ヒロイック・エイジ感想第12話「破滅の炬火」

 第12話「破滅の炬火」感想

 星はスターウェイで、人は絆で繋がっているのです。

 今話のポイントは二つ。ディアネイラ様がようやく、「導く者」として道を進む事を決断したのが一つ。
 もう一つのポイントは、登場人物が「星の死」に異常な程に過敏な事。不謹慎かも知れませんが、生命が存在する惑星でなければ、悪影響を及ぼさない限りは衝撃を受ける程の事は無いと思うんですが、エイジの「星が死ぬ」という言葉は、比喩ではなく、本当に「死」と捉えられている感じで、ディアネイラ様は勿論、ニルバールさんやイオラオスさん、敵側もカルキノスさんやメヒタカさんも、無人(青銅の種族はいましたけど)の惑星の「星の死」そのものに衝撃を感じています。

カルキノス
「自分達の星を・・・!銀の種族が奴らを滅ぼそうとする理由か・・・。」
 
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 恐らく、このヒロイック・エイジという作品世界が「星」を一つの生命か、それ以上の存在だと認識する独特の世界観を持っているのだと考えられます。だから、メレアグロスさんやアタランテスさんが、小さい(それでもイオは月と同じくらいの大きさ)衛星とはいえ「星」を殺してしまう事は、地球の公転、自転の周期・軌道への影響や、隕石のような直接的な被害を及ぼす事以上に、重罪であり、ましてや不可抗力とはいえ、木星のような惑星を殺す事は、取り返しの付かない重罪だと考えているようです。
 基本的には現代の我々と同じような価値観を持つ筈の登場人物達がこのような特徴的な価値観を持っているという事は、この価値観が作品的に大きな意味を持っているという事だと思います。
 多分、このヒロイック・エイジという作品に於いて、銀の種族や、他の種族が精神感応能力を持っていて「お互いが繋がっている」のに対し、銀の種族ではディアネイラ様以外は精神感応能力を持っていない対立関係と、「星同士がスターウェイで繋がっている」のは関係があるんじゃないかと思います。
 一方で、「星の死」を悼むという事は、「人間」「星」に共感していて、「星自体に感情がある」という意味じゃないかと思います。
 この二点、「星同士がスターウェイで繋がっている」「星自体に感情がある」が、「星」の存在が、銀の種族と鉄の種族のチャンポンぐらいの意味で、二つの種族の和解の可能性を内包しているんじゃないかと思います。

 実は、「金の種族」の正体は「星」そのものなんじゃないかと思ったりしました。

 さて、今回ようやく立ち上がったディアネイラ様。第6話でエイジが「ディアネイラはまっすぐ行って。ディアネイラが行こうと思った道を。そうすればまた会えるから。」と言ってから何度も何度も、しかもエイジだけでなく周囲の全員がディアネイラ様に期待していたのに、一歩退いていたディアネイラ様が、木星の消滅という取り返しの付かない惨状を見てやっと決断しました。
 2ヶ月です。2ヶ月掛かりましたよ。ディアネイラ様が「導く者」であると6話で視聴者に明確に提示されてから、ようやくの決断です。7話まで、「何故?」を繰り返すネガティブ描写が続き、8話で、「示された道を お進みなさい!」のポジティブ描写で、やっと気付いたかなと思ったら、デューイに着いた途端、また「導く者」としての自覚を忘れて受け身の姿勢で構えてしまうネガティブ描写。自覚を促す為に旅だったエイジの真意を悟る事もなくアルゴノートに引き籠もるネガティブ描写。

 つまり、厳しい言い方ですけど、ディアネイラ様が「導く者」としての自覚を持たずに受け身の姿勢をとり続け、メレアグロスさんの愚行を許した結果、木星の崩壊を招いてしまったのです。

 ディアネイラ様が一歩引いた立場を取っていたのは、「神感応能力の所為で人前に出る事に出る」事が苦痛だった為だったのですが、それも今回で克服。あの場所にディアネイラ様が現れた事には、そういった今までのネガティブ描写と、さらに、「星を死なせた」最悪のネガティブ描写を払拭して「導く者」としての動く事を決断したことを意味するのだと思います。

 そんなディアネイラ様をみんなが待っているという描写を如何に箇条書き形式で。

ニルバールさん
「こちらの作戦を伝える手段が皆無とは!」

 ディアネイラ様ならできるよ!
 イオラオス君の瞬間移動能力も忘れないで!

ビードさん
「我らの星の目覚めは近いぞ、ニルバール。」

 2ヶ月は、お互い長かったですね、モビードさん・・・

アネーシャさん
「どうか、ご自分を偽るのはお止め下さい。私達は皆、ディアネイラ様の進む道を喜んで共に歩みましょう。」

 先週、ディアネイラ様が居眠りしてて、言えなかった言葉を言えました。アネーシャさんも、自分の道を歩いてイオラオスさんにアタックですよ!頑張れ、アネーシャさん!


 
 さて、本編。味方の被害も省みず、目先の成果の為に星を壊す事も厭わないメレアグロスさんとアタランテスさんのダメコンビ。

メレアグロス
「何をしている!全軍を突撃させろ」
「古き神の御前で、これ以上無様を曝す事は許されん!」

 「取り敢えず前進」と、 駄目な司令官の典型を地で行くメレアグロスさん。こんな駄目人間が先頭に立つユーノス王家も、全種族の命運を任せるような議会を初めとする星系の代表も、全 てがどうしようもありません。いっその事、ユーノス王家も、鉄の種族も全て滅んだ方が宇宙の平和の為になると本気で思えそうな描写が続きます。
 けれど、これも、恐らくは冲方さんの予定通り。「銀の種族」「感情」が足らないのと同じで、「鉄の種族」にも何かが足らない事を示す意図があると思います。

船の艦長
「退け!ノドスの戦い等に付き合えるか!」
カルキノス
「自分達の為に戦うものを何故そうも容易く見捨てられる!」

 ・・・どう見ても鉄の種族の方が悪役にしか見えません・・・。

 更に、メレアグロスさんは、エイジが戦っているのに、木星の惑星を破壊して銀の種族と青銅の種族に打撃を与えようとします。

メレアグロス
「私も神聖なる古き神の星に危害を加えたくはない。だが、敵に背を向けるワケにはいかん〜。」
「ノドスがこれしきの事で死ぬものか〜。」

 極めつけは、主砲の発射に反対したニルバールさんを更迭してしまいます。

 よし、これでメレアグロスさんとアタランテスさんのバカコンビが死んでもニルバールさんが巻き込まれる可能性はぐっと減りました。今です、パエトーさん!悪い鉄の種族をやっつけて下さい!(ドクロ)

 そして、ニルバールさんの反対も虚しく発射される主砲。ですが、銀の種族は強かったのです。惑星を破壊したエネルギーを、木星に押し返してしまいます。
 しかし、これによって爆発を木星の中心方向に圧縮してしまった結果、木星内部の気圧が一気に上昇し、水素が核融合を起こして、木星が崩壊してしまいます。

メレアグロス
「ジュピターが〜。ア、アタランテス〜。」

アタランテス
「ぎ、銀の種族が干渉するなど、データベースには・・・。」

  もう、ユーノス王家も鉄の種族も滅べばいいと思うんだ。そうでなければ、銀の種族に支配された方が、宇宙はきっと平和さ。(ドクロ)
 それぐらい、メレアグ ロスさんの駄目さ加減の描写は大成功です。ヒロイック・エイジがこんなに視聴者の感情を高揚させたのは初めてじゃないでしょうか。でも、出来る事ならカタ ルシスとか、そういうポジティブな感情を高揚させて欲しかった所が残念です。

 何にせよ、来週を楽しみにしています。













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・おまけ

 レクティさんの能力は、いくらなんでも反則だと思いました。

レクティ「70秒前の過去へ!」

 あと、エイジの存在が、メヒタカさんに影響を与えているのは重要だと思いました。

メヒタカ
「辛かったら・・・、僕がやる。」