BLUE DROP〜天使達の戯曲〜第5話感想「Garden verbena」

 貴方は、家族に笑ってみせる事が出来ますか?たとえ相手が笑ってくれなくても、たとえ自分がどんな状況にあっても、愛する人に愛情を注ぎ続ける事ができますか?

 貴方は、仲間達と一緒に笑えていますか?たとえ自分の事を理解されなくても、たとえ自分がどんなに傷ついても、仲間達の笑顔の為に自分の死すらも怖れず人知れず立ち向かうことができますか?

 今回は朱音姐さんと学園長の会話を交わすまでの「家族」をテーマにした話と、千光寺さんが「日常」の為に戦う覚悟を決めた「仲間」をテーマとした話でした。

 いや、もうね、千光寺さんが恰好良すぎて、涙が出そうになりました。(これホントよ)

 スタッフのみなさんありがとう。ホントにすごいよ「BLUE DROP」。

 この作品をつまらないとか言う人は、かなり損をしていると思います。(断言)

BLUE/蕾-blue dreams-

BLUE/蕾-blue dreams-

花言葉

 今回のサブタイトルの読みは「家族の絆」
 花言葉そのまんまでしたー!うわー、「二面性の象徴」とか「裏を読む」とか全部外れたー。ごめんなさいっ!

・・・と言うと思ったでしょ?

 ありえない!不可能だ!インポッシブル!バカゆってんじゃないぞっ!(バカ)

 Sunithaはそんなに性格良くないので、張っていられる限り意地を張ってみせます。
 朱音姐さんが迷子猫に餌をあげていた時にバーベナに焦点が映るんですが、右と左で品種が違うので、今回も二面性の象徴だと思って悪あがきレッツスタート。
 夕日で照らされているので良く判別は付きませんが、左側のバーベナは花びらの色が中心から周辺に行くに従って薄くなっているのに、右側のバーベナは中心部分が黄緑色っぽい色になっているので、このバーベナは色別の花言葉を表しているのだと思います。
 今回の話を振り返ると、朱音姐さんと学園長の家族関係を描いているのでピンク花の花言葉、「家族の絆」。一方、朱音姐さんを後押しする為にみんなで後押ししたので赤花の「一致団結」、自分の立場が危うくなっていく事をみんなに隠して、みんなとの時間を守る為に一人戦おうとする千光寺さんは同じく赤花の「悪に対抗して団結せよ」かな? 注目したいポイントが、朱音姐さんのパートはみんなが知っているんだけど、千光寺さんのパートは、千光寺さんとツバエルさんしか知らないワケですよ。なので、今回の話の構造は、

表パート(みんな知ってる) 朱音姐さん 家族の絆 ピンク花の花言葉は「家族の絆」
裏パート(みんなには秘密) 千光寺さん 仲間の絆 赤花の花言葉は「一致団結」

となっているので、「裏の意味」で「一致団結」をとってもそんなにおかしくはないでしょ?(弱気)
 元々バーベナは一つの茎に沢山の花が咲くので、それが「家族」とか「仲間」を連想させるそうです。理屈をこねてみても、今回のテーマが「家族」と「仲間」だという事は揺るがないと思います。
 まあ、花言葉なんて、色々あるので、ノスト○ダムスの何とかと同じくらい胡散臭い解釈なのは分かってるけど、強ち間違ってもいないと思うので頑張ってみました。

朱音姐さん(表パート)

 朱音姐さんのパートでは、学園長と言葉を交わすまでのたった一歩、でも長い、大きな一歩のお話。

 朱音姐さんは両親が離婚する前はお父さんが好きでした。その頃の写真は学園長の机の上にも飾ってあって、まだ「謎の棒(=スレた性格の象徴)」は銜えてなくて、すごくいい笑顔なんですよ。
 でも、両親が離婚して新しい父親とは上手くいかなかった。それは、お父さんの事が好きだったから、他の父親なんて考えられなかったから。

「母親に引き取られたあたしは、新しい父親ってのにどうしても馴染めなくってね。」

 そして入学した海凰学園でお父さんに再会したものの、その頃は朱音姐さんのトレードマークの「謎の棒(=スレた性格の象徴)」を銜えたスレた性格になってしまっていたのです。きっと新しい父親と上手く行かなくて色々辛い目にもあったのだと思います。その所為で、こんな事になった原因をお父さんに被せてしまったんです。

「理由がなんであれ、あいつの御陰でしなくてもいい苦労をしたんだからね。もめ事を起こしちゃ呼び出しを食って、だけどいつだって、二人で黙ってコーヒー飲んで、新聞を読んで。それだけで十分だったんだよ。」

 でも、この朱音姐さんのこの言葉から分かるように、この二人だけの親子の時間が大好きだったのが伝わってくるんですよ。ああっ、もう可愛いなっ!
 でも朱音姐さんはお父さんには素直になれなくて、学園長が「よう!」と呼びかけても、頬を染めるだけで返事は出来なかったんですよ。
 それが、学園長が倒れてみると、お父さんがいない学園長室の前で佇んだりと、実に可愛い反応を見せてくれます。
 それでも一歩が踏み出せない朱音姐さんを若竹さんが一喝。

「朱音ちゃん、お見舞い、行かなくちゃダメだよ。」
「ちゃんと向き合って、話をしなくちゃダメだと思う!」
「学園長はずっと待ってるの!朱音ちゃんだって分かってるんでしょ!
「たとえどんな形だろうと、家族じゃない。甘えるんならちゃんと甘えてあげなくちゃ、学園長が可愛そうだ!」

 若竹さん恰好良い!いつからこんな主人公みたいなセリフを仰るようになったのですか!(ドクロ)
 若竹さんは他人の事には鋭い娘。その何割かを自分にも向けてくれたら・・・・・・。いや、やっぱりそれじゃつまらないのでこのままでいいです。

 そしてトドメが、朱音姐さんが拾った猫が母親の下に帰る光景。そこに映った花は「家族の絆」、ピンクのバーベナ。ああ、もう色々完璧過ぎ。

 その後、若竹さん達「仲間」の手助けで、お父さんの病室に辿り着けた朱音姐さん。

「よう。」(学園長)
「・・・よう。」(朱音姐さん)

 今まで言えなかった「よう」が返せて一歩前進した朱音姐さん。朝まで帰らなかったという事は、それまでずっとお父さんと話しをしていたんでしょう。「無言で一緒にいる」より、「二人で話しながら今までの時間を埋める」方がいいに決まっているのです。
 そんな朱音姐さんを見てもうお腹一杯。
 でも、そこは「BLUE DROP」。まだまだ終わりません。千光寺さんの「仲間」がテーマの裏パートが残っているのです。

千光寺さん(裏パート)

「当番が嫌なら、食事抜きですよ。」

 ラストの千光寺さんの笑顔に思わず泣きそうになりました。
 考えられますか?同胞から攻撃され、たった一人の副官ツバエルさんを傍らに、「若竹さん」を、「みんなとの日常」を守る為に人知れず戦っているのに、それでも仲間に対して笑顔を向けられますか?
 千光寺さん、恰好良すぎるよ・・・。


 シバリエルさんから暗に宣戦布告を受けた千光寺さんは浮かない顔。

「よく、分からないわ・・・。」

 けれど実際に味方から攻撃を受けた時点で選択を迫られます。若竹さんを見捨てて軍に戻るか、若竹さんを守る為に味方を裏切るか?答えは決まっています。

「分かりました。次に攻撃を受けた時は、私が直接指揮を執ります。」

 そんな自分が理解できない千光寺さんですが、朱音姐さんの一件で若竹さんの言葉ではっとさせられます。

「分からない?朱音ちゃんが一番大切なものに向き合おうとしてるの、分からない?」
「それを手伝ってあげたいと思うの、分からないの?
貴方にだって、一つぐらいは大切にしているものあるでしょ!」

 まあ、「大切なもの」は若竹さん自身とその周囲の仲間達で、その事に気付いていない若竹さんは罪作りだなぁなんて思うんですが、この若竹さんの言葉で、千光寺さんは「若竹さん」を、「仲間」を、「日常」を守りたいという自分の心を自覚し、それらの為に闘いに赴き、見事勝利を収めるのです。でも、この闘いの勝利には名誉も賞賛も無い。誰かを守る為に誰かの憎しみを、更なる悲しみを呼び寄せ、そして自分自身を追いつめていく道。それでも守る事のできた「日常」をかみしめて千光寺さんは優しく笑ってみせるのです。

「当番が嫌なら、食事抜きですよ。」

 千光寺さんがこんなに優しい笑顔を見せたのは、先回若竹さんを助けられた時以来。あの時は若竹さんだけに向けられた笑顔だったけど、今回は寮のみんなに向けられた笑顔。寮のみんなの呆とした顔を見ましたか?千光寺さんがこんなに優しく笑う事なんて、今まで一度も無かったのですよ。
 千光寺さんも一歩ずつ進んでいく。たとえその先に待っているのが自分自身の破滅だとしても、みんなの笑顔を守る為に戦場に赴くのです。

 やばい、千光寺さん素敵すぎます。

次回予告

 BLUE DROP〜天使達の戯曲〜第6話「Campanula」

 花火大会と空中戦。また花火で誤魔化しながら千光寺さんが戦うのだと思うと胸が熱くなります。

 Campanula(ツリガネソウ)の花言葉は「誠実さ、感謝、後悔、大望、抱負、不変、貞節、思いを告げる、うるさい、感謝の音色、共感」

コミック(直接の原作ではないので注意)

BLUE DROP―吉富昭仁作品集 (電撃コミックス)

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Blue drop 1―天使の僕ら (チャンピオンREDコミックス)

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DVD

BLUE DROP~天使達の戯曲~ Vol.1 [DVD]

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BLUE DROP~天使達の戯曲~ Vol.2 [DVD]

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BLUE DROP~天使達の戯曲~ Vol.3 [DVD]

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おまけ

「いいですか!みなさん!
学園長がお倒れになったのも、一部生徒の起こす問題による心労が原因です!」

 舞山先生がチクチク小言言うから学園長の体が!
 学園長!死んじゃ嫌ー!(バカ)