お前の次の台詞は『消してやるぜ、そのニヤついた顔を!』だ! コードギアス 第14話感想 〜ギアス対ギアス〜
シャーリーと決別――守る為に、生徒会から去る事で、事実上「ランペルージ」という名の繋がりを自ら捨てたルルーシュと、その姿に嘗ての自分を重 ねつつも否定するC.C.、情と罪の意識の間で葛藤するシャーリー、それら全てを嘲笑うマオが登場し、全てを失っていくルルーシュと、全てを失ったC.C.、それでも「失いたくないモノ」の為に、二人がマオと戦う路線に進みそうです。
・夜が明けたら――
C.C.
「本当に失いたくないモノは、遠ざけておくものだ。」
スザク
「あるよ。君がいない。」
ゼロに関する記憶、ではなく、写真と同じように自分に関する記憶を全て奪い、自分から遠ざける事でシャーリーを救い、同時に生徒会の風景に背を向けたルルーシュですが、ルルーシュ自身も、記憶を失ったシャーリーの言葉にいつか救われるのかも知れません。
シャーリー
「でも、朝は来るじゃないですか。」
「朝」には色んな意味があると思うのですが、ここでの意味は「新しいスタートライン」という意味で、EDの「モザイクカケラ」に重なる仕掛けになってるんですね。
振り返ればそこにあるスタートライン まだ進んじゃいない
これは、シャーリーにとっては、父親の死を受け入れて乗り越える為の、ルルーシュにとっては、日常と決別するスタートラインになっているんですが、ルルーシュにも、闇を照らす朝が来るかもしれないと、救いを与えているようにも取れます。
シャーリーとの関係もゼロになってしまいましたが、これから新しく紡ぐ事もできる、「モザイクカケラ」はそういう意味なんですよ、きっと。
また、スザクの、「君がいない」というセリフは、これから先のルルーシュの姿だけでなく、みんながルルーシュの生徒会への回帰を願っている事を象徴していて、失った様に見えても、本当は失われてなんていないんだ。という、とても優しいセリフでした。
最後に、消えてしまったシャーリーに対して間接的に自分の気持ちを話す事で、ルルーシュのことが好きだったシャーリーに救いが与えられているのは、とても綺麗な纏めだと思いました。
シャーリー
「好きだったんですね。その人の事。」
やっぱり、「あの人誰?」のようなセリフで切られたら、やり切れなさしか残さなかったけど、シャーリーもほのかに何かを覚えていましたし、記憶を奪う前のシャーリーには謝る事しか出来なかったけど、最後に感謝の言葉を言う事が出来たというのは、ルルーシュにとっても幾らかの救いになっていると思いました。
ルルーシュ
「シャーリー、お父さんの事、すまなかった。もし、生まれ変わる事ができたら、君に―――」「今まで、ありがとう。」
でも、今回ルルーシュが選び、C.C.が口にした「生き方」というのは、叶えられる筈の本当の「願い」から逃げてしまう「生き方」なのでしょうね。
ルルーシュもC.C.も、失いたくなんかなかったんですよ。
ルルーシュ
「それは、経験か?」
C.C.
「いや、生き方だ。」
C.C.はルルーシュには惹かれながらも距離を取っている描写が何度もありましたから、既にルルーシュの存在が、近づいた目的以上の感情を持っていると考えても良さそうです。
こういうのを「ツンデレ」って言うんですよC.C.さん。
ここ数回で、かなりC.C.の内面が垣間見える描写が積み重ねられていまし、それと同時に本来の目的とは別に、ルルーシュ自身にも惹かれていますので、来週からのC.C.の動向も含めてこれからも「ツンデレ」を「生き方」としているC.C.には注目して行きたいと思います。
・マオ? 世界で一番有名な中国人の方ですか?
マオ
「やっと会えた。君に。本当の君に!」「C.C.、会いに行く。すぐに会いに行くから。必ず。必ず!」
やっと登場した覗き魔王ことマオさん。
変態ポイントは、変態たる所以であるサングラスとヘッドフォンですが、今回、そのヘッドフォンからC.C.の声を編集したものが流れていましたから、これらの主たる機能、意味は「外界の遮断」であり、マオの自閉性と自己中心的な性格の象徴なのですね。
また、マオとC.C.のセリフから、あのヘッドフォンは、周囲の人間の思考が無差別に聴覚情報として流入してくるのを、C.C.の言葉を聞く事で制御、というか無視している、という意味もあると思われます。
C.C.
「マオ、お前が人の群れの中に出てくるなんて。」
マオ
「誰だ!?僕が気付かないなんて!」
そして、ルルーシュの顔を知らなかったようなので、マオのギアスでは、視覚情報を読み取る事は出来ないのかもしれません。
来週からルルーシュとマオの対決が見られそうですが、マオを打倒する為の鍵はその辺じゃないかなと思います。
コードギアスでは、悪役らしい悪役というのは出てこなかったので、マオには期待したいと思います。
ルルーシュ
「携帯に掛けてきたのは演出?いや、俺の顔を知らないからだ。」
あと、見過ごしてはいけないのが、ルルーシュは「左眼」だけなのに、マオは「両眼」に例の紋章が映っている点ですね。
「両眼」に紋章を宿す事で、能力が変化するのかもしれません。
それに関して、TRPGとかに嵌った人は御存知かとは思いますが、ギアスというのは魔法の一種として(その筋では)一般的な用語で、Wikipediaには、ロードス戦記に登場するバグナードについての項に、「ギアス」の記述があるので抜粋しときます。
ラルカスがバグナードにかけた「ギアス」の魔法は強力なもので、バグナードほどの大魔術師でさえ生涯それを破ることは出来なかった。しかし、ラルカスがかけた「ギアス」は「彼が生きている間、魔法を使おうとしたときに、耐え難い激痛を体に走らせる」というものであったため、アンデッドという死者になった彼はもはや魔法詠唱時に激痛に襲われることが無くなったのである。
調べると、「ギアス」は「強制」とか「制約」という意味なのだそうで、ルルーシュの能力のほうが「ギアス」と呼ぶに相応しそうです。(因みにこっちの綴りは"Geas"、コードギアスのギアスの部分の綴りは”Geass”です。)
なので、マオが自分の能力をどう呼ぶのか気になってたんですが、普通に「ギアス」と言ってましたね。
思考を読めるマオだから、ルルーシュに合わせて言ったのか、それとも、ルルーシュのギアスこそが、端的な「強制」としてギアスの中のギアスと言えるだけなのかも知れません。
マオ
「おっと、君のギアスは相手の目を直接見なければ使えない。そういうルールも全部分かっちゃうんだよね。」「そういうギアスなんだよ。僕のは。」
・スザクとユーフェミア
スザク
「ユーフェミア殿下に会いたい!?」
ギルフォード
「騎士を持たれては如何でしょう。」
やっとスザクがユーフェミアの騎士になって、スザク−ユーフェミアの関係が展開されそうです。
前振りから随分長く掛かったなぁ。
スザクは基本的に前線に出て戦闘経験を積むようにとのシュナイゼル殿下の命令なので、ユーフェミアの指示で、コーネリアから或る程度独立して行動していくんでしょうね。
その為にはユーフェミアも陣に出る必要がありますし、やっぱりスザクの傷口を抉るのはユーフェミア様の役目ですよね!(ドクロ)
セシル
「最初は根が優しいからなんだろう思っていました。しかし、人命に対する反応が過敏すぎると思いませんか?」
・ナナリーが大胆な生徒会の風景
リヴァル
「だってお姫様だよ!?逆玉じゃん。」
ナナリー
「そういう不純な動機の人は会えないと思います。」
「身近に皇子と皇女がいるよ!」と言ってやりたくてたまりませんでしたが、リヴァルは黙って「邪な情動」をルルーシュに向けていればいいと思いました。(違)
ナナリー
「でも、私も会ってみたいな、ユーフェミア殿下に。」
ナナリーはルルーシュと違って勝負度胸はあるのかもしれません。
流石、「ナイトメアオブナナリー」で主役を張ってるだけの事はあると思いました。(笑)
・意外と多芸なC.C.
C.C.
「写真は無い。絵画ならバトゥアンスタイルで。」
バトゥアンスタイルって!あのバトゥアンスタイルですか!?
あんなのすぐには出来ませんよC.C.さん!
ってーか、あの様式でシャーリー書くつもりなんですか!
見てみたいっ!(ダメ)
かなりツボに嵌ったギャグでした。
あと、何気にバトゥアン絵画を理解してたバイクのお兄さんは、恐らく、次回予告みたいにC.C.に蹴りを食らってKOに違いないです。ナムー。
C.C.は密かに完璧超人なのかもしれません。
いえ、不死身な辺りで既に超人ですけど。
・侮れない人達
扇
「ゼロ、昨日の君はらしくなかった。どうしてそんな気がするんだろう。」
扇さん、たまに核心に迫るセリフを言うんですよね。
ヴィレッタさんがそんな扇さんと接触する事でどう出るか、どう変わるかも楽しみ。
シャーリーに撃たれたのが吉と出るか凶と出るか。
ヒロイン、万事塞翁が馬ですね!
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