アニメ版のだめカンタービレ感想 Lesson9
今週は千秋とのだめがそれぞれの道を歩み始まるお話。
冒頭は同じ車に乗ってるのに峰君、真澄ちゃん、のだめが全員全く違う曲を口ずさみ、千秋がその不協和音に苦しんでいるところから。
これは勿論、今話での4人の立ち位置を示しています。
「同じ車」というのは、「同じ大学」で、今は「同じ道」を歩いているという暗喩ですし、「違う歌」は「全く違う趣向」、それぞれの道を歩く事の予兆を表していますし、千秋は指揮者ですから、その個性を纏めるのが役割なので、不協和音に苦しんでいるワケです。
さて、長野のニナ・ルッツ音楽祭の公開セミナーに参加する事にした4人ですが、勉強していない峰君は周りとのレベルの差に自分のレベルの低さを実感、「恋>音楽」で、千秋の事しか頭に無いのだめは、楽譜も読めない上に、課題曲も勉強してませんでしたから、案の定先生に追い出されてしまいます。
やる気が無いにも程が有ります。
参加したくても出来なかった人に対しての侮辱に他なりませんから、講師の先生が怒るのも無理はありません。
真澄ちゃんは勉強してきたので褒められたようです。
千秋は、あら不思議、シュトレーゼマンが不自然にそこに放り出していた課題曲のスコアを見ながら指揮の練習です。
さて翌日、峰君は、自分よりレベルの高い人達すらプロになる事が難しい事や、千秋の音楽に対する真摯さを知り、自分がプロを如何に舐めていたか、音楽に対しての真摯さに欠けていた事を自覚、昼夜問わずの猛練習を開始するのでした。
というか、いつものサイレントバイオリンはどうしたんでしょう、こういう時に使えばいいのに。
のだめはと言えば、相も変わらずのサボタージュ。
「もう帰りたいです」というのだめに、千秋は冷たく「じゃあ帰れよ」と言い放ちます。
先回シュトレーゼマンがのだめに、
シュトレーゼマン
「千秋ねえ、でものだめちゃん、今の儘では千秋とは一緒にいれないねえ。一緒にいれないよ。」
と言ったのは、これを懼れての事。
千秋はのだめの才能を高く評価しているのに、のだめは音楽に真剣に取り組んでおらず、才能を伸ばそうとしませんから、このままでは、千秋はのだめから離れてしまうのです。
その千秋は、シュトレーゼマンの代理で指揮を振った事で一躍注目の的になります。
著名な演奏家からも認められ、マスコミのお姉さんの眼にも止まって、順調に成功への階段を昇ろうとしています。
峰君も、猛練習の結果、沙悟浄君からちょっとは見直して貰えました。
峰君もやれば出来る子なのです。
さて、千秋から冷たく言い放たれたのだめも、猛練習の結果、ニナ・ルッツを唸らせる演奏しますが、それが世間に知られる事はありませんでした。
最後は冒頭に四人が載っていた車ですが、千秋はその車に乗らず、シュトレーゼマンと行動を共にします。
冒頭の車が「現在の立ち位置」を示すならば、これは、「将来の立ち位置」を示すものなのでしょう。
3人より、一歩先んじて、道を見据えてシュトレーゼマンに付いていく千秋、努力し始めた峰君、努力を続ける真澄ちゃん、そして、一人独自の道を歩き始めた千秋に触発されて、現在の立ち位置を暗喩する「車」から、遠くの景色に眼を向けるのだめ。
千秋のお披露目、峰君の奮起、のだめが音楽に真剣に取り組む為のきっかけと、シュトレーゼマンの策略通りに話が進んでいます。 ベロンベロンに酔ったシュトレーゼマンがそこまで考えるワケないと考える人もいるかも知れませんが、私は全てシュトレーゼマンが意図的にやっている事だと思いますよ。
根拠としては、今まで散々伏線を張られてきた、千秋とのだめを導く立ち位置で有る事、それは他のキャラクターに対して作者の意図を直接伝える役割を担っている事に他なりません。
というわけで来週も期待してます。