駄目だ……。実力の差がはっきりし過ぎている……。これじゃあ甲子園優勝チームに、バットも持ったことが無い茶道部か何かが挑戦するようなもの……。惨め過ぎる……。 コードギアス第10話感想 〜紅蓮舞う〜



 今回は、「軍、人、国」を手に入れ、ブリタニアに対抗する力を手に入れたものの、コーネリアとの闘争を通して皇位争奪に知らず踏み込んでいる(かもしれない)ルルーシュが印象的でした。

 ゼロの覚悟を決めた発言によって、玉城でさえもゼロを認め、はっきりと自分の限界を言葉にせざるを得なくなり、黒の騎士団はゼロを中心に統率が取れた組織になり、第七話でルルーシュの言った、「だったら揃えてやるさ!ブリタニアに負けない軍を、人を、国を!!」という、コーネリアを倒す為の誓いを達成したことになります。

玉城
「ケッ、好きにしろよ。」
 ですから、何と言いますか、コーネリア様は来週は色々と、危険が危ないのです。来週は気を付けて下さい。




 
ルルーシュとコーネリアの類似


 今回はルルーシュとコーネリアが似ているという描写がされていました。
 今までも度々仄めかされてはいましたが、今回は非常に意図的です。

 元々、二人は血の繋がった姉弟ですから、シスコン以外にも根拠のない自信家っぷりなど、色々と共通点はあるのです。

〜コーネリアの場合〜

ギルフォード
「殿下、お下がり下さい。」
コーネリア
「ギルフォード、私をそこらの女と一緒にするなよ。」

ルルーシュの場合〜

ゼロ
「メシアでさえ 奇跡を起こさなければ認めてもらえなかった。だとすれば、我々にも奇跡が必要だろう!」
玉城
「あのなぁ、奇跡は安売りなんかしてねぇんだよ!やっぱりお前にリーダーは無理だ!俺こそが――」
ゼロ
「既に退路は断たれた。この私抜きで勝てると思うのなら、誰でもいい。私を撃て。」

 そして極めつけが、二人が同じ「挑む」という語を共有する台詞が連続していた事です。

コーネリア
「さあ、コーネリアはここにいるぞ。挑んでくる者はいないのか!」
ルルーシ
「どうした、私に挑み、倒してみろ!」

 第5話でも、同じようなシーンがあったのですが、今回は二人が相対していない下での描写なので、二人の類似が決定的だと思いました。

ゼロ
コーネリア、負けるのはお前だ。」
コーネリア
勝つのは私だ。」

 つまり、ルルーシュが、現在進行形でブリタニア皇帝の座を他の皇族達と争っているコーネリアと同じ価値観を共有しており、それが今回、次回を承けて、ルルーシュに継承されるという意図だと思います。
 二人を皇族という括りで見た場合、この戦闘も単なる皇位争奪の闘争に過ぎないワケなのです。
 これは、第二クールでのルルーシュの立ち位置を暗示しているのだと思います。

 でも、コーネリア様は生き延びて欲しいなぁ。

・紅蓮弐式

 私は紅蓮弐式もランスロットと同じように、操縦者に代償を要求するようなシステムで、その為に前回カレンさんが覚悟を決めるエピソードが挿まれたのかなと思ってたんですが、特に第7世代ナイトメアフレームとは言っていませんでしたので、紅蓮弐式とランスロットの力関係がうまく掴めませんが、それは来週に持ち越しということですね。
 今までは、ランスロットが強すぎて、一方的な殲滅戦しか見られませんでしたが、これでやっと普通のロボットアニメらしい実力の拮抗した戦いが見られるのではないでしょうか?

 ところで、ランスロットがスラッシュハーケンを多用するのに対し、紅蓮弐式はあの右腕を多用する事みたいですね。
 この右腕の輻射波動機構は、作中の描写も踏まえると、恐らくマイクロ波を利用した電磁波兵器でしょうね。
 有名ところでは、ガンダムSEEDに登場したサイクロプス爆発時のような現象を起こします。米軍によって実用化もされているとかいないとか。(参考)
 要するに、電子レンジみたいなもので、高出力のものは非常に危険です。それを食らったジェレミアさんは、高出力の電磁波の影響下で、脱出装置を初めとする電子機器が割とまともに作動していたという、ブリタニアの技術は世界一〜的な点にも感謝すべきでしょうが、弾け飛ばなかっただけ良かったと思います。

 まさかあれでジェレミアさんが死んだりはしないと思いますが、体は大丈夫でしょうか?

 ジェレミアさんの無事を私は信じています! 

 ところで、肉や卵をチンするとどうなるか知ってます?(ドクロ)

 因みに輻射というのは、「放射」という意味の、戦前はよく使われていた語です。現在の物理学会では、常用漢字に前習えで、「輻射」という用語はあまり使われなくなってきていますが、今でも黒体輻射「宇宙背景輻射」のような、決まり切った(物理学の中では)有名な用語では今でも使われます。脚本さんの引き出しの多さが伺えますね。

<追記 12/20>
 公式サイトを見てたら、紅蓮弐式は第七世代ナイトメア相当の性能ということでした。
</追記>

・あなたが望むのなら、名前など捨てましょう。
C.C.
ルルーシュ、お前はどうしてルルーシュなんだ?」「家の名はランペルージに変えた。だがルルーシュという個人は残した。甘さだな。過去を捨てきれない。」

 「どうやって」成田連山までに来たか、ではなく、「何しに」と聞くルルーシュルルーシュですが、そんなツッコミすら色褪せてしまう意味深な発言です。C.C.を研究していた研究者が近くにいますし、来週はC.C.の過去も掘り下げられそうです。

研究員
「どうしてこんな場所を選んだんだ。コードRの実験データが軍に見つかったらおしまいだぞ。」

 前にランゲージダイアリーのあいばさんが、第5話の感想で、

第01話の「見つけた・・・・・・私の・・・」に続く言葉は、「私の王子様!」というのもあながちネタじゃない方向で。

 と、仰っていたんですが、今日のスク水といい、何気に毎回妙に扇情的だったり、今回のC.C.のどこぞのシェクスピア劇じみたセリフは、本当にルルーシュに対してのアタックなんじゃないかと思いました。
 でも来週はスザクに浮気するみたいですよ?(違)

C.C.
ルルーシュ、雪がどうして白いか知っているか?」「自分がどんな色だったか忘れてしまったからさ。」

 C.C.は一体何をわすれてしまったのでしょうか?

・エリートですがゼロの所為で左遷されちゃいました。(あれ?何か既視感が・・・)

ルルーシュ
「ん?ブリタニア人。スパイにしては堂々としているな。主義者か・・・」

ディートハルト
「私は左遷された身ですよ。あなた方と同じように。」

 帝立ブリタニア中央大学法学部卒(Imperial Britannia Central University Faculy of low Graduate)です。多分もの凄いエリートです。でも出版部門に左遷です。

 黒の騎士団事件での報道の「責任」を取られたんですね。大人な態度です。

ディートハルト
「当然です!このまま流さないと!責任!?そんなものは私が取ります!」
 恐らくは政府側の圧力による左遷ということなのでしょうが、段ボールに梱包された未整理の荷物が転がっていたり、机の上にパソコンだけ等、左遷され立てのようですが、個人用の部屋を用意されているのを見ると、どうやら閑職に回されたわけでもなさそうなので、まだいざという時の弘報、マスコミとしての底力は持っていると見て良いと思います。

 ルルーシュの台詞から見ると、ブリタニア人の団員希望者は殆どいないようなので、ディートハルトさんはゼロや扇さんのような一部の人間とだけ接触して、お互いが「報道」の為だけに協力するに留まる位置のキャラのようですね。
 
 前回の感想で、ブリタニア人が黒の騎士団に入ってきたら凄いとか書きましたが、随分あっさりと、しかも意外な形で達成されましたよ。かなりびっくりです。

・ニーナとスザクの関係性強化フラグ

ニーナ
「でも、お礼・・・・・・言ってないし・・・・・・ユーフェミア様に・・・」

 先回、ニーナがスザクに対する恐怖心が緩和される描写がされていましたが、スザクは、ユーフェミアと繋がりがある、または、コーネリア様の生死如何によっては第二クールからは直属になる事もあり得ますので、ニーナとコーネリアがスザクを通して会うことが期待されます。
 これによって、ニーナとスザクの距離が近づくんじゃないかなと思います。

 あと、ミレイさんがニーナに意外と弱かったり、ニーナの世間知らずっぷりは見てて清々しかったです。

ミレイ
「ねえ、理事長の孫ってどれくらいのステータス?」
ニーナ
「うーん、そこそこ?」
ミレイ
「・・・・・・そこそこ・・・」

指を立てながら、Take a hike!!

ゼロ
「玉城はともかく、井上達まで浮かれ気分か。」「それに、君には闘う理由がある。」

玉城
「カレン、何か聞いてないか?」
カレン
「さあ。」
玉城
「扇は?」

「いや、何も。」

 ゼロが黒の騎士団の中で信用しているのは、学園生活や家庭環境などの背景を通して人間的に信用しているカレンさんと、レジスタンスなのに人が良すぎる扇さんだけみたいです。
 カレンさんのゼロに対する声が可愛くなっているのも、ゼロに対する信頼が増しているという事みたいです。
 とりあえず今は、そんなカレンさんが可愛いので、良しとしておきます。(いいのか)

 その他の現実感の欠如が否めない黒の騎士団は、年末恒例、団員同士のコミュニケーションも兼ねての一泊二日の団内旅行に出発です。勤労意欲の維持の為には、福利厚生の充実は必須なのです。(違)

ゼロ
「週末はハイキングか。成田連山まで。」

「それじゃあ・・・」
黒の騎士団団員
「温泉でも掘るんじゃないの?」
黒の騎士団団員
「ああ、その為の掘鑿機か。なら納得。」

 ルルーシュとカレンは、戦争が終わったら紅蓮弐式で温泉掘り当てて、旅館を経営するというのはどうでしょうか?(バカ)

・その他のポイント
1)出番が少ないユーフェミア
 自分の行動を模索している最中のユーフェミアなので、出番が少ないのは仕方がありません。これは、彼女が本当に始動するのは、何か―――例えば肉親の死(不吉)などが契機に、何らかの覚悟や決意をするという事だろうと思います。キーワードはスザクとニーナ。

2)俺のこの手が真っ赤に燃える!
 紅蓮弐式の右腕、何かに似てるな〜と思ったら、るろうに剣心に出てくる「八ツ目無名異」の人体精製の左腕に似てるんですよね。今回も早速、掘鑿に使われてるし。(笑)
 
3)これで、あと四色ぐらいナイトメアが増えれば完璧。
ルルーシュ
ブリタニアは嫌いだが、テロという手段には賛成できない。それが大多数のイレブンの意見だからな。」
「みんな大好きだろ?正義の味方は。」
 これは、先回の、

日本解放戦線構成員
ユーフェミアを助けた奴らに民衆は何故協力する?」

の答えですね。こんな事も分からないのでは、今回本部が全滅したのも無理は無いと思いました。(ドクロ)

4)永遠に異常を見逃し続ける人々

ルルーシュ 
「お前達は無視するだけでいい。全ての異常を。」

 ギアスが持続する限り「異常を見逃」したら、あの二人は二度と使い物にならない気がします。「神の一手」を目指して「新しい時代に生きて」下さい。

・次回予告
 藤堂機らしいブライ(改)はビームサーベルというか、前にランスロットが使用していたMVSに似た装備をしているみたいで、どうも藤堂さんとダールトンさん(機体の特徴を見る限りではコーネリア様ではなさそう)の一騎打ちが見られそうです。
 一方、紅蓮弐式とコーネリア様の一騎打ちも見られそう。

 グラスゴーを改造したブライや、ロイドさんが言っていたラクシャート(?)の輻射波動」といい、ブリタニアにもレジスタンスにも共通の技術が使われているのでしょうか?
 「京都」の正体が非常に気になるところです。

セシル
「熱反応が異常です!誰かが意図的に水蒸気爆発を起こしたのでは?」
ロイド
「まさか、ラクシャート(?)の輻射波動でも使わない限り無理だよ。」

 水蒸気爆発とは何かを知りたい方は、サラダ油を発火点まで加熱した所に水を思い切り加えて下さい。答えの全てがそこにあります。(よい子は真似してはいけません。)

 あと、来週はスザクとC.C.が接触するようです。

 C.C.がスザクに何をするかは分かりませんが、ルルーシュは、左目にギアスの章が現れるので、スザクには右目に何かが現れるんじゃないかなと。
 そうなると、ルルーシュとスザクが互いに補完し合うのが表現されそうで、個人的には大推奨なのですが、これも来週に期待。
コードギアス 反逆のルルーシュ 1 [DVD]

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