魔法少女リリカルなのはStrikerS第24話感想「雷光」

 今回は色々ありましたけど、ちゃんと観るべき所はあったのです。「母親&子供」であるフェイトさんと、ルーテシアさんの救済はきちんと押さえられてました。

DVD vol.3は9/26日発売

魔法少女リリカルなのはStrikerS Vol.3 [DVD]

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フェイトさん

 スカリエッティさんは「親失格な親」の象徴です。今回もとんでもない外道っぷりを披露してくれてました。「子供」の体内に自分のコピーを仕込むなんて、正気の沙汰とは思えません。「親子関係」を嘲笑しているとしか思えない所行です。だからこそ、フェイトさんは愛情の通わないスカリエッティさんを、愛情が通う、一人の「母親」として打倒しなければいけなかったのです。
 フェイトさんは、産みの親であるその母親プレシア・テスタロッサには愛されなかった。そのフェイトさんが「ハラオウン家の娘」に、「エリオ君、キャロさんの娘」という娘であり母親でもある立ち位置にあるので、「要らない子」とされた子供が幸せになり、その子供を幸せにするという所までを証明しなくてはいけなかった。

 そんなフェイトさんを抉る「愛情なんて自分の都合のいい存在にする為の教育だろ?」というスカリエッティさんの言葉によって、「親失格」の子供も所詮は「親失格」と、「母親」としてのフェイトさんの存在を否定されます。

「君と私はよく似ているんだよ。
私は自分で作り出した生体兵器達、君は自分で見つけ出した自分に反抗する事の出来ない子供達、それを自分の思うように作り上げ、自分の目的の為に使っている。
違うかね?
君もあの子達が自分に逆らわないように教え込み、戦わせているだろう?
私がそうだし、君の母親も同じさ。
周りの全ての人間は自分の為の道具に過ぎん。
そのくせ君たちは自分に向けられる愛情が薄れるのには臆病だ。
実の母親がそうだったんだ、君もいずれああなるよ。
間違いを犯す事に怯え、薄い絆に縋って震え、そんな人生など無意味だとは思わんかね?」

 フェイトさんが最も弱いのは実の母親であるプレシア・テスタロッサという存在。姉でありオリジナルであるアリシアテスタロッサの存在によって、「優しい母親」の面を知っている為に否定出来ない「親失格」の母親を引き合いに出され、戸惑うフェイトさん。更に22話での指摘がここで生きてきます。

「普段は温厚且つ冷静でも、怒りと悲しみにはすぐに我を見失う。
君のその性格は正に母親譲りだよ、フェイト・テスタロッサ。」(スカリエッティさん)

http://d.hatena.ne.jp/AlfLaylawaLayla/20070827/1188227397

 そんなフェイトさんに差し伸べられる手。エリオ君とキャロさんが伸ばしてくれた手をとる事で、かつての自分が「救えなかった母親」を、「子供」であるエリオ君とキャロさんに救われる事で、それらが救済され、同時に「フェイトさん」は「フェイトさん」そして「母親」なんだと肯定される展開が熱い。

もしも道を間違えたら、僕達がフェイトさんを叱って、ちゃんと連れ戻します!
僕達が、みんなが付いてる!

「ごめんね、ありがとうね、エリオ、キャロ。疑う事なんて無いんだよね。
私は弱いから、迷ったり悩んだりをずっと、ずっと繰り返す。
だけど、いいんだ!それも全部、『私』なんだ!」

ゼストさんとレジアスさん

「今回の発端は海の連中が見落とした魔導犯罪者だ!なのに、優秀な魔導師や戦力は皆、本局に持って行かれる!」

「ただ、当該システムについて、本局から意見が。」
「干渉するなと伝えろ!連中は地上の正義を理解しておらん!

 「本局=地上の敵」という妄執に凝り固まって、今「機動六課」という地上を守っている「優秀な魔導師や戦力」がいる事を見失ってしまっています。更に、スカリエッティさんの話術で「夢」すらすり替えられてしまったレジアスさん。

ああそれから貴方の夢、戦闘機人は優秀な性能を発揮しているよ。
一対一でSランク騎士の撃破。なかなかだろう?

 ゼストさんの言葉で「最初の夢」を思い出したものの、直後にドゥーエさんに刺されて絶命。今際の際でゼストさんに何も伝えられませんでしたが、「機動六課」を中心として、なのはさんやシグナルさんが鍛えた地上を守る魔導師達をゼストさんが目の当たりにする事で、「守りたかった世界」、「欲しかった力」、「夢見た正義」が継承される事を認識する事になるんだと思います。

「俺はいい。お前の正義の為になら殉じる覚悟があった。
だが俺の部下達は何の為に死んでいった。
どうしてこんな事になってしまった。
俺達が守りたかった世界は、俺達が欲しかった力は、俺とお前が夢見た正義はいつの間にこんな姿になってしまった。」

ルーテシアさん

「貴方達には分からない。
優しくしてくれる人がいて、友達がいて、愛されてる。
私の大切な人はみんな、私の事を忘れて行っちゃう。独りは嫌だ・・・。
寂しいのはもう嫌だ!ひとりぼっちは嫌だ!」

 自分だけが寂しい、自分は不幸だと主張するルーテシアさんに対して、同じ境遇の中から、「母親」であるフェイトさんによってそこから救い出されたエリオ君とキャロさんがその悲しみを受け止めて、「一緒に歩いて行こう」と救い出すのがベタだったけど良かったです。
 ゼストさんの回想シーンで、ルーテシアさんの「母親」であるメガーヌ・アルビーノさんの「本当の娘」だった事が判明しましたし、キャロさんがメガーヌさんを救うのを手伝うと言っているので、メガーヌさんは蘇生されそうですし、メガーヌさんの方も「娘」と認知できそうなのでひとまず安心。展開的に一番怖かったのは、愛情を渇望する「子供」を、「母親」が認知しない事態だったのです。

「良く似てるんだ僕達とルーは。
ずっと独りぼっちで、誰も守ってくれなくて。
誰も信じられなくて。
何も分からなくて。
傷つける事しかできなくて。
だけど、変われるんだ!きっかけ一つで、思い一つで、変わって行けるんだ!

クアットロさん、今更だけど可愛いよ?

「ま、私がいれば何とかなります。そうですよね?ドクター。」

 というワケでメガネを外して髪を下ろしたクアットロさんは普通に可愛かったです。何故今更っ!

その他の人々

 サブキャラが細々と活躍してます。

ヴェロッサさん登場

「君の頭の中、ちょいと査察させて頂くよ?」

 いい所持っていくなぁ。

ヴァイスさん活躍
 え?出番これだけ?

セインさん武器無いけど頑張った。
 ナンバーズではセインさんが一番好きです。中の人繋がりでシャッハさんに虐められていないか心配。

ナンバー9逮捕
 ノーヴェさんも逮捕。だけど、修理中のチンクさんと、恐ろしく外道なクアットロさんがいるので、チンクさん絡みで共闘の可能性アリ。期待して待ってましょう。

「戦う為の兵器だってさ
笑う事も、優しく生きる事も出来るわよ!
戦闘機人に生まれたけど、誰よりも人間らしくバカみたいに優しく、一生懸命生きてる子を、私は知ってる・・・!」

ギンガさん生きてた。
 殴ったら元に戻るって、ギンガさんは昔のテレビかーなんてツッコミは入れませんが、無事そうで良かったです。

次回予告

 魔法少女リリカルなのはStrikerS第25話「ファイナル・リミット」

 言うべき言葉はただ一言、「頑張って下さい、お願いですから。」

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