Fate/Zeroを今更読み始めた。

 RubyGillisさんがBLADESTORMの感想を書き始めた(いつの話だ)のを目にして、私も何かやろうという事で、Fate/Zeroの感想を微妙に書く事にした。実は1巻から3巻まで買ってはいたけど読んでなかったのだよ。私はダメな子です。

 結末が初めから或る程度分かっているという限定、それは私のような凡人の頭では「結末が分かってるのに面白く描けるの?」という安易な「短所」、それを「長所」と捉えて、「どういう経緯で?」という疑問が上手く読者に抱かせるように、序盤から描写されていきます。最初は、「失う事」が決定しているアイリスフィールさんと切嗣の幸せな時間と、Fate/stay nightの綺礼とは随分印象の違う、「欠落」というパラメーターだけを設定された綺礼が提示されて、つかみはGOOD。さらに凛さんのお父様の外道っぷりが素敵。凛さんがもし男だったら、こんなにムカツクのかというのが分かって大変宜しい。嗚呼、もうみんな大好きだ。

 今ACT2を読んでる所だけど、個人的にウェーバー君がお気に入り。彼は優秀な人間だと思うけど、切嗣や綺礼のような「鬼」みたいな人間とは違って、時計塔という組織で孤立を強いられていた為に、自分の力量を過大評価してる人間という感じ。その彼が分不相応なイスカンダルをパートナーとした事で、振り回されながらも、「自分なんてちっぽけだ」という結論を得て救われる、或いはそれを受け止めて決意する―――という感じなんじゃなかろうか。
 ACT1で譲れない決意の元に切嗣、時臣、雁夜の三人が同時に召喚したように、3人が序盤の対立項として設定されているのに対し(綺礼は現時点では3人の傍観者という立場)、それから少しずれてACT2で召喚を行っているのも、彼が本質的に埒外の人間である事を暗示してそう。今後どうなるのかは分からないけど熱烈応援中。