信じてないよ…。