スケッチブック 〜full color's〜第5話「ねこねこの日」

 今回は「猫はやっぱり猫」という話。

 終始「猫らしさ」を追求していくミケさんの視点で語られるんですが、「人間に合わせる」ハーさんは人間に媚びてるみたいで「猫としての誇り」に欠けるような気がするし、「誰かに飼われたい」クマさんは「猫を超越した誇り」に溢れているのに、人間に飼われて束縛されようとしているし、今現在人間に飼われているグレや、「三丁目のミケさん」も人に飼われたりと、「猫はやっぱり自由なのが一番なんじゃないかなぁ」というミケさんにとっては理解しがたい状況が続くワケなのです。
 それでもおそらく誰にも飼われた事がなくて切実なクマさんの為に一肌脱いではみたものの、「これで良かったんかねぇ・・・」と疑問に思うのですが、そこに今さっき首輪を捨てて飼い猫を辞めたグレがやってきて(グレさんは「何考えてるのかよく分からなくて、気まぐれでみんなを煙に巻く」という点で猫にとっての猫という面白い構成になっています)、なんだ、やっぱり「猫はやっぱり猫で、猫それぞれに自由の形があるんだ」というお話かなぁ。

スコアブック~小箱とたん作品集~ (BLADE COMICS)

スコアブック~小箱とたん作品集~ (BLADE COMICS)

本編感想

「猫の世界には、邪魔しちゃいけない時もあるのだ。」

 冒頭の空さんのこの宣言で、猫に画面を預けて本編開始。

ミケさん

 クマさんにただならぬ気配を感じても立ち向かいますが、クマさんの実力、思考に傾倒して、クマさんを手伝う事に。
 冒頭の路地裏を抜けて一伸びの描写が表すように、ミケさんは自由を愛する猫なので、「飼い猫」になる事に違和感を感じているみたいです。

「飼い猫って、そんなにいいものかなぁ。」

ハーさん

「そーいやハーさん、いつから語尾に『にゃー』って付けるようになったと?」
「つい最近にゃ。これで餌を貰える確率三割増しにゃんよ。」
「あんた、猫としての誇りを失っとおばい。」

 人間に合わせて自分を変える事に躊躇がなくて、「自由度」がミケさんより低い感じですが、ハーさんもハーさんなりに自由に生きてるのです。

クマさん

 スケッチブックでこんなに笑えるとは思って無かったのでビビりましたよ。
 中田譲治さんはやっぱりすごい人。

 キャー!ジョージィ!!

「なかなかそこが分かる人間というのはいないようだ。」

 この容姿の為に飼われる事が無かったと思われるクマさんなので、運命の飼い主を捜している感じ。

「やはり首輪というものはサイズを合わせねばダメだ。
我が輩の為に飼い主が選んでくれたものでないと。」

 冒頭で飼い猫を眺めていたように、「誰かにとっての特別な猫」になりたいのがクマさん。クマさんも普通に幸せが欲しいだけなんですよ。

グレさん

「にゃー。」

 今回も全く話をしないグレさんは「何考えてるのかよく分からなくて、気まぐれでみんなを煙に巻く」という点で、「猫にとっての猫」の象徴なのですが、そのグレさんがまたよく分からないうちに飼い猫を辞めちゃったように、今回の話の締め、色んな考えを猫がいるんですが、やっぱり猫は猫で、「自分の好きなように生きる」というミケさんの愛する「自由」を、「猫それぞれ」が体現している事を表しているのだと思います。

次回予告

 スケッチブック 〜full color's〜第6話「夏の思ひ出」

原作コミックス

スケッチブック 1 (BLADE COMICS)

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スケッチブック 2 (BLADE COMICS)

スケッチブック 2 (BLADE COMICS)

スケッチブック 3 (BLADE COMICS)

スケッチブック 3 (BLADE COMICS)

スケッチブック(4) (BLADE COMICS)

スケッチブック(4) (BLADE COMICS)

スケッチブック 出張版 (BLADE COMICS)

スケッチブック 出張版 (BLADE COMICS)

おまけ

 空さん、猫にイカを食べさせるとお腹を壊しちゃうので上げてはいけません。タマネギもダメですよ?