スケッチブック 〜full color's〜第3話感想「青の心配」
空さんの弟の青君から見た空さんの印象は「あぶなっかしい」。
そんな空さんが学校で上手くやっていけるのか心配だったのですが、高校の友達はみんな空さんがどんな子か、自分と同じようによく分かってくれてて、バランスのとれた友達二人を中心にみんながうまくフォローしてくれたりして、しかもみんなが我が道を行く「似たもの同士」って事で青君一安心。という話でした。
「空・夏美・葉月の3人組」、そして「美術部という空間」を客観的に見た時に、空さんはそこでどんな位置にいるのだろう?という疑問が、青君の視点を通して答えが描かれていくのがすごく素敵でした。
スコアブック~小箱とたん作品集~ (BLADE COMICS)
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本編感想
一人用のゲームなのに2Pコントローラーでカチャカチャ。食事を作ってくれると期待したら出てきたのはお茶だったり、万能ねぎであらぬ妄想をしたり。かまぼこを切らせたら一本丸ごと切ったりと、マイペースな姉・空さんを反面教師として青君はなし崩し的にしっかりした少年に育ってしまったのでした。
「ったく姉ちゃんは・・・。あんな調子でよく他人とやっていけるなぁ。
姉ちゃんの友達って、どんなだろう・・・。」
兄弟姉妹がいる人は分かると思いますが、いつも家で顔を合わせている兄弟姉妹がどういう交友関係を持っているかというのは中々分からないワケです。電話の内容や、家に連れてきたりと、断片的には分かるんですが、輪の中にいる状態は中々想像出来ないのです。
そんな天然ボケの空さんの友達は元気キャラとしっかりキャラ。
「いえ、色々納得しました。」
なるほど、よくバランスが取れているのです。
これなら確かに空さんでも辛うじて社会生活を営めそうです。
さて、今日は夏祭り。会場に近い空さんのうちで浴衣に着替えて祭りに繰り出すのです。
・・・というワケで着替えシーンです。
「浴衣と言えばさぁ、一度はやりたいのがあるやんね。頼んだ、空!」
(コクリコクリ)
あーれー。
このアニメにはお色気は全く期待していないので別にいいんですが、夏海さんのノリを空さんはきちんと理解していたり、そんなダブルボケ二人の手綱を取る葉月さん。3人は実にバランスが取れているのを描写。
そして、普段見知っている筈の空さんの浴衣を着た艶姿に思わずくらりとする青君。
空さんの知らない別の一面を垣間見て、
「やっぱり外では姉ちゃんも家とは違うのかなぁ?」
なんて疑問を抱いたりするのです。
「素麺、素麺、出そう。」
しかし、やっぱり空さんは空さん。帯を締めすぎて昼間の素麺が逆流しかけたりと、折角の大人の雰囲気が台無し。
で、青君としては聞いてみるワケです。
「あの、姉ちゃんて学校でもあんな感じなんですか?」
「あんな感じって?」
「あんな感じ」と言われてもうまく説明出来ない。自分にとっての空さんのイメージと、空さんにとっての友達のイメージは違うかも知れない。
でも、実は同じだった。
「お前の姉ちゃん迷子?」
「探そうか?」
空さんの事を知らない青君の友達二人の反応に対して、空さんの事を知っている3人の反応は・・・
「空なら心配要らんよ。」
「梶原さんなら心配要らないわ。」
「姉ちゃんなら心配要らないよ。」
心 配 要 ら な い
何故かと言われると言葉に詰まるんだけど、よく分からないけど空さんはそんな人なのです。これは空さんをよく知っているから出る言葉。これは、先程一致を確認出来なかった、青君、夏海さん、葉月さんの持っている「空さんのイメージ」が一致したという描写ですよ。
「あれ?もしかして姉ちゃんはホントに外でもあんななのかなぁ?」
という答えが導かれてきます。でも、今ひとつ「輪の中にいる空さんの姿」が想像出来ない青君の疑問が解消される瞬間はすぐにやってきました。
いつもの美術部の我が道を行く人が3人四人と集まって、擬似的に美術部の空間が再現されていくワケです。そう、青君が見てみたかった、「輪の中にいる空さんの姿」です。
「花火描くつもりか?」
普通に考えて花火を描こうとするのは無茶です。特に空さんは美術に関しては素人同然。どう考えても無理です。でも、美術部の先輩、木陰さんがナイスフォロー。
「あら、前もって予測しておけばいいのよ。」(空閑木陰)
曰く、上がっていく時の色でどんな花火か分かるそうです。おお、これは私も知らなかったよ。
と言うわけで、何となく花火が描き易くなった空さん。マイペースな空さんの周りには、やっぱりマイペースな人たちが沢山いて、みんなで楽しくやっている「輪の中にいる空さんの姿」を目にして思うのです。
「どこにいてもあんま変んないんだな、姉ちゃんは。」
空さんは、どこにいても空さんなのでした。
次回予告
スケッチブック 〜full color's〜第4話「三人だけのスケッチ大会」
今回、「空・夏海・葉月のトリオ」と、「美術部」といういつもの面々という、「横の関係」の重なりを描いたと思ったら来週はちょっと変則的に空さん、栗原さん、春日野先生という、直接の接点が無かった3人。「後輩」、「先輩」、「先生」という、「縦の関係」のお話。
演出が凝ってるなぁ。
原作コミックス
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スケッチブック 2007カレンダー(卓上) (2007コミックブレイドカレンダーコレクション)
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