BLUE DROP〜天使達の戯曲〜第9話感想&備忘録「Lagenaria siceraria」(夜の思い出)

 今回は、アザナエルさんの優しさと憎悪、そして、ミッチーの戯曲によってこの作品の着地点が描かれてました。

DVD特典は「BLUE DROP 〜舞い降りた天使〜#2」

BLUE DROP~天使達の戯曲~ Vol.1 [DVD]

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アザナエルさん

 アザナエルさんは本来とても優しい人なんだと思います。
 とても優しい人だから、笑うことが出来ないでいた千光寺さんが、若竹さんとの出会いで笑う事が出来るようになった事を知って神妙になったりしますし、オノミルさんを今でも想っていてその想いの遣る先が分からず苦しんでいるんだと思います。

「あのフォリメを助けた。
オノミルを見殺しにして・・・。」

 それが今回、「千光寺さんが若竹さんを救い、オノミルさんを救えなかった事」を知り、「オノミルを見殺しにして・・・」と、千光寺さんへの憎悪を再燃させる事になるのですが、アザナエルさんの優しい所は今回きちんと描写されていましたから、「事故の原因=シバリエルさんの策略」という事になれば、頼れる仲間になるという事じゃないかなと思います。
 「オノミルさんの形見のペンダント」に、オノミルさんのダイイングメッセージとかが入ってそうですし、ミッチーの戯曲にあったように、千光寺さんと外界を繋げるのが若竹さんの役割なので、若竹さんがまたも七転八倒の活躍を見せてくれると思います。

ミッチーの戯曲

 「ミッチーの戯曲」は、「BLUE DROP〜天使達の戯曲〜」という作品と同義です。
 これは、主人公に「若竹さん」と「千光寺さん」が配されている事、話の流れが、「二人の出会い」、「若竹さんと千光寺さんとの交流」、「千光寺さんが『侵略者(=異端)』であるという誤解の露見」と、これから予測される展開が織り込まれている事からも分かります。

〜二人の出会い〜

「ごく普通の少女が炎で焼かれる夢から醒めて、気が付くと暗い檻の中にいて。
そこはかつて人々から『聖なる少女』と崇められたものの、異端の烙印を押され、囚人となったジャンヌ・ダルクが捕らえられている中世の牢獄だったんです。
  不意に眼前に現れた少女を牢内のジャンヌは『悪魔の使い』と罵ります。
いきなり悪魔呼ばわりされた少女は、反発して狭い牢の中で少女とジャンヌは険悪な雰囲気になってしまいます。」

〜千光寺さんの過去〜

「既にジャンヌの処刑を明朝に控えた牢獄に様々な人々が訪れます。
親切な牢番の女将。
ジャンヌを熱狂的に指示していた見習い修道女。
ジャンヌと共に戦った騎士。」

 それは寮長や朱音姐さん、親衛隊の3人の事。寮長が何気なく味方っぽい所に希望が見えます。

〜若竹さんと千光寺さんの交流〜

「少女は訪れた人達に必死に助けを求めます。
けれど、人々の目には少女の姿がジャンヌとして映っているのです。
少女の目には見えている、牢内の本当のジャンヌの姿や声は、訪れた人々には分からないんです。」

 「本当のジャンヌの姿は他人に見えない」というのは、「優等生の仮面を被った千光寺さん」であり、「ただの『侵略者』」という一面的な秘密が露見した事の象徴で、千光寺さんが今まで必死に「若竹さん」を、「みんなの日常」を守る為に戦って来た事を知らずに、石以て迫害する事を意味しています。

〜千光寺さんの救済〜

少女をジャンヌと思いこんだ人々と接し、傍らのジャンヌの話を聞く内に、少女はジャンヌの孤独な胸の内を理解していきます。
それまでジャンヌは、自分の心の中を人にさらけ出す事が出来ずにいて、辛い事も苦しい事も悲しい事も、全て自分一人で抱え込んでいたんです。
「屈託の無い少女と接するうちにジャンヌは徐々に心を開いていきます。
全てに絶望し、諦めていたジャンヌは、いつしか、自分の命に替えてでも大切にしたいものを再び見付けます。
誰でも希望を持つことができる。
諦めずに信じ続けることが、きっと何かを変えていく。
未来を恐れず、希望を捨てない事によって―――」

 これが結末。でも本当の意味で「書き上がってはいない」のです。さて、「BLUE DROP〜天使達の戯曲〜」はどんな結末を迎えるでしょうか、来週を楽しみに待っていたいと思います。

 あと、クラスで初めて認められたミッチーが本当に嬉しそうで良かったです。
 この作品が本当に「希望」で締めくくられるかはまだ分かりませんが、千光寺さんに、若竹さんに、そしてこの作品に救いがありますように。

今週の花言葉

 瓢箪(Lagenaria siceraria)の花言葉は「夢・広い・ふくらみ・手におえないほどの重さ」(from 花言葉・Floword)

<追記:2007/12/10>
 瓢箪(Lagenaria siceraria)が出現したタイミングを考えると、サブタイトル「夜の思い出」と、花言葉の「夢」や「手におえないほどの重さ」という二人の夢みたいな時間を象徴しているんだと思います。
 花言葉について書くの忘れてました。すみません。これだけがこの感想唯一のネタだというのに。
</追記>

次回予告

 BLUE DROP〜天使達の戯曲〜第10話「Cirsium」

 アザミ(Cirsium)の花言葉は「権威・峻厳・厳格・人間嫌い・触れないで・独立・満足・安心・報復・復讐・批評家」(from Floword)

コミック(直接の原作ではないので注意)

BLUE DROP―吉富昭仁作品集 (電撃コミックス)

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Blue drop 1―天使の僕ら (チャンピオンREDコミックス)

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DVD

BLUE DROP~天使達の戯曲~ Vol.2 [DVD]

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BLUE DROP~天使達の戯曲~ Vol.3 [DVD]

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おまけ

「浮かれたコマンダーに、覗き趣味のガンナーか。この船の規律はどうなっている!」
 何をおっしゃるアザナエルさん、最高の規律じゃないですか♪(バカ)