黒の契約者第22話感想「粛正の街は涙に濡れて・・・(後編)」
「合理的」ではない黒い契約者、「勝ち目が無い」のに向かってきた理解し難い契約者。
名前も知らないBK201と呼ばれた契約者と「同じ」黒い装束を身に纏った「黒の契約者」。今回は彼、ノーベンバー11のお話。
霧原さんが目印のDVD最新巻は9/26日発売
DARKER THAN BLACK -黒の契約者- 3 [DVD]
- 出版社/メーカー: アニプレックス
- 発売日: 2007/09/26
- メディア: DVD
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「じゃ、好きな食べ物は?」
「林檎。」
「奇遇だな、私もだ。」
「嘘ばっかり。」
「お互い様だろ?」
全裸で「おはよう」をやらかしたり、緊張した場の空気を読まないジョークをかましたりと、ノーベンバー11の性格がこれでもかと出た後に始まるシリアスな雰囲気。
「貴方はここを出た後、死ぬよ。」(アンバーさん)
「勝ち目が無い闘い」を挑む契約者はいない。「死ぬとが分かっていて」飛び込んでいく契約者はいない。いない、筈だった―――。
「なあ、助けに来てくれるような仲間いないのかぁ?」
「契約者は合理的な生き物だ。死ぬと分かっていて飛び込んでくるようなバカなヤツはいない。少なくとも俺ならそうする。」
バカは来る!
そして、バカは行く!
黒<ヘイ>さん | 「死ぬとが分かっていて」飛び込んでいく契約者=非合理的 | 黒の契約者 |
ノーベンバー11 | 「死ぬとが分かっていて」飛び込んでいく契約者=非合理的 | 白のスーツから黒のスーツへ、文字通りの「黒の契約者」。(「死に装束」という意味もアリ) |
最初は敵だった黒<ヘイ>さんとノーベンバー11が共闘するような瞬間は遂に訪れなかったけど、黒さんに影響されて、「自分たちを騙してきた」ディケイドさんを始末しに行く展開が熱い。ノーベンバー11は上司として信頼していただけに、それだけは許せなかった。「契約者」とか「合理的判断」なんて関係ない。掛け値無しに許せなかった。そして最後に、「契約者」の証しである「対価」を放棄し、流した血が火を消して、「人間」として息絶えたノーベンバー11。「黒の契約者」の中で、一番好きなキャラでした。
優しい契約者達
契約者も変化していく。ノーベンバー11を探し続けていたりしていたジュライ君、全然「合理的」なんかじゃないのに、敢えて「合理的」だと片付けて霧原さんに責を負わすまいとしたエイプリルさん、二人とも恰好良すぎです。
「『それ以上は口を挟まない方がいい。』そう思ったからあの男はあんたに何も言わずに
死んでいったんだ。契約者らしい合理的判断ってヤツでね。あんたの気持ちは素直に嬉しいよ。ありがとう、ミサキ。」
そして、猫<マオ>さんを助ける為に、助けに行った黒<ヘイ>さん、そんな黒<ヘイ>さんを健気にサポートする銀<イン>さん、そして何やかんや言っていい所で助けに来てくれた黄<ホァン>さん。みんな笑顔で笑ってる。みんな「家族」だ。
「どうして助けに来た。あの場での最善の策は―――」
「お前を見殺しにする事だ。契約者の合理的判断ってヤツが無くとも分かるさ。それぐらいの事はな。」
「バカだな、お前ら。」
「バカはこいつ一人だ。」
「ゲートを守ろう!」で、取り敢えず纏まってはいるけれど?
「私の研究は極めて単純だ。成功すれば契約者はみんなこの星から消える。」
「分かったぞ!南米があんな事になった原因だ!仮面の契約者だ!あの男の力の所為だったんだよ!」
物語の着地点としては、「契約者だって人間だろ?」という黒<ヘイ>さんの言葉が全てなんですが、「ゲート」は、ただ「守る為の対象」として着地するワケがなく、何らかの形で「謎」を解き明かす形で着地する筈。
それと、この作品の重要なテーマとなってきた「本当の星空」はニックさんが提示してくれたように、再び獲得できる筈だし、その時には何らかの形で「世界」は変革される筈なので、当たり前ですがもう一波乱ありそう。EPRも一枚岩じゃないし、「契約者を消す」という計画を頓挫させた後は、当然のように裏切る気満々の、出血するほど「血」が有り余ってる人もいるし。
「ようやく予定の数のドールを集める事ができた。もう、時間は戻せない。」
「黒の事。黒の昔と『これから』の事。」
「ドール」は「観測(=真実を観る象徴)」する存在だからかな?何に使おうとしているのか楽しみに待とう。
次回
黒の契約者第23話「神は天にいまし・・・」
意味深なタイトル。「本当の星空」はまだ先だろうけど、何となく楽しみ。
因みに、以前、こんな事を書きました。
「流れ星っていうのはね、神様が天の蓋を開けた時に漏れる光なんだ。だから、その時に願い事をすれば、神様に聞き届けてもらえるんだよ。」
幼少時と現在の黒<ヘイ>さんの世界が比較される、このセリフはきっと重要。
幼少時の黒<ヘイ>さんの世界 「流れ星−神様」
現在の黒<ヘイ>さんの世界 「流星の欠片−ゲート」
この関係を、「願いを叶える」という文脈で、「流れ星=流星の欠片」の線を等号で繋げると、「神様=ゲート」と導かれるので、「黒の契約者」を深く読み解きたい人は、このアナロジーは覚えておくといいんじゃないかな。(えらそう)
http://d.hatena.ne.jp/AlfLaylawaLayla/20070623/1182582720
おまけ 〜この上司にしてこの部下あり〜
仕事中に酒飲んでいたディケイドさん。外国はそういうのがOKな文化と体質を持っているのでアリかも知れないけど。エイプリルさんが任務外で酒を飲むのを止めないワケだ。ジュライ君の将来が心配。
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