ヒロイック・エイジ第20話感想「暗黒のノドス」

 よりによって一番やって欲しくない方法での玉座奪取。ディアネイラ様には平和的手段、せめて無血開城とか人死にの出ない方法で玉座に就いて欲しかったのですが、敵の手で、しかも旗艦艦隊ごとの全滅という最悪の状況で、成し崩し的に玉座に就く事になったのが凄く残念。クーデターに成功した際にメレ兄さん達を見逃して、その後の暴挙も放置していたのは、ディアネイラ様の「罪」だと思うんですが、なら自分の手で、自分の意思で玉座を奪取しないと、責任の所在が不明確になりますし、第一周囲が、状況に流されましたじゃ、あまりにも卑怯です。嗚呼、メレ兄さん達の幕引きはもうちょっと何とかならなかったものかなぁ。
 取り敢えずご冥福を。メレ兄さん達がいなかったら、ここまで感想を続けられなかったかもしれません。いい意味でも悪い意味でも、観続ける動機になってくれたいいキャラでした。

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 さて、気を取り直して本編感想。
 オープニングから、イオラオスさんとメイル&テイルさんの噛み合わなさが、この兄妹のスタンスの違いが垣間見えてきて興味深かったです。イオラオスさんは、「多少無理でも押し通る、追いかける」、メイル&テイルさんは、「自分の場所を守る」というのがすごく上手く描写されていたと思います。

「逃がさん!」(イオラオスさん)
「あっち行けー!」(メイル&テイルさん)

 あと、イオラオスさんの「瞬間移動能力」は、「スターウェイを感じる能力」から派生した産物なんじゃないかと思ったり。「スターウェイを感じる能力」があるから、青銅の種族のワープを感知できるのですが、「スターウェイ(=道)を感じる能力」があるから、「道」を指し示す「導き手」であるディアネイラ様に惹かれたのではないかと思いました。

 因みに3巻のパッケージにはいよいよイオラオスさんが登場してます。カルキノスさんもですけど、イオラオスさんも死なないで下さい。死亡フラグはわんさか立ててるのに、恋愛フラグが立っていないのはあまりにも惜しい!

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「導き」サイド

 旗艦艦隊の全滅で絶望に包まれるアルゴノートとカリュドーン艦隊。

導きの星よ、道を示してくれ・・・!」(ニルバールさん)
「奇襲すべき敵の拠点はそもそも存在せず、最早逃げ場も無い。我々は敗北した」(モビード

 でも、その中で絶望を乗り越えた人が、輝く「希望の星」がかすかな一本の道を照らしてくれる。

「私達に敵意を持たない銀の種族がいます。その方に助けと和解を請うのです。他に道はありません!」(ディアネイラ様)

 悲しみを乗り越えたディアネイラ様が「導き手」としての本領を発揮して、死中に活路を、コドモスのプロメさんを見付け出してくれました。何か駆け込み寺っぽいとか、「負け犬」っぽいとか言わない。ヒロインなんだから死んだら困るのです。
 そして遂にディアネイラ様とプロメさんの邂逅。互いに「よく知らない」為に袋小路を回っていた思索、この感想の項目にもしてますが、ディアネイラ様側の「導き」サイド、プロメさん側の「黄金の種族の意図の探求」サイド、二つが一つになろうとしています。目指す場所は「黄金の種族」の母星。意外と惑星デューイ辺りがそうなんじゃない?因みに先回の感想でもこんな事書きました。

銀の種族 「黄金の種族」が「鉄の種族」と同じで母星に愛着を持つ種族なら、スターウェイを外れたどこかにある「黄金の種族の母星」を探せばいいけど、スターウェイを外れる力は無い
ディアネイラ様 スターウェイを外れる事を運命付けられた「導き手」

 そしてディアネイラ様が「導く」切欠になったのが、エイジとメヒタカの存在。エイジに続いてディアネイラ様を「導き手」として認定。*1「どうか、どうか救って下さい!一人でも多くの命を!」と、他力本願に陥ったディアネイラ様に「自分の道」を、自分に出来る事を思い出させてくれたメヒタカの言葉が恰好良いです。

「貴方にはきっと道が見えている。もっと平和な場所へ行ける道が。その為なら戦ってもいい。」(メヒタカ)
アルテミアなら、エイジのベルクロスより速い!」

 そして、「絶望」の中に「希望」を見出したディアネイラ様によって、遅れて「絶望」したモビードさん、そしてアルゴノート全体に「コドモス」という「希望」を指し示す展開が熱いです。

before

「どうか、どうか救って下さい!一人でも多くの命を!」(ディアネイラ様)
「終わりだ!今は一人でも多くの同胞を救う・・・」(モビードさん)

after

「私達に敵意を持たない銀の種族がいます。その方に助けと和解を請うのです。他に道はありません!」(ディアネイラ様)
「最も過酷な戦場になる筈の星が最後は生存の希望になるとは。」(モビード

「黄金の種族の意図の探求」サイド

「もし私達の五人の契約がそれぞれ食い違う事になるとすれば、黄金の種族は何故契約の矛盾を私達に許したのか。一体どちらかが生き残る。銀と鉄、どちらが・・・。」

 五人の契約が矛盾するのは、単に戦う為ではなく、それぞれが契約に沿いつつも、自分の意思・感情で契約を破って「自分の道」を行く為だと解釈。契約は前から「破るべきモノ」とは捉えてたけど契約自体の「矛盾」はその傍証になっているのだと思います。先回は「『銀の種族の矛盾』の表出」とか書いたけど、今回、ユティさんまでが「自分の道」を進み始めたのを観て、私も考えを改めました。
 多分「契約」は「スターウェイ」と同じモノ、または暗喩の関係になっているのだと思います。今回、全てのノドスが「契約」から離れる描写を見せた事で、「契約」を破棄する方向に進むのだと考えてよさそう。ノドス達全てが「契約」を離れる切欠が「感情」に由来しているというのもまた暗示的。

スターウェイと契約
スターウェイ 皆が移動手段として頼っており、外れる事が出来ないし、しようとしない。 ディアネイラ様はスターウェイから外れて「道」を見付けようとしている
契約 ノドス全員が守るべきモノとされている。 ノドス達が契約を離れて「道」を見出しつつある
ノドス達の契約に対するスタンス
ユティさん 「カルキノスの死の契約」を実現させない為に戦う カルキノスに対する「恋」という「感情」
メヒタカ ディアネイラ様の「導き」を信じて銀の種族の前で戦う事を決意 ディアネイラ様の「導き」に対する「信頼」、「優しさ」に対する「信頼」という「感情」
カルキノスさん 自分の種族や契約を通り越してユティさんを守る事を誓っている。(ユティ>>契約、自種族) ユティさんに対する「愛情」?
レクティさん 「契約」そのものに疑問を感じている メヒタカに対する「愛情」?
エイジ 解釈にも依りますが、敢えて挙げるとすれば「打倒する」筈のメヒタカを殺してない事。そもそも、エイジはディアネイラ様の為なら契約なんて破りそうです。 よく分かりませんが多分「感情」に由来していると思います。

 ユティさんとカルキノスさんの、見事に空回りしている純愛が成立している事に驚愕。それにしても、カルキノスさん格好良すぎ。

「自分がノドスである事を知った日から、己の種族以上にユティを守る為に生きてきた。後は頼む!」

 一方、銀の種族の「普遍の理性」がズレを起こしているのも「感情」。

ロム・ローさん 「不安」故に鉄の種族を滅ぼそうとする銀の種族の象徴
エトーさん 「恐怖」故に鉄の種族を滅ぼそうとする銀の種族の象徴
プロメさん 「感情」を任されている故に「黄金の種族」の意図と「鉄の種族」の役割を知ろうとしている

次回予告

ヒロイック・エイジ第21話「惑星コドモス」

 もう、「行く所」って言ったら、黄金の種族の母星しか無いでしょう。あと、カルキノスさんは死なないように頑張れ!死亡フラグ立ちすぎですが、それでも頑張れ!

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*1:このブログでも第6話「セメタリーベルト」からずっと書いてます。だから一層辛いのですよ。