フレッシュプリキュア!第21話「4人目のプリキュアはあんさんや!!」

 今年のプリキュアの定義はね、「みんなのアイドル」なんですよ?

「何よー、私達忙しいんだからー。」(桃園さん)
 
「その忙しい原因は何や思てるんや?
プリキュアとダンス、両方やっとるからなんやで?
世界の危機なんや、プリキュアがおらんと、大変な事になるんや。
ダンスなんか辞めて、どうかプリキュア一本に絞ってくれへんか?」(タルト)

 確かにプリキュアの定義というのは、「世界を守る☆少女戦士」。タルトよ、君の意見はその時点において全くの正論だ。
 だが違うぞ、それは違うのだ。

 かつてのプリキュアは、人の世の裏に蠢く「闇」に人知れず立ち向かい、それ故に陰徳を以て良しとした。しかし、今のプリキュアは違うのだ、敵は、無辜の市民に危害を加えて「FUKO」を溜め込む連中なのだ。それ故、プリキュアは陽徳を積まねばならぬのだ。市民の支持を取り付ける為に、無駄に色気のあるコスチュームで、媚びて媚びて媚びまくらなくてならないのだ。その姿はまさしくアイドルとかタレントとか、その辺りのなんかそれっぽいものでなくてはならないのだ。
 プリキュア達は、それ故、それが為に、耐え難きを耐え、忍び難きを忍んで、アイドル道を邁進…してるわきゃねーですな。絶対考えてるわけねーです。寧ろ桃園さん達のそれは、永遠に倒すこと叶わぬ「神」に抗う反逆者の遺伝子。

 一方「プリキュアとダンスのかけもちなんて無理」だと考えたタルト、しかし、彼が考えた打開策とは、「トリニティ」のリーダーであるミユキさんにプリキュアになってくれというものだった。しかし、それ自体が、それこそが矛盾、欺瞞、苦悩。仮にミユキさんがプリキュアになれば、「プリキュアとダンスのかけもちなんて無理」という論理の延長戦には、「トリニティ」を辞めるという結論しか待っていない。それでは、夢を諦める事になる。
 プリキュアはやがて卒業しなくてはならない、普通の女の子に戻らなくてはならない、だけど、今夢を諦めたら、女の子は輝かない。夢を諦めない心の強さがあるから、女の子はキラキラ輝くのだと、誰であろう、夢原さんが教えてくれた。
 そのキラキラした輝きを自分の手で刈り取ろうとした事を後悔して、衣装ケースを押して走り出すタルト、「かけもち」なんて出来る筈が無いと言っていたミユキさんの姿が素敵でした。

 そして、その姿を目の当たりにして苛立ちを隠せないイースお嬢さん、超可愛い。