今…感じる感覚は…俺は「黒」の中にいるということだ…ゼロは「黒」!スザクは「白」!「黒」と「白」がはっきり別れて感じられるぜ!傷ついた体でも勇気が湧いてくる「正しいことの黒」の中に俺はいるッ! コードギアス第8話感想 〜黒の騎士団〜



 偽りの「正義の味方」であるルルーシュが人質を「救う」ことに成功した一方で、本当の「正義の味方」であるはずのスザクが人質を「救う」ことが出来なかったのが暗示的でした。
 奇策を用いてエリア11のブリタニア人とイレブンの支持を手に入れ始めたルルーシュと、今回も地味に不可能を可能にしてコーネリアを好評価に転じさせたスザク、二人とも「みんなを救いたい」という同じ気持ちに動かされて、着実に二人で物語を動かしてます。

 あと、今週は玉城君とニーナがよく動いてくれてました。二人とも作中では象徴的な役割を担っていることを実感できたので、これからがますます楽しみです。

ゼロ
「救ってみせる!私なら!」「ホテルに捕らわれていた人質は、全員救出した。あなた方の元へお返ししよう。」

スザク
セシルさん、やります。やらせて下さい!みんなを助ける可能性があって、今、僕とランスロットが必要とされているなら、やるべきです! それがたとえ、囮であろうと!」
「救えなかった。僕は、僕は・・・・・・また!!」

 個人的には、ルルーシュよりも、「回避率47.8%? 確率が0%だって、僕は覆してみせる!」みたいな感じでランスロットを駆るスザクが格好良かったです。

 あと、これ。

スザク
「セシルさん、ヤります!ヤらせて下さい!」(うわ何をする放うごあhぁkぱj)




 
我が闘争

ゼロ
ブリタニア人よ、動じる事は無い。ホテルに捕らわれていた人質は、全員救出した。あなた方の元へお返ししよう。」 「我々黒の騎士団は、武器を持たない全ての者の味方である!イレブンだろうと、ブリタニア人であろうと!  日本解放戦線は、卑劣にもブリタニアの民間人を人質に取り、無惨に殺害した! 無意味な行為だ。故に我々が制裁を下した。」 「クロヴィス前総督も同じだ。武器を持たぬイレブンの虐殺を命じた。  このような残虐行為を見過ごすワケにはいかない!  強い者が弱い者を一方的に殺すのは、断じて許さない!  撃っていいのは、撃たれる覚悟のある者だけだ!!  力有る者が力無き者を襲う時、再び現れるだろう!  たとえその敵がどれだけ大きな力を持っているとしても!    力有るものよ、我を恐れよ!力無き者よ!我を求めよ!  世界は、我々黒の騎士団が、裁く!!」


 妙手ですね。日本解放戦線の「一部」の行動でしたが、それを日本解放戦線全体に転嫁してテロリストの代表格から蹴落として、日本のテロリスト全体の序列を覆し、なおかつ、ブリタニア人の人質を解放した事で、ブリタニア人からの支持も取り付けたワケですね。

 また、ゼロが「日本人」という単語を使わずに「イレブン」と言ったのは、あの放送がブリタニア人に向けての意味があったからですね。

 あの仮面も、日本人である事を分からせないようにする為の工夫なのです。
 ブリタニア人には、相手がイレブンだという先入観があると拒絶してしまう心理が有りますからね。
 相手の素性が分からないからこそ抱ける好意もあるのです。

 決して、「オシャレ間違って」いたりとか、今更に「仮面」がアレなのに気付いたので、「みんなで着れば恥ずかしくない」とか、そういう理由ではないのですよ?

 けど、コーネリアが言うように、ゼロの言う「正義の味方」というのは欺瞞、世界に対する「仮面」なのです。

コーネリア
「ぬけぬけとよく言う!お前に手出しをしたら、人質に逆戻りということだろう!!」

 カレンさんは根本的に人が良すぎるのと、自分自身がハーフである事もあるので、ブリタニア人も、イレブンも差別しない「正義の味方」発言を真に受けてしてしまってしまいそうですが。

 今回、組織に属する為に大事な人を守ることの出来なかったスザクとコーネリア、組織でありながら、比較的に振る舞う事の出来る「正義の味方」の立場に立つことで守ることの出来たルルーシュが対照的ですが、この先ルルーシュも部下の期待や衆目や風評など、組織であるが故のしがらみから完全に自由ではいられないとは思います。
 その時ルルーシュはどう思い、ゼロはどう行動するのか、楽しみです。


日本解放戦線の「一部の連中だろう」

アナウンサー
「犯行グループのリーダーは草壁中佐と名乗る、旧日本軍人です。」

藤堂
「バカな!」

 テロップにしか名前が出てこなかったので気付きにくいかもですが、草壁さんは第五話で反抗を藤堂さんに持ちかけていた人ですね。

ゼロ
「お前はこの行動の果てに何を求めている。」
草壁
「知れたことを!日本人がまだ死んでいないことを内外に知らしめるのだ!」
ゼロ
「古いな。お前達は古い。もう、救えない。」

 つまり、今回の反抗には、扇さんも言っていたように、「ゼロ」に対抗しての日本解放戦線の「意地」、これを「京都」に見せつけるという「示威(=テロ)」の意 味しか無く、「解放戦線」とは名乗りながら、単なる示威行為で思考が終わっていて、解放に対する明確な未来像、戦略が見えていないわけです。
 だから「無意味」
 ルルーシュは、それにシャーリー達を巻き込んだから許せなかったのです。

 ルルーシュ、何だかんだ言って結構いいヤツですね!(遅い)



サクラダイトって、元素?

アナウンサー
「高温超伝導体の製造に欠かすことの出来ないサクラダイトは、世界の安全保障に直接関与する重要な戦略物資です。ここ、エリア11は、世界最大のサクラダイト産地であり、市場への供給量は実に70%に達します。」

日本解放戦線構成員
「諒解、雷光、第二起動。左右四連脚固定。超電磁式榴散弾銃砲、電圧確認!」 「超電磁式榴散弾銃砲、発射!!」

 超伝導体による弾丸の加速器を作ったということは、第二種超伝導体でしょうか。それを大型車輌なら積載できる程度の小型化には、「サクラダイト」を使った高温超伝導体が必要ということなのでしょう。

 けど、この「雷光」、機動性には乏しそうですし、戦略兵器としてはあまり役に立ちそうには思えないので、意味としては、冒頭でシャーリー達が乗っていた電車がリニアモーターカーだとすれば、平和利用ではない「サクラダイト」の兵器としての一面を表す事が一つ。
 また、第二話でランスロットの起動時に「コアルミナス相転移とかいう台詞があったので、ランスロットのあの紅い立方体型の物体も多分、何らかの形でこ の高温超伝導体が使用されていると思われますし、戦闘パートでも、ランスロットの紅い立方体の回転と、超電磁式榴散弾銃砲の発射が対比的に描かれてましたか ら、ブリタニアのパワーバランスの証左でもある「サクラダイト」が日本軍に流用されたという皮肉という意味がもう一つの意味だと思われます。

 ところで、「サクラダイト」って元素なのでしょうか?
 日本語を元にした元素名は現在存在していませんが、1908年に小川正孝教授がこれも当時未発見だった元素レニウムと勘違いして発表してしまった「ニッポニウム」や、最近でも冗談みたいな113番元素である「ウンウントリウム」の名称として日本語由来の元素名の復活が期待されています。
 そういえば、昔のアニメで「ジャパニウム」


コーネリアさま、ツンデレる。

 アバンタイトルでC.C.が言っていたように、スザクは「帝国内での足場を築きかけて」ますね。


 以前の感想でもジェレミアさんとヴィレッタさんからの評価が好評価に転じ始めたと書きましたが、今回はコーネリアの評価も好評価に転じ始めました。

スザク
「僕達特派は、救出作戦に参加出来ないんですか。」
ロイド
「申請はしてあるけど、ウチは命令系統が違うイレギュラーだし、それに」
スザク
「イレブンに作戦を任せるわけにはいかない。」
ロイド
「コーネリア殿下はブリタニア人とナンバーズをきっちり区別される方でね。」
スザク
「受け入れてもらうには、まだ足りないんですね。」
セシル
「でもそれじゃあ、何の為の名誉ブリタニア人制度なんだか。」


 そして、以下がツン状態。

コーネリア
「なに!?特派のナイトメアが?」
ダールトン
「はい。このまま行くと突破できそうです。」
コーネリア
「ふん、期待していいのか。」

コーネリア
「あのイレブン・・・・・・」
 デレも期待していいですよね?ね?(違)


情の尻尾

カレン
「ゼロ、人質、どうなるかな・・・・・・。」
ゼロ
「いずれにせよ、ブリタニア人を生かしておく理由は無いな。」
カレン
「そう・・・・・・、そうだよね・・・・・・。」

 けど、結局シャーリー達がいなかったら、対して興味を持たなかった筈なのですよ。それがきっかけとなってブリタニア人さえも自分の味方に付けようとする「正義の味方」発言に繋がっています。
 出発点は情愛なのに、いつの間にか、それを忘れて「力」に走ってしまう。
 ナナリーの為に戦っていたはずなのに・・・・・・というように、ルルーシュの行動の特徴でもあります。

ルルーシュ
ブリタニアと戦う為、組織は必要だ。しかし早すぎる。でもこのまま放っておくわけにも。コーネリアの性格なら、人質など無視して――、なら、何故動かない?まさか――」
ルルーシュ
「読み通りなら、ギアスを使う必要もないか。」
ルルーシュ
「よし、やはりそうか、相変わらずだな、コーネリア。あなたは昔からユーフェミアを溺愛していた。だから動けない。情の尻尾が邪魔をする。」

 そして、自分にとってのナナリーの事や、自分に対して「ギアス」が最も強く掛けられていそうな事に気が付かないルルーシュ

 本当は「うっかりキャラ」が地なのでは?と思ってしまいます。

 今回、コーネリアは「情の尻尾」の為に、特徴である冷酷なまでの果断即決が出来なかったわけですが、つまりですねー、今回のルルーシュの勝利は、ルルーシュのナナリーに対する愛が、コーネリアのユーフェミアに対する愛に勝利した事を意味するワケですよ!!!

 「君の為に、世界を壊す」は伊達じゃない!

 スザクにツンデレったコーネリアなど、敵ではないのです!(違)

 けど、小さい頃のコーネリアは可愛かったのに・・・・・・。
 時って残酷。あんなに性格歪んだ人に育ってしまうなんて・・・。(涙)


 でも、二人とも妹主義なコーネリアとルルーシュ、結構似たもの同士、やっぱり姉弟ですね。ブリタニア王家はシスコンの家系なのでしょうか。

 とすれば皇帝も実はシスコ・・・・・・いや、考えなかった事にしよう。そうです、そうしましょう。お願いします・・・・・・。



玉城とニーナ

玉城
「だから俺は怪しいって言ってんだ。ま、いざって時は俺が何とかするけど。」

 玉城君、結構調子に乗ってますね。
 Wikipediaでは「皆の纏め役のような存在」と書かれてましたけど、第一話でも作戦を失敗させたように、ロイドさんの 言葉を借りれば、「器じゃない」と思われますので、彼がこの先どんな道を歩むにしろ、「皆の纏め役のような存在」からは零落していく事は確実だと思われま す。

 「何とか」という言葉の使い方は、
それでも仙道なら・・・仙道ならきっとなんとかしてくれる・・・」(陵南ベンチ)

のように、自分にはどうにもならない境遇で、他人に期待する時か、

「ああ・・・何とか するよ・・・何とかするさ・・・」ブチャラティ

のように、何かを期待されていても、明確な行動についての未来像が定まっていない事を自覚している場合に、それを誤魔化す為使われます。

 だから玉城君、何も考えてないのに、自分に対して自信満々に使うのはどうかと思いますよ?
 あと、ラストでも、騒ぐ人々を見ながら、仮面に隠れて、玉城君、めっちゃ笑ってましたよ。
 みんなはゼロを見てるのに、自分を見てると錯覚するような、優越感に酔うタイプの人なんでしょうね。

 ゼロに粛正されるのが早いか、仲間から白眼視されるのが早いか、それともゼロの信奉者になってそのゼロから切り捨てられるか、どれも悲惨ですね。


 一方、玉城とは違って、スザクとの関係の中で良い意味で変化して行くと思われるのがニーナです。

ニーナ
「あ、イ、イレブン・・・・・・」
日本解放戦線構成員
「今、何と言った!」

 ブリタニアの一般人の差別意識を体現してるという点で、彼女とスザクの関係性が、作中で大きな意味があるのでしょう。その意味でかなり重要なキャラなのです。
 
 だから、今週かなりムカツクと思ったのは秘密です。

 それにしても、現時点では玉城君もニーナも二人とも爆弾なので、二人が出会ったら、エラいことになりそうですよ。



ゼロに触発されるユーフェミア

ゼロ
ユーフェミア、民衆の為に人質を買って出たか。相変わらずだな。」

ゼロ
「彼は最後まで私に阿り命乞いをした。イレブンを殺せと命じたその口で。」
ユーフェミア
「だから兄を殺したのですか。」
ゼロ
「いや。」
ユーフェミア
「では何故!?」
ゼロ
「あの男が、ブリタニア皇帝の子供だからだ。」
ユーフェミア
「え?」
ゼロ
「そういえば、あなたもそうでしたね。」
 元々はシャーリーを助けに来たので、逃走経路の確保の為、ということもありますが、そのついでに「正義の味方」発言をしなくてはなりませんから、ここでユーフェミアを殺してはブリタニア国民からの支持が得られませんので、ゼロはユーフェミアを殺すつもりは全く無いんですが、この後、二人がどんな会話を交わしたのか気になります。
 いずれにしろ、ゼロの存在は、スザクだけでなく、ユーフェミアにも大きく影響を与えると思います。
 ユーフェミアも、ゼロに触発されてこれからは逡巡ばかりではなく、何か行動を始めるんじゃないかなと思います。取り敢えず、現在根無し草なスザク達を直属の親衛隊にするってとこですかね?
 あと、出来ればジェレミアさんとヴィレッタさんも忘れないで下さい。



百合?百合なの?百合なのですか?

シャーリー
「私、東京租界を出るのって初めてなんですよ。」
ミレイ
ルルーシュも来られると良かったのにね〜。」
ゲットーの様子が対向車で見えないないようになっています。暗示的。

ミレイ
「良いではないか〜。今宵は夜通し語り明かそうぞ〜。好きな男の子教え合ったりとかさ〜。」
シャーリー
「いるんですか、会長にそんなの。」
 そこでニーナを見るミレイさん。何故に!?百合なのですか!?



その他のポイント

・一人でぶつぶつ、危ない人にしか見えませんよC.C.。

C.C.
「ああ、分かってるよ。今度はうまくやる。でも、私は保護者なんかじゃないんだ。」

 会話の内容を聞くと、ジョークの分かりそうな人っぽいので、会話の相手はシュナイゼルという可能性もあるかな?という気がしてきました。


・コーネリアの剣っぽい銃。
 「ガン×ソード」繋がり?ちょっと格好いいかも。


・白鳥さん、怪演スゴすぎ。
ロイド
「は〜〜い〜〜。ご指名ありがとうございま〜。出していいってランスロット。」
「よせ!枢木准尉!」


過去の感想はこちらから

第七話感想「左瞼が痙攣してきたわ・・・。コーネリア、子供の頃から興奮すると「眼輪筋」がピグピグ言って、ちょっと暴力的な気分になるのよね。」
第六話感想「我が輩はオレンジ事件の時、密かにゼロに憧れた。あの強さに!美しさに!あの仮面に!我が輩もあの仮面が欲しいと思う! にゃーん。」
第五話感想「個人の主義や主張は勝手!許せないのは私の友人を公然と侮辱したこと!他の人に迷惑をかけずに、きちっとやっつけなさい!」
第四話感想「知るがいい・・・・・・、ギアスの真の能力は・・・・・・まさに!世界を支配する能力だということを!」
第三話感想「恋!その素敵な感情がカレンを行動させたッ!〜」
第二話感想「スザクを見くびっていた!侮れん!奴は叩けば叩く程成長するタイプだ!
第一話感想「俺は人間をやめるぞ!スザクーーッ!!