ヒロイック・エイジ感想第1話「滅びの星」

 第1話「滅びの星」感想

 今の所は神話のプロットに則っている上に、何となく奥深げな設定と、ハッタリの効いた演出が否が応でも期待させてくれます。
 武装錬金は個人的には原作の劣化コピーという感じでしたが、流石はファフナーのスタッフさん達、予想以上のものを作ってくれそうです。
 XEBECさん、今度は信じていいですよね?

 今回からのヒロイック・エイジの感想記事を書きます。
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・神話のプロットに準拠?
エイジ
「はじめまして、人類さん。」

 世界観が神話じみている上に、題名がヒロイック・エイジと、「英雄の時代」とも取れるので、物語の展開も神話的なものになるのかもしれません。

 因みに、ディアネイラも、イオラオスギリシャ神話の登場人物です。

 神話学のブームを作った事で有名なジョゼフ・キャンベル氏の神話のプロットを踏襲した事でも有名な「現代の神話」と呼ばれているスターウォーズのエピソード\x{2163}、\x{2164}、\x{2165}は、キャンベルの言う「主人公の旅立ち」の演出として、「何か出生の秘密」を持ってそうな主人公が家を失い、彼を導く存在と旅を始めると、今回のヒロイックエイジと極めて展開が類似しているので、神話のプロットを踏襲しているかどうかには注意が必要みたいです。

 何にせよ、第一話の役割は、設定を非常に小出しに出しながら、何となく凄そうだという迫力を出す事だと思われるので、現時点では深入りする必要は無さそう。

 登場人物は、「英雄の種族」の力を宿したらしい主人公エイジと、ヒロインとして機能するか不安要素を残す、「黄金の種族」の加護のようなものを持ってそうなディアネイラさん、そしてディアネイラさんラブなイオラオスさん。
 何か欠落した印象を受けるエイジが、他の人と触れる事で、人間らしい面を除かせながら、「英雄」として覚醒して超越した存在になると思います。
 恐らく、男女の概念の無いエイジがディアネイラさんに抱きついたりして、ディアネイラさんも満更じゃない雰囲気で、イオラオスさんがヤキモキする展開が待っていると思われます。

 面白いのは、エイジが野生児のように見えて言語を使えたり、表情等、極めて人間らしい情緒を持っている点。
 言語発達の面から見ると、他人の存在無くして「言語」「表情」を含む情緒の習得は絶対に無理です。
 恐らくはエイジが言う「おとうさん」が、恐らく「黄金の種族」か、それに関係する存在であり、彼がエイジに「言語」「表情」などを教えたのだと思われます。

・世界観の確認。

 黄金の種族の、「出でよ」の言葉に呼応したのが4つの種族。(この言葉は、「創世記」の「光あれ」などに相当すると思います。)
 「銀の種族」「青銅の種族」「英雄の種族」、そして最期が「鉄の種族」である人間。
 何だかギリシャ神話の、「黄金の時代」「銀の時代」「青銅の時代」「鉄の時代」の世界観に似ているようなそうでないような。
 ヘシオドスの分類だと、「鉄の時代」をさらに「英雄の時代」「鉄の時代」に分けるので、一層それっぽくなります。
 ただ、ヘシオドスは、仏教の末法思想のような、「昔の方が良かった」というじじいくさい事をいう人なのですが、時間軸を同じにして、そのじじくささを主人公達がひっくり返してくれたら面白いです。

 鍵になりそうな「英雄の種族」、惑星外に飛び立つ際に惑星を壊したりと、かなり素敵な種族です。
 そして、何故か「青銅の種族」「鉄の種族(=人類)」はドンパチをやってて、人類側が劣勢のようです。

 物語の展開は、1クール目で「青銅の種族」との戦争を勝利なり亡命&逃亡なりで一区切り付けて、2クール目で「銀の種族」と戦争なり平和的接触なりの区切りを付けながら、シリーズ通じて「英雄の種族」の謎を解き明かして、最期まで曖昧にされるであろう「黄金の種族」の意図に迫る、という感じになると思われますが、2クールでうまく纏めるなら、相当うまく構成しなきゃいけません。
 その辺は冲方さんが神業を見せてくれる事を期待。

・フートー
 面白い程表情が豊かなフートー、登場早々、主人公と戦闘を繰り広げ、足を一本取られたりしていましたが、「いっただきまーす」と叫ぶ主人公に手(足?)を振ったりと、別に嫌がっているワケでもなく、かと思えば、ディアネイラ様率いる宇宙船の登場で、別れの時が来た事を悟った主人公の傍で襲うわけでもなく自然に隣にいて、寂しそうな表情(?)を見せたりと、地味に感動しました。
 フートー、いいヤツじゃないですか。

 というか、足を食われてるのに、お前はそれでいいのか。