BLUE DROP〜天使達の戯曲〜第10話感想&備忘録「Cirsium(復讐)」

 今話は千光寺さんの日常の崩壊と再獲得の第一段階と、第二段階への伏線の本格的な敷設。
 ミッチーが書いた「オルレアンの少女」をなぞるように、若竹さんが「堕ちた天使」千光寺さん(=ジャンヌ・ダルク)への敵意から。千光寺さんが一番大事にしている若竹さんに、アザナエルさんから秘密を暴露される形で崩壊します。
 次は「白い血液」。人間ではないという事を象徴的に表すこの「白い血液」が、第二段階である「周囲に侵略者の一員(=異端者)として捉えられる(=捕らえられる)」時のガジェットとして働きそうです。
 先生も千光寺さんを疑ってますし、千光寺さんの正体がバレるのはそう先の事ではない・・・まぁ、一クール作品なので、ホントにそう遠くない時期に暴露されるんですけど。今回も、「二人の楽しい時間」の後に「崩壊」が起きたので、学園祭という「みんなとの楽しい時間」の後に「崩壊」が起きるというのは分かってはいるんですけど。

DVD特典は「BLUE DROP 〜舞い降りた天使〜#2」

BLUE DROP~天使達の戯曲~ Vol.2 [DVD]

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千光寺さん

 いくら自分で秘密を告白するつもりだったとはいえ、他人から秘密を暴露されるのとでは、告白しようとしていた相手へのダメージは全然違ってきます。他人から暴露されると、「信じていた相手に裏切られた」、「秘密にしていた」、「騙していた」と、最終的には「全て嘘だった」と、希望が絶望に変わってしまいます。

 千光寺さんが流した血をマリさんが舐めて、しかも「左手の薬指」に絆創膏を貼ったり、2人でBLUEのデッキから眺めた綺麗な景色も、全て音を立てて崩れてしまう。

「絆創膏、貼らなきゃね。」

アザナエルさん

 サブタイトルにあったように、アザナエルさんが千光寺さんへの「復讐」が表面的には全面に出されているようにも見えるんですが、私は逆にアザナエルさんはすごく優しい人だという印象を受けました。
 一つ目は、敵の筈の千光寺さん、ツバエルさんだけでなく、果てはあれだけ忌み嫌っていたフォリメである若竹さんを、対等の存在として見ている所。普通は、「猿」と忌み嫌っている存在に、オノミルさんとの思い出の品を触られたら怒ると思うんです。
 二つ目は、最初はただ殺そうとしていたのに、殺さずに精神的に痛めつける事に留めているんですね。これは、先回千光寺さんの内面を知った事で、オノミルさんを見殺しにされた「憎悪」と同時に、千光寺さんへの「共感」も生まれたからだと思います。それはアザナエルさんの優しさであり、若竹さんと千光寺さんの仲が修復される余地が残っている点で、アザナエルさんはまだ、作中での本当の意味での敵に回っていないことを意味していると思います。それが意味するのが、シバリエルさんに騙されていた事に気付いて死ぬか、オノミルさんの本心を知って憑き物が落ちる事になるかは分かりませんが、私はアザナエルさんは優しい人なんだと信じたいと思います。

「それだけでは無い。
罪も無いフォリメを大量に虐殺した。」

 あと、あのペンダントはオノミルさんのじゃなかったんですね、これは私のミスリード

今週の花言葉

 アザミ(Cirsium)の花言葉は「権威・峻厳・厳格・人間嫌い・触れないで・独立・満足・安心・報復・復讐・批評家」(from Floword)

 今回のサブタイトルは「復讐」ですが、アザミが画面に出てきたタイミング(学園祭の準備の楽しい時間)を考えると、アザナエルさんの「復讐」というよりは、「独立」とか「満足」、「安心」といった意味の方がしっくり来ます。

次回予告

 BLUE DROP〜天使達の戯曲〜第11話「Thoroughwort」

 Thoroughwort(フジバカマ)の花言葉は「あの日のことを思い出す・ためらい・躊躇・遅延」(from Floword)

コミック(直接の原作ではないので注意)

BLUE DROP―吉富昭仁作品集 (電撃コミックス)

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Blue drop 1―天使の僕ら (チャンピオンREDコミックス)

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DVD

BLUE DROP~天使達の戯曲~ Vol.1 [DVD]

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BLUE DROP~天使達の戯曲~ Vol.3 [DVD]

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