人が敗北する原因は…『恥』の為だ。人は『恥』の為に死ぬ。あのときああすれば良かったとか、何故自分はあんな事をしてしまったのかと後悔する。『恥』の為に人は弱り果て敗北していく。 コードギアス第21話感想 〜学園祭宣言!〜


 それぞれの陣営の結束が描写され、全てがうまく動き始めた矢先に、ユーフェミアの特区設立宣言で、一挙に陣営に亀裂が生じて混沌の中へ。
 秘匿されていた秘密の露見を仄めかしながら、いよいよ物語も終盤めいてきました。

・シャッフル
 学園祭の中で、今まで出会ってはいけない人達が、「文字通り」顔を合わせてしまいました。
 これは、ルルーシュの正体を含めて、秘密が露見する予兆なのでしょう。

 以下箇条書きで。

 ■ディートハルトさんとミレイさん(声のみ)
  ゼロの正体への綻びになりそうです。
 ■カレンさんとヴィレッタさん
  これは、扇さんが恭順に傾きかけている面との出会いですね。
 ■セシルさんとC.C.とルルーシュ
  C.C.からルルーシュの正体が知られるかもしれません。
 ■ナナリーとユーフェミア
  咲世子さんがナナリーが皇族であることを知らないとすれば、ナナリーの危機に直結します。
 ■ルルーシュ&C.C.、カレンさん&扇さん&ヴィレッタさん、スザク&シャーリー
  ギアスを使用した人間が4人(ルルーシュは三人と認識)も勢揃いです。
  C.C.を見られたら、カレンさんと扇さんに正体がバレますし、扇さんを見られたらカレンさんの正体がバレますし、ヴィレッタさんがルルーシュやシャーリーの顔を目にしたら記憶が戻るでしょうし、シャーリーはルルーシュの正体について話をしたがっていたりと、爆弾だらけです。


 
・善意から生まれた悪意

 先回のルルーシュとスザクの共闘が描かれたので、普通なら、ここで急展開、「世界の脅威が襲来!」みたいな事になって、主人公達が一致団結するして勝利して「第一部完!」・・・とはなりませんでした。
 流石にいい意味で裏切ってくれますよ、コードギアス

 前半はそれぞれの陣営で足並みが揃ってきた事を描写。

アシュフォード学園生徒
「関係ないですよ!うちはオープンですから!」

玉城
「俺は賛成だ、ゼロに。」

 陣営の分裂、今までそれぞれの陣営の中での結束が最高潮になった所で、ユーフェミア様の宣言で急転直下です。
 今まで一致していた「個人の思惑」「全体の利益」が、言い換えれば「本音」「建前」が乖離して、混沌の直中へ。

ルルーシュ
「そうやって君は何もかも手に入れる気か!!俺達の居場所すら纏めて!!」

 ユーフェミア様はシュナイゼルさんに「認められた」と考えていますが、シュナイゼルさんにとっては青天の霹靂、押してダメなら引いてみろ、棚からぼた餅状態、いいように利用されただけ、シュナイゼルさんは黒の騎士団を壊滅させられる思ってもいない奇策の出現で実に嬉しそうです。
 ユーフェミア様は、シュナイゼルさんの本性を知らない限り、ブリタニアの改革は出来ないと思います。
 ユーフェミア様の次の壁はシュナイゼルさんの正体を看破する事ですね。

 ブリタニア人もイレブンも関係ない、楽しい学園祭は融和ムード包まれていましたが、ユーフェミア様の闖入で学内は騒然、学園祭の成功、ブリタニアとイレブンの融和を象徴する特大ピザも台無しになってしまいます。
 何よりC.C.がもの凄く悲しそうです。

 ユーフェミア様の示した特区設立は、大部分の人間が惹かれるものですから、建前上「正義の味方」を掲げながら、「ナナリーの為の世界」を作ろうとしてきたルルーシュは一気に窮地に立たされます。

1)ブリタニア首脳部
 ブリタニアの内部では、弱肉強食、差別主義を肯定し、ゼロの打倒を目指すコーネリア、弱者救済、差別の無化を目指すユーフェミアが分裂。
 シュナイゼルはそれを遠巻きに優しげな顔でまた何か企んでます。

2)エリア11 エリア11の内部では、ブリタニア人にとっては、イレブンが増長するのは面白くないですし、イレブンの恭順派にとっては勿論大歓迎ですが、今までゼロを、黒の騎士団を支持していたイレブンの反対派が、完全独立を主張する者と、部分独立で妥協する者に分裂する事が予想されます。

アシュフォード学園生徒
「日本人だって?今更。」「ほら、イレブンが恋人だから。」

イレブン
ユーフェミア様万歳!!」

3)黒の騎士団

 大部分がイレブンによって構成されている黒の騎士団については今回描写されていませんでしたから、来週描写されて問題になるでしょうが、カレンさんは元々、母親が差別されない世界を目指していたので、その点では今回の設立宣言で十分なのですが、一方でゼロに陶酔しているので、黒の騎士団に所属し続けるでしょうが、不安要素は付き纏います。
 扇さんはヴィレッタさんとの蜜月に転びそうで、今回の設立宣言に靡きそうな勢いです。
 玉城君は利権目当てで黒の騎士団に所属し続けるでしょうが、立場が不利となれば、或いは敵側から有利な条件を提示されればすぐに裏切るでしょう。
 藤堂さんは、完全独立を目指すか、部分独立で妥協するか、スザクに近い人なので、来週のうちに進退を決めて、はっきりしてくれるでしょうから、或る意味不安材料が一番無い人です。

4)ルルーシュ四面楚歌

ルルーシュ
「やられた!これではどちらを選んでも黒の騎士団は潰れてしまう、存在意義が無くなる!まさか、こんな手でいとも簡単に!」

 ルルーシュは、ナナリーの居場所を確保する為と、「正義の味方」というふれこみで黒の騎士団を率いてきたので、反対派の離反は不可避、体面的には、ここで活動を凍結するべきでしょうが、それではナナリーの居場所はありません。
 ユーフェミアの力ではルルーシュとナナリーは守れませんし、何よりも、現ブリタニア皇帝が最高権力者である以上は、隠れて生活しなくてはならない身の上に変わりありません。
 その為に活動を続けてきた黒の騎士団はユーフェミアの奇策(本人に悪意が無いのがつらい)で窮地に立たされてしまいます。
 考えられる策としては、イレブン内のブリタニアに対する反発を強める報道をして、イレブン全体の囲い込みを行うか、新しい敵を提示して黒の騎士団を維持するか、今は耐えて機会を待つか。
 こういう時こそ弘報部の出番、マスコミ屋のディートハルトさんがうまく大衆を煽動して下さい。

ルルーシュ
「違うんだ、もう昔とは!ユーフェミア!!」

 しかし、ユーフェミアは知らずナナリーの思い人を奪ってしまい、挙句に善意からルルーシュの努力を水泡に帰そうとし、憎悪が増していく一方です。

ルルーシュ
「そうやって君は何もかも手に入れる気か。俺達の居場所すら纏めて!」

 ホントに、「あんなに一緒だったのに、夕暮れはもう違う色」です。

・その他
咲世子さんが黒の騎士団に加入。
 ディートハルトは、ルルーシュとナナリーを傀儡、或いは人質として、利用するつもりなのでしょう。
 ナナリーに危機が忍び寄ります。

■ホラーハウスで本気で怖がってるヴィレッタさんが可愛すぎ
 ヴィレッタさん、こんなにしおらしくなっちゃって。
 これでもかと言うくらいに美人で優しい美人妻。
 扇さんが転ぶのも理解出来ます。

■「ルール違反」を言語化したスザク
 先々回のカレントの会話や、先回のゼロとの共闘で描写された事ですが、一応再掲。
 「死にたがり」「ルール違反」も解除、柔軟な思考に到達したスザクが恰好良いです。
 やっとここまで来ましたか。

■趣味の悪いグラストン・ナイツ
 何かに似てると思ったら黒の騎士団の制服にそっくりなんですね。
 ルルーシュシュナイゼル、流石は兄弟、性格の悪さだけでなく、センスの無さもそっくりです。
 このセンスの無さでゼロの正体がルルーシュだと見破ったらシュナイゼルさんを尊敬します。

■ジェレミアさん
 ブリタニアの秘密兵器として登場。
 意外と培養液の中で巨大化していて、ナイトメアと素手で戦ったりする展開になるのかもしれません。(ありえません)

■あれは何だ!? あれは!反攻のスザクのボディースーツだ!
 ランスロットのコスプレがうけました。
 そうか、生徒が作った特撮だったから何かストーリーがおかしいんですね、「反抗のスザク」

■嫉妬?するシャーリー

シャーリー
「何なの、あの男、女の子口説いてる場合じゃないでしょ。」

 シャーリーの思いはどこに向かうのでしょうか。

■コーネリア様がツンデレ!?
 ツンデレの素養があるとは思っていましたが、シュナイゼルに対して発動されるとは思いませんでした。
 ルルーシュの母であり、尊敬するマリアンヌの異名らしい「閃光」で形容されて、すっかりデレモードです。
 でも、デレる相手を間違ってます。
 シュナイゼルに切り捨てられ無い事を祈りつつ、次。

■特区設立宣言に愕然とするニーナ
 ニーナの役割はブリタニア人の差別感情の象徴ですから、この反応は当然です。
 天国から地獄へ、ただでさえ危うく危ない娘が、危険な衝動に駆られそうです。
 ユーフェミア様、背中に気をつけてー!

・次回予告
 「血染めのユーフェミア、物騒なタイトルですが、必ずしもユーフェミア様の血で染め上げられるとは限りませんし、比喩的な意味もあり得ます。

 誰の?またはどんな血なのでしょうか?

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