プリキュアオールスターズDXみんなともだちっ☆奇跡の全員大集合!感想

「私たちは、違うから強くなれる!」

 そうだ、これが、ファーストプリキュアの頃から連綿と続くテーマ。「城と黒」、「光と闇」。お互い違うからすれ違う。違うからお互いに無いものを集められる。違うから強くなれる。

「お前らのバラバラで下らん個性を私の中で混ぜてやろうと言うのだ!」(スコルプさんっぽい敵さん)

 だから、14人もプリキュアがいて、勝てない敵など存在しない!

 そうだ、美墨先輩と雪城先輩が穿った道をみんな死に物狂いで走ってきたんだ。


 このファーストプリキュアのオマージュは最高でした。

本編感想

 開始直後いきなり桃園さんと夢原さんとの邂逅。

 動物に例えれば絶滅寸前のカモシカとかそんなのであろう桃園さんの本能が、食物連鎖の最上階を天空の高みから下に見下ろす存在を目にした異様を早鐘のように告げている。

「のぞみー、なんで反対のバスに乗っちゃったのー?」(夏木りん

 流石、全知全能の存在、ゴッド夢原は、間違える時ですら神懸かってらっしゃる。
 嗚呼、私の中のディープが私に語り掛けてくる、「畏れよ・崇めよ・敬え」思い出した。これが神の威光。まだ変身すらしていないのに目映すぎる。

「大丈夫だよ、絶対見つかるよ。」(山吹祈里
 
「大丈夫だよ、だってみんな同じ空にいるんだもん!」(夢原のぞみ

 最早条件反射の域。常に、夢原さんの言葉は放たれた瞬間即座に真実に変容する事を、私たちは知っている。

 映画の内容としては、「プリキュアも敵も、最強の一人だけでいいよ」という、敵のテーゼに対して、夢原さん達がプリキュアスピリッツで力ずくで握りつぶす話。その為に、戦う。戦う。戦う。ストーリーなど無きに等しい筈なのに、ストーリーとして成立している希有な形。流石村山さん、貴方最高です。

 あと、フレッシュな三人は、一応主役の筈なのに、完全にゴッド夢原と人間兵器ミルミルに主役の座を奪われてます。




ファーストプリキュア


 シールドも無い、空も飛べない、戦略兵器すら無い、飛び道具はトドメの一撃の為のたったの一つだけ。ついでに言うと、戦力にならない黄色い人を守りながら、己の拳と脚だけを恃みに2年を戦いきった美墨さんと雪城先輩を初めて見た生の迫力にマジでビビっている幼女の姿に満足しながら、ついでに私もマジでビビってました。雪城先輩、鬼のように強くて、そして素敵です…。

ケダモノズ

 久しぶりにでたココ&ナッツ。イケメンフォームからいきなりケダモノフォームに変容。ケダモノ2匹は相変わらずだった。欠陥品を作る事で有名なナッツ謹製のミラクルライトの性能に激しく疑念を抱きつつ、容赦なく物語は進んでいく。
 そういえば、ミルミルはナッツ謹製のミルキィミラーの召還にはナッツがいなくても可能なのに、ナッツを立ててフリをしてるだけだったのでした。そして、哀れみ深いプリキュアさんは、きっと今回もナッツの無意味な発明に付き合ってくれたんでしょう。シフォンがスコルプさんっぽい人を退けたのも、多分シフォン自身の能力だと思うよ!(毒)

ゴッド夢原

「だってまだ食べてないんだから。
TAKO CAFEのたこ焼き!」

 そうだ、夢原さんはこういう人だった。

 食欲・性欲・睡眠欲。食欲・性欲・睡眠欲。食欲・性欲・睡眠欲。

 神が屡々そうであるように、夢原さんは欲望に忠実だ。だから、たこ焼きを阻む存在を全身全霊で蹂躙する。


 色気ありすぎでしょ、夢原さん…

「行こう、みんなきっとあそこにいる。」

 流石ゴッド夢原は仰るレベルが違う。夢原さんの第六感は、既に予知能力の域にまで研ぎ澄まされている。

まとめ

 映画を見る前は、「14人を上手く動かすなんて無茶だよ、話が破綻するよー」と思ってましたが、流石村山さん。破綻した話を意図的に作る事で解決してしまいました。
 プリキュア、すごいなぁ…。

夏木さん

 劇場版でも弄られるのですね…、夏木さん…