姫様も変わってんなー。こーんな何でもない日常が楽しいなんてさ。 ウエルベールの物語第2話 〜旅立ちの章〜
今回のテーマはリタ姫様の「現実感覚の乏しさの克服」。
前半はリンゴ1個を巡って、世間ズレしているティナ姐さんはちゃっかりと拝借するのに対して、世間知らずのリタ姫様は金貨で精算したりと、二人の性格や 感覚の違いを強調して、酒屋での黒ビール、特大サンドウィッチのエピソードを通して二人の距離が縮まって、後半は二人の息の合った活躍で見事に危機から脱 出したのが素敵でした。
個人的に好きなのは、黒ビールを飲むリタ姫様、話の分かるお方です。
リタ姫
「ぷはー。美味しい。」
「可笑しいのではなく、楽しいのです。」
しかも、リタ姫様は、世間知らずとは言っても必要な現実感覚はきちんと備えていて、金貨を預かろうと言うティナ姐さんに対して、
リタ姫
「申し訳ありませんが、それだけは絶対するなとボルジュラックから固く言われてますので。」
と、決めるべき所は決めてくれます。
恰好良いよ姫様。
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さて本編、港町ザザンで旅の支度をするも、手配書は既にこのザザンの町にも回っており、賞金目当てのチンピラに追われる事に。
ティナ姐さんの機転でその場を逃れますが、ここで、序盤に林檎を拝借したティナ姐さんの盗賊の技で切り抜けるのが象徴的。
これは「盗み」を肯定しているワケではなく、姫様の「現実感覚」の欠如を否定するという意味でこのシーンが入っているワケなのです。
辛くも逃げたリタ姫様御一行ですが、敵に先手を取られ橋は封鎖されてしまいます。
不確定要素が多すぎて判断に困る中、リタ姫様は果断即決。
リタ姫様
「いずれにせよ、ここで愚図愚図していては、間違いなくもう一つの橋もいずれ封鎖されるでしょう。そうなれば、捕まるのは時間の問題です。」
リタ姫様、凛々しいです。
続いて、橋が壊れて進めず、盗賊に囲まれても姫様の決断と、それを察したティナ姐さんの見事な手並みで乗り切った所で、ボルジュラックのトドメの一撃が。
ボルジュラック
「リタ姫様、ここは爺にお任せを。」
壊れた橋を利用してリタ姫様達を追いつめたチンピラ達に対し、もう一つの橋を壊してやり返すという痛烈なお返し。爽快の一言に尽きます。
こういう清々しさで、ストーリーをどんどん切り拓いていくのがウエルベールの物語の魅力だと私は思います。
最後に、リタ姫様断髪。
これは、今回のテーマであった「現実感覚の乏しさの克服」を象徴的に表すシーン。
やっぱ最高でしょ、ウエルベール。
リタ姫様
「私の状況認識が甘すぎました。反省しています。これから行く先々で王女リタを狙う賞金稼ぎ達がいる事でしょう。だから私は今、この時から、王女である事を捨てます」
それと、前半で、リタ姫様が一般庶民の生活を経験する事で、守るべき「平和」の尊さと、それを脅かす原因となった、自らの犯した罪の重さを再認識するシーンがありました。
リタ姫
「私がそう決めたのです、お兄様。」
リタ姫様は、国の平和の為に、気丈にも政略結婚を自ら申し出たのですが、婚姻前にも拘わらず、肉欲目当てでヤる気満々のメガネ王子の真意を知って刺し殺してしまったのでした。
意外とあっさりとした真相ですが、もう一人のヒロインであるティナ姐さんが、盗賊稼業を生業とし、復讐を誓っている身という、感情の儘に生きている人間であり、ティナ姐さんに影響される形でティナ姫様が人間として成長する話だと思うので、作品的に、自分の感情を押し殺して政略結婚に同意する事より、理不尽な要求に対して感情で行動してしまった姫様を肯定するのが、この作品の立ち位置。
もう少し深く考えると、今話のテーマの「現実感覚の乏しさの克服」は、完全になされたワケではないので、旅を通して現実を知ったリタ姫様が再び王宮に戻った時、サンガトラスに対してどう出るか・・・という点で、これは物語を貫くテーマのような気がします。
けれどもう一方で、ティナ姐さんにとって、リタ姫様がどういう存在なのか、というのがまだ不明。
リタ姫様の「戦争回避」という物語の軸と対になる、ティナ姐さんの「復讐」というグリーダムを目指すもう一つの軸については来週で放送されそうなので、そこで描写されると思われます。
恐らくは、リタ姫様の、「他人を思いやる心」といういのがティナ姐さんに影響していくんじゃないかなと思います。
うん、来週も期待できます。
しかし、やっぱり朝日はCMがウザい。
ガラスの艦隊やうたわれるものの時もかなりイヤだったけど、猟奇モノとか、胃腸薬とか、めまぐるしく変わり過ぎて脳味噌がダメになりそうです。