BLUE DROP〜天使達の戯曲〜第7話感想「Crinum」(穢れ無い心)
今回は、千光寺さんの世界が「若竹さん」だけの世界から、「寮の仲間」、「地球の命」と、「地球の生命」へと広がる話。「赤ちゃん」は「地球の命」のメタファーなのです。
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心配してくれる人
先ず、そもそも千光寺さんには、「自分の命」という秤が無く、「自己犠牲」がその行動原理となっています。
因みに原作コミックでは、「自己犠牲」と「押しつけの自己犠牲」が大きな位置を占めています。
「あ?なんで人間をワクチンに使うかって?
さあなァ 異星人の美的感覚かな
そういう嗜好なんだよ
"特別な存在"ってヤツに弱いのさ」(レジスタンスメンバー)
- 作者: 吉富昭仁
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「ねえ、ちょっと!返事してよ!萩乃ー!」
「そんなの、そんなのヤだよ!」
「バカ、どうしたかと思ったじゃないよ!もう!知らない!」
「言っとくけど、別に、あなたを心配してたんじゃないんだからね!」
「何笑ってんのよ、さっさと入ってくれば!」
でも、自分を心配して泣いてしまった若竹さんを見て、千光寺さんにとって若竹さんが大事な存在であるように、若竹さんにとっても千光寺さんが大切な存在になっていることを、そしてツバエルさんがなぜ千光寺さんを艦に近づけたくないかのように振る舞っていたワケを知るのです。
「お呼びでしょうか、コマンダー。」
「ありがとう。」
ツバエルさんの思いやりに気付いた千光寺さんから、千光寺さんが苦労して手に入れた宝物、貝殻をプレゼントされたツバエルさんがすごく嬉しそうで、とっても可愛いのです。
「もしもし、コマンダーエカリル?
なーんて、うはっ、無い!無い!」
いつも報われないポジションのツバエルさんがほんの少し報われていて、私も凄く嬉しかったです。
まぁ、また来週からは報われないキャラになるのは分かってるし、今回も些細な事に喜び過ぎて、可愛そうな位なのですが、ツバエルさんが幸せそうでとても良かったです。
ノリちゃん=地球人
寮長の実家で出会った寮長の姪っ子に、若竹さん一同は興味津々。
「何考えてんだろ?」
「さぁ?」
「どこ見てんのか、よく分かんねぇな。」
けど、千光寺さんは更に辛辣な反応を示します。
「まるで、未知の生物ね。」
「赤ん坊」は、「地球人」のメタファーとして機能しています。
つまり、「赤ん坊(=地球人)」は「未知の生物への不審」だったのが、「自分の命を心配してくれる人がいる」事に気付いて、「命」を強く意識した後では、「生命への畏敬」に変わります。
例えばアザナエルさんなんかは地球人を「猿」と呼んでいたり、ツバエルさんも「低レベルなフォリュメ」と言っていたりと、アルメの多くは軽蔑の対象なんですが、フォリュメと接して自分を見つめ直した千光寺さんには、そうではないんですよ。
「出来たてが、いいと思ったんだけど。違うの?」
「ホント、すごい勢い。」
「すごい、あっという間に全部飲んじゃった。」
これは、初めは「若竹さんだけ」を守る為に反逆した千光寺さんが、「寮の仲間」、「地球の命」と、「地球の生命を守りたい」という気持ちに変わっていく過程なのだと思います。
「眠ってると可愛いんだけどね。」
今週の花言葉
「Crinum」の花言葉は「あなたを信じます・汚れがない・清廉・どこか遠くへ」(from 花言葉・Floword)
コミック(直接の原作ではないので注意)
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おまけ
千光寺さんが若竹さんを「マリさん」と呼び、若竹さんが千光寺さんを「萩乃」と呼んだ所が今週は一番好きなシーンでした。