スケッチブック 〜full color's〜第4話感想「三人だけのスケッチ大会」
「同じ景色でも、そこに見えるモノは人それぞれなのだ。」
「同じ景色」は、そのまんま「珍しい綺麗な景色」としての意味は勿論、「他人の意外な一面」、「他人の面白い視点・価値観」のメタファーになっていて、それらは山の上・曇り空というような、「いつもと違う舞台」に変わったからそれらが見れたワケなんです。
たとえば、栗原先輩や春日野先生について知らなかった事は「他人の意外な一面」ですし、栗原先輩の野山に関する知識や、春日野先生の意外と鋭い所、そして雨が降りそうなのに出かけたりする空さん自身が「他人の面白い視点・価値観」なワケです。
「雨の日の山は、いつもとはまた違った顔を見せる。
その中には、ただ遠くから見たり、そばを通り過ぎるだけでは見えない顔もある。
栗原さんはそれを見に今日ここへ来たんだろう。」
そしてそれはすごく面白い。でも、景色も、人も、よく注意して見ていないと、何が違うのか、何が綺麗なのか、何がすごいのかは分からない。
「栗原先輩に見えるものが、私にも見えた、気がした。」
だからみんなで色んなトコに行って、色んなコトを話そう。色んなモノを一緒に見て、色んな事をしよう。
スコアブック~小箱とたん作品集~ (BLADE COMICS)
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逆からのアプローチ
「人それぞれ」だから違う一方で、意外と「同じものを見てる」という事はあるワケですよ。変な経験を他人と共有していたりすると、すごく楽しいんですよ。「うんうん、それあるある。」みたいな感じで。
本編の「へえ。そうなんだ」のアプローチとは逆のアプローチなんですよね。
「分かってもらえるかどうか不安で、人に聞けない事ってあるよね。」
「例えば?」
「あのね・・・、サンドイッチを食べるとパンが口の中の上あたりに張り付かない!?」
「張り付く!!」
「あと・・・私達美術部員だよね!?」
「美術部員だ!」
二人とも美術部員なのに置いてかれたのね。
別の視点がある。価値観は一つじゃない。
「今日は天気が悪い。誰かがそう言ってました。」
「天気が悪い。天気が悪いって、カタツムリやカエルの気持ちを考えた事があるのかー。」
ケロケロケロケロ
捉え方は一つじゃない。いつも何かに別の視点があるって事。たとえ雨が降っても楽しめる栗原先輩や、年中日常を冒険してる空さんみたいに、「雨」という憂鬱なものを、楽しいモノに変えてしまう人がいる。夏海さんと葉月さんは最初それを意識出来なかったんですが、ラストのラストの夕日と虹の綺麗な景色がその「人それぞれ」の面白さのメタファーになっていて、山に行った3人だけじゃなく、山が気に掛かっていた夏海さんと葉月さんも、「雨の日のお出かけも楽しそうだな」、と「人それぞれ」(世界の捉え方)に気付くワケですよ。
「山の上からだったら、もっとよく見えたのかしら。
次は、あたしらも行こ。」
「うん。」
みんな「人それぞれ」、見方は違う。五人五様+一匹。
「けっこう大きいわね。」
「七色ゼリーみたいやね。」
「綺麗ね。」
「あんた達に付き合ったげてちょっと良かったかも。」
「あの虹は私のスターティングゲートよ!」
「ニシキキンカメムシみたい。」
「ワンワンワン!(元気になった)」(犬)
「あの虹、私には空に続いていく大きな橋の様に見えた。」
つまり、
「同じ景色でも、そこに見えるモノは人それぞれなのだ。」
だから楽しいのです。
意外な一面
いつも学校で会う人達と、休日に、学校じゃないどこか別の場所に行ってみると、別の一面が見えてくる。それは誰かの「違う見方」の発見。
栗原先輩
「栗原先輩がこんなに体が柔らかいの、初めて知った。」
「栗原先輩がとてもいい顔をしてる。」
「しかも、いつにないノリだ。」
先生
ニワトリ大好き。
焼き鳥も大好き。
暴走しそうなのに安全運転。
「好きなのよ。」
「炭火焼きも好きななの〜。」
ピーちゃん、食べられそうだけど元気出して!福岡にはメンチがいます!彼女も非常食扱いですから、二匹で耐え難きを耐えるんだ!(バカ)
夏海さん&葉月さん
夏海さんは犬を飼ってる。
「面白いわね、麻生さんちの犬。」
葉月さんは貧乏性、沢山籠に入れたのに、買ったのは結局コンソメだけ。
「葉月、砂糖ちかっぱ入れすぎ。」
「あ、いっぱい入れた方が栄養取れるかなぁって。」
仲のいい友達だけど知らない事があります。
二人とも、学校で会った時とは違う顔を見せていて、山に行った3人とは別に、山が気になる2人も「山」に引っ張られて「人それぞれ」を体験していく。
他の人の視点
誰かと一緒に同じ時間を過ごしてみる。そうすると、同じモノを見ているのに「違う見方」をしてる事に気付く。
思いの他深くって、へえ、そんな見方があるんだぁ、という感動。
栗原先輩はすごい人。
水を得た魚。栗原先輩は、野山について本当に詳しかったのです。
「私にはただの穴に見えた。」
「栗原先輩はこれを書くんだろうか。・・・違ったようだ。」
「栗原先輩に見えているものと、私に見えてるもの。
同じものを見てても、見えるものは違う。」
「私の目にはやっぱり鳥が低く飛んでいるように見えた。」
春日野先生は意外と(動物的に)鋭い人。
「乾きモノって気分じゃないのよね〜。」
カエルでもないのに、雨が降る予感があるなんて、先生本能が鋭い。
「何か、こんなのって見たなぁ。」
また、雨が止んだ綺麗な夕焼けの予感に車から出た先生。またも本能が鋭いのです。
そしてモノクロがフルカラーズへ。
虹は夏海さんも葉月さんも共有できて、「人それぞれ」に気付いたけど、このフルカラーズな景色は、冒険に山に出かけた3人だけのものなんですよ。
先生得したね。
空さん自身の視点
そして、主人公の空さんから、「人それぞれ」に気付くワケなんですが、視聴者側からすると、空さん自身が「へえ、そうなんだ。」と「うんうん、それあるある。」の窓口。 栗原先輩に感心しきりな空さんでしたが、そんな事気付ける空さんもやっぱりすごい。私も感心しきりです。
「あいにくの天気で、誰も来ないかも知れないけど。
でも、まだ雨は降っていない。」
「中々きっぱり引けない線と、中々きっぱり振らない空が、何となく似ている気がして、悪くない。」
「これは、どこかで見たことのある景色。
懐かしいような、でもどこで見たのかは分からない景色。」
次回予告
スケッチブック 〜full color's〜第5話「ねこねこの日」
公式ページに行ったら、猫が5匹も紹介されててウケた。猫が主人公でもないのに、こんなに優遇されてるのも珍しいです。(笑)
原作コミックス
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おまけ
今更ですが、空さん&夏海さん&葉月さんのトリオが信号機トリオな事に気付きました。(遅い)