みんな!卵焼きとタコさんウインナーよ!! Yes!プリキュア5第14話感想 〜悩める生徒会長かれん〜



 今週は予算を通じて、「協力」の強さと、水無月先輩と秋本先輩の変化について描かれてました。
 物語開始当初の水無月先輩は、「やっぱり、私がやらなきゃダメみたいね・・・」と、他人を信頼しない独力指向が強かったり、秋本先輩は、小説家を目指して小説を書いている自分を他人に曝すのを怖がっていたりと、積極的に前に出たりはしなかったワケです。
 それが今話、

水無月先輩
「どの部活も、何とかしてあげたいんだけど・・・。」

秋本先輩
「みんな!おかしくない!?」

 と、水無月先輩は「協力」、秋本先輩は「積極性」と、夢原さんの影響を受けて二人とも随分と変わって来ています。

 今話は水無月先輩メインの回なんですが、秋本先輩との友情も描いてるワケで、秋本先輩の能面の様な笑顔が怖かったなんて、きっと私の見間違いさ、そうに決まってます・・・。

夢原さん
「うららの卵焼きおいしそ〜♪ ねえ、私のタコさんウインナーと交換しない?」

 この何気ない会話が、全ての伏線になっているとは思いませんでした。

 そして或る日のナッツハウスの出来事。

夏木さん
「どうしたんです、秋本先輩?二人っきりで話したいなんて、珍しいじゃないですか?」
秋本先輩
「うん、ちょっと相談したい事があって。あ、これウチの新作のお菓子なの。食べてみてくれない?」
夏木さん
「うわー、美味しそう!ふーん、なるほどねー、食欲で頭がいっぱいののぞみとうららに、一般人と感覚がズレてて、客観的な意見が期待出来なさそうなかれんさん、となれば、私の出番ってワケですね?任せて下さいよー。私、実は和菓子が大好きなんですよー。うわー、いっただきまーす!(モグモグ)」
秋本先輩
「ねえ、りんさん。」
夏木さん
「何です、こまちさん?」
秋本先輩
「今週はかれんメインで、来週はのぞみさんがメインなのよね?」
夏木さん
「ええ、そうみたいですね?そうそう、実はウチのお母さん、来週も出番だってんで、張り切っちゃってー。『私、まだまだイケてる?』なんて、どこのイオンのCMだってんだ。って感じでー、娘としては恥ずかしくってー。」
秋本先輩
「そんな事はどうでもいいの。今週はかれんメイン、来週はのぞみさんがメインなのよね?」
夏木さん
「え? ええ、そうですけど、こまちさん、どうかしたんですか?」
秋本先輩
「だからね、先週は夏木さんメインで、今週はかれんメインで、来週はのぞみさんがメインなのよね?何か足りないんじゃないかしら?」
夏木さん
「!! (秋本先輩メインの回が・・・)」
怒りの秋本先輩
「仕方ないわよね、5人もいて前年度比2.5倍なんだし、最適化なのよね、私のメインの回は不要とみなされちゃったのよね。」
夏木さん
「あの、こまちさ・・・、秋本先輩?」
怒りの秋本先輩
「話は変わるんだけど、私、前々から、正直プリキュアが5人って多すぎると思ってたの。それに、りんさん最近ちょっと疲れてるみたいだし。学業、部活、プリキュアで毎日大童じゃ大変でしょ?それでね、りんさんが今食べてるお菓子にね、ちょっとしたお薬を混ぜてみたの。」
夏木さん
「何の話をして――――― うぐッ! あ、秋本先輩、さっきのお菓子に何を・・・・・・(バタッ)」
怒りの秋本先輩
「りんさん、ほんのちょっとの間休んでいてね。起きたらきっと象牙海岸の海の香りに混じったサバンナの熱い風が貴方を迎えてくれると思うわ。貴方は赤いし、暑いのは平気でしょ?だから、きっと気に入ってくれるとおもうの。じゃあ、さようなら。 永遠に。」

 薄れる意識の果てで、ピンキーキャッチュを奪われた夏木さんが最後に見たのは、まかないの賞味期限切れの和菓子で雇われた、傷ついて折れてしまいそうな煌めく銀の翼の少女だったという・・・。






 さて、今話のテーマは、子供にはどうにもならないモノ、汝の名は「予算」

 部費が少ないと生徒会長に泣き付くは、フットサル部、柔道部、手芸部、演劇部。

 みなそれぞれ、お金が掛かるのは分かりますが、演劇部よ、ちょっと待て、源氏物語を演劇でやったら死にます、全54帖、フルにやったら、ニーベルンゲンの指輪も真っ青の講演時間。
 けれど、どうせやるなら「若紫」が お薦め。紫の上、犬君、紫の上のお婆さま、和尚さんの服装は質素ですし、いい年こいて覗きを敢行しながら、幼女にハアハア言ってる光源氏とそのお供の乳兄 弟のバカコンビは普段着にお忍びですし、衣装はみんなワンランク下がってますから低予算に押さえられますし、光源氏のイメージが直接的にぶちこわせる事請 け合いです。

 そもそも、無茶な計画を立てて予算が足りないなんて、「夢」以前の問題なのです。
 どちらかいうと、ナイトメア寄りの発想。

 けれど、役者志望の黄色の代替案は、あろう事か「金太郎」
 主な登場人物が金太郎と金太郎の母と熊、それに森の動物達。いくらなんでも盛り上がりに欠ける。黄色よ、お前の「役者冥利」が一体何か、私は知りたいっ。

 さて、何だかんだで、備品の最適化による予算の最適化により、部費の問題を何とか解決したプリキュアさん5人に、ブンビーさんの魔の手が迫ります。

ブンビーさん
「人件費削減で私が出撃する羽目になったではないか。だが、私が来たからには、プリキュアもこれで終わりだ!」

 はわわ、あまり怖い事言わないで下さい!

 美翔さんも「お金」の為に一年でリストラされたというのに、何て不吉なお言葉。

 予算の最適化、「協力」によって生徒会予算を解決したプリキュアさん5人に対し、「協力」を否定して、部下を信頼せずにコワイナーの仮面の品質に回したブンビーさん。その前に、コワイナーの数を増やすとか、夏木さんをコワイナー化するとか(まだ言うか)、もうちょっとマシな事を考えた方がいい。まあ、現に強かったワケで、苦戦するプリキュアさん達5人。

水無月先輩
「ふっ。」

 モビルスーツの如き迫力で不適に嗤う水無月先輩、顎まで裂かれた口が恐ろしい。

水無月
「みんな!卵焼きとタコさんウインナーよ!!」

 生徒会とプリキュアの激務の連続、夢原さん達ボケキャラのツッコミ疲れで、水無月先輩が壊れたー!

 「独力」指向のブンビーさんの姿は「過去」水無月先輩の姿そのもの、それを「協力」で乗り越える水無月先輩が恰好良すぎです。

水無月先輩
「たとえ一人一人の力は小さくても!」
秋本先輩
「みんなで知恵を出し合って!」
春日野さん
「力を合わせて何とかしてみせる!」

 そして、一度破られた怒りのミントプロテクションを、水無月先輩とのコンビネーション、「協力」パワーで補い合うのは最高に素敵な演出でしたよ。

 ところで、「みんな!卵焼きとタコさんウインナーよ!!」のセリフは、どうも「蜂蜜熊さん、ポンポコ狸さん」を思い出してなりません。みなさんどうですか?

 今週の脚本はよく出来てました。序盤の何気ないセリフがこの上なく効いていますよ。

 そして後日談。フットサル部にすっかり染まり込んで、制服よりも練習着のシーンの方が多い夏木さんは絶好調。

夏木さん
「けど、みんなに怒った時のこまちさんて、迫力有ったよね?」
「実は、かれんさんをリードしてるのって、こまちさんじゃないですか?」

 作中最恐キャラに向かって、なんて愚かな事を仰る夏木さん、睨んでる、秋本先輩がめっちゃ睨んでる、顔は笑ってても目はちっとも笑ってないよー。

秋本先輩
「うふふっ」

・(久しぶりの)今週のケダモノ

 後日談でおタカさんの接近に隠れる白きケダモノは隠れきれずに夢原さんのスカートの上に。
 待て、ケダモノ、お前一体どこに頭をうずめてるんだ。「抜群のフットワーク」はそっちの意味か。

 この二人は絶対デキていると思った。

・次回予告

 来週は「ハッスルのぞみのお手伝い!」、看病を通じて、日常の中で当然と捉えられている家事の大変さやありがたみなんかを描きつつ、夢原さんのご両親の仕事に対する情熱が描写されるんじゃないかなと思います。

 プリキュア5の半分は、働く人たちへの「優しさ」で出来ているのです。

 ところで、来週の夏木さんの私服、赤に薄いピンクのチェックの布地は、どうも某ナージャ・アップルフィールドさんを思い出してならない、というか、寧ろそのものの様な気がしてきました。
 いくら今週のお話が備品の「最適化」で解決したからって、東映さんもこんな所で備品の最適化をしないで欲しい。
 ナージャさんとローズマリー様が泣いていますよ。

 プリキュア5の半分は、先人達の血と汗と涙、犠牲の上に成り立っているのですね!(台無し)