Yes!プリキュア5第35話感想「ナッツの鍵とこまちの心」

 今回は「役目」と「責任」のお話。パルミエ王国崩壊の発端となった王国の門を開けてしまった「罪の意識」を持つナッツは敵さんに精神攻撃を受けます。

「国民を守れたか?」 「守れなかった。」
「何故王国は滅びた?」 「ナッツが門を開けたから」
「この世界も君の所為で壊す?」 「今の仲間を失いたくない」

 王国はもう無い、その上今の仲間さえも失っていいのか?と聞かれたら、今を守りたいのが人というもの。(ケダモノですけど)そうして絶望に負けそうになったナッツ。しかし、「夢を、夢を諦めるなナツ!」と励まされた秋本先輩が今度はナッツを励まします。秋本先輩恰好いい。

「夢を!夢を捨ててしまうつもりなの!『夢を諦めるな!』ナッツさんが私に言った事よ!
「パルミエ王国を蘇らせるんでしょ!それが貴方の夢でしょう!」

 結局、今話ではナッツの心が解放される事は無かったけど、それは秋本さんのこれからの課題であり、それを積み重ねながら、最終決戦でパルミエ王国の門を開けるイベントで一気に解消するという事なのかな。とりあえず、秋本先輩は小説で告白するという手段に出たようです。

「一人の女の子が、心引かれる相手に出会う話よ。」

 もしかしてナッツは、いくらドリームコレットでも、王国を元通りにできるとは思ってないのかもしれません。確かに無茶な願いですし、人(ケダモノですけど)の命までをどうにかできる力があるとは思えませんし、自分の力で夢を叶えるのがこの作品の方針の筈なのに、プリキュアさんに戦わせて、しかも実現もドリームコレットに頼りきりというのは、作品の方針から随分外れるし。

本編感想

 秋本先輩の海賊ハリケーンが、ナッツから好評価を受けてみんなが喜んでる中、ナッツだけは浮かない顔。

「希望の鍵か・・・」

 その「鍵」はナッツが開けてパルミエ王国崩壊の発端となった門の鍵。
 ココが「鍵」の事は忘れろと言っても、ナッツはふっきる事ができません。

「いつまでも昔の事に拘っていても意味は無いココ!大事なのはこれからココ!」

 その責任感があってこそのナッツであり、それこそがナッツが「役目」に対して誰よりも誠実な証し。でも、その責任感がナッツを苦しめている。

「自分にはドリームコレットとピンキーを守る役目があるから、王国を出るワケにはいかないって」

 でも、ココにはナッツを変える事ができないでいる。そうして無力感を感じているココに対して夢原さんは言うのです。

「ナッツはいつも自分は笑っちゃいけないんだって、思いこんでいるように見えるもん。だからいつかナッツも一緒に、みんなでたーくさん、笑いたいな。きっとできるよね」
「ああ、みんなであいつを大笑いさせてあげよう!」

 励まして欲しい時に一番言って欲しい言葉を言ってくれるのが夢原さん。ココが本当に嬉しそう。生徒とはいえ惚れるのも無理も無い・・・かな?
 でも、このシーンのココは、泣きそうなくらいすごく嬉しそうに表現されてるんですよね。草尾さんすごいなぁ。

 そうこうしているうちにナイトメアのブラッディーさんが登場。今度の敵は登場しても、いつもの「何か出たココ/ナツ」が来ません。どうやら気配遮断のスキルを持ってるみたいです。
 名前や仕草から観ると、今度はコウモリかな。どっちかと言うと、コウモリは蛾を食べるイメージだけど。流石は初の哺乳類キャラ。今までの連中とは知能が違います。口先でぐらぐらとナッツの精神を追いつめて行きます。秋本先輩も果敢に反論しますが、老獪なブラッディーさんは今までの敵と違って論破できません。

「ナッツさん!ドリームコレットをしっかり守って!絶対に放しちゃダメ!」
「ドリームコレットは力の有るモノが所有するべきだ。我々ナイトメアがな!」
「違う!ドリームコレットはその力を知り、怖れ、敬い、全てを抛ってでも尽くす者にこそ相応しいのよ!それが出来るのはただ一人!まっすぐ優しく、そして強い心の持ち主、ナッツさん、あなただけなの!」

 ドリームコレットを持つのにそんな厳しい資格があるのですか・・・。

 頭の中が真っ白になっているうちに夢原さんが乱入。今までの秋本先輩の活躍はどこへやら。急速に背景化していく秋本先輩を尻目に啖呵を切ります。嗚呼、夢原さん存在感大き過ぎだよ・・・。

次回予告

Yes!プリキュア5第36話「目指せ完走!マラソン大会」
 「一番」じゃなくて「完走」ですか。無知と無謀から生まれてきた夢原さんとは思えない謙虚なタイトル。
 それより、ガマオ君が巨大生物化ですか!?何故ガマオ君が!その身を犠牲にしてまで戦うような人じゃないのに!