姫様、その旅のお供に私を雇わないかい? ウエルベールの物語第1話感想 〜始まりの章〜



 一番を取れるアニメじゃないけど、一話の中で押さえるべき要所要所を手堅く押さえてあって、ヒロイン二人のキャラも立ってるし、背景などの周辺の情報の出し方のバランスも非常にいいですし、当面の敵のキャラも少ない登場シーンできちんと性格が把握出来ます。
 何と言っても、ヒロイン二人の性格が好感が持てて、観てる方の気分も清々しくなります。
 テンポも演出も非常に心地よく展開してくれて、娯楽作品として最高の出だし。

 これぞ王道、これがエンターテインメントですよ!

 あまりにもエンターテインメントの文法から外れているヒロイック・エイジを観たので目が駄目になっているからかもしれませんが、これは面白いです。

 当初は全然期待してませんでしたが、一級の娯楽作品です。

 監督は「テニスの王子様」の浜名孝行監督、ヒロインの一人のティナさんの声はマイメロクロミプリキュア5の夏木さんでお馴染みの竹内順子さん。
 どちらも非常に面白いキャラで私も大好きです。




 

 まず、OPが素晴らしいのです。
 リタ姫様のの王宮から始まって、ティナさんの過去の記憶が被り、戦争の足音の中で、全く違う境遇の二人が哀しみの記憶で交差して、最後はティナさんがリタ姫様の伯爵戦車を背に、リタ姫様がティナさんの馬を背にして、お互いの運命が交差した事を表現。

 さて、ヒロインの一人のティナさんは過去絡みで、死神蜂の男を探してグリーダム王国に行く為に毎晩盗賊稼業でお金を稼いでます。

 もう一人はウエルベール王国のお姫様、リタ姫様。
 サンガトラス王国のエロい王子であるゲルニア王子、一言もセリフを発する間も無く他界してくれました。

 ヒロインを襲おうとするなんて私が許しません。
 冥福も祈ってあげませんから、メガネ王子は迷わず地獄に墜ちて下さい。

 それにしても、一話目からサービスショットを忘れずに入れて下さる辺り、ディアネイラ様とは、ヒロインとしての自覚が違います。
 頑張れ姫様。

 何だか裏がありそうな事情を抱えたまま、ティナさんとリタ姫様は逃亡、とりあえずティナさんのアジトに匿います。
 とりあえず床に就いたティナさんとリタ姫様、事情を全く聞いてこないティナさんにリタ姫様は尋ねます。

リタ姫
「何故聞こうとしないのですか、何があったのか。」
ティナさん
「聞いたって仕方無いし、言いたきゃ自分で言うだろうし。」

 格好いいですよ、ティナさん。
 実に清々しく気持ちのいい人です。
 これからはティナ姐さんと呼びたいと思います。
 ティナ姐さんも頑張れ。

 さて、一夜明けて朝、賞金が掛けられ、狙われる身となったリタ姫様。

 目的地がグリーダム王国だった事から、護衛として雇わないかと提案するティナ姐さん、報酬は100万キュラソ。
 一見図々しい要求のようですが、白々しい言葉で体裁を繕って無償で請け負うよりも、余程信用がおけます。
 ティナ姐さんは交渉というものを良く分かってる。

 そんなティナ姐さんの態度が恰好良過ぎ。

 戦闘に突入しますが、意外とお強いリタ姫様、見事な投げで撃退と、立派に戦力になってます。

 しかし、自分ルールでメガネ王子の敵を討とうとするガラハド・アイガンさんが登場、忠義者のヴァイスさんは果敢に立ち向かいますが、銃を仕込んだ剣の不意打ちで胸を撃たれて瀕死の重傷。

 しかしその窮地を救ったのはジラノ・ド・ボルジュラック伯爵という知能を持った戦車。

 伯爵の元ネタは多分、伊達男で知られる「シラノ・ド・ベルジュラック」。
 戯曲にもなっているので有名な人物で、否が応でも活躍が期待出来ます。

 辛くもその場を逃げ切ったティナ姐さん達ですが、重傷のヴァイスさんはリタ姫様をティナ姐さんに託します。

ヴァイスさん
「女、お前に頼みがある。御覧の通りの有様だ。不本意だが他に頼める者もいない。リタ様を頼む。」

ティナ
「ああ、任せろって!!」

 何、この漢らしい会やりとり、メチャクチャ恰好良いですよ!
 竹内さん、いつもプリキュア5で虐めててゴメンよ!

 ひょんな事から共にグリーダム王国に向かう事になったヒロイン二人、期日は14日。
 交わった二人の運命が織りなす物語に期待が高まります。

 ただ、一つだけ欠点を挙げるとすれば、朝日放送だから、うざいCMばっかり流して来る事。
 少しはアニメに関連のあるCMにしてくれないと、私の精神が保ちません。