機動戦士ガンダムOO第12話感想&備忘録「教義の果てに」
今回は先回提示された「全知全能」のうちの「全能」の否定の続きとも言える話ですが、救いが無くて酒を飲まざるを得なかったアレルヤ君に対して、刹那君の方は次回「救い」が与えられそうな所がちょっと違って、刹那君の今後を占う話、今回「信念」を砕かれた刹那君&マリナさんが、次回はそれぞれの「信念」を再獲得する話になるのだと思います。
刹那君 | 「あの悲劇」をもう二度と繰り返さない為にソレスタルビーイングに身を投じたのに「あの悲劇」を繰り返してしまった。 |
マリナさん | 国の為にした太陽光発電の導入が(サーシェスさん達の「悪意」の介入はあったにせよ)クーデターとソレスタルビーイングの介入を許してしまった。 |
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刹那・F・セイエイ
「俺は、ガンダムになれない!」
「ガンダムになれない」は「天使or神になれない」という意味の刹那君語。
嘗て自分を救ってくれたガンダムに乗っているから、「全能」の筈であり、「あの悲劇」を繰り返さない力を持っていた筈なのに、それが叶わず、「無力感」にうち拉がれる刹那君。
次回は、刹那君にとっての宿敵「刹那君の過去の清算の対象」であり、「ソレスタルビーイングと対立する国の傭兵」であり、「ソレスタルビーイングと対立する「組織」の構成員」でもあり、とにかく、私怨、建前、大義名分全部ごちゃまぜだろうが何だろうが倒さないといけない、という、「怒りの捌け口」として機能するサーシェスさんがいいタイミングでいらっしゃるので、サーシェスさんを倒さないまでも、ストラトス兄貴と共同して撃退して、刹那君が過去にみた「ガンダム=天使or神」を、今度は刹那君が体現する事になるのかな。
「お前、クルジス人だな?顔見りゃ分かる。
ここはお前がいていい場所じゃない!とっとと出て行け!」
「おじいちゃん?」
その時にはこの祖父と孫がまた出てくると予想。この祖父と孫、祖父が「保守派」、孫が「改革派」にそれぞれ近いと思うんですが、両方助ける事で、和解の可能性を提示させつつ、一つの達成感を刹那君に与えてくれるんじゃないかな。
多分来週の見所は、この「両方助ける」は、今回ストラトス兄貴が「両方撃った」の裏返しとして描かれるか、それとも別の意味を持たされるか、それに注目して観たいと思います。
ちなみに、次回刹那君がクリアしないといけない課題は「ガンダムの性能に頼らない事」。第7話「報われぬ魂」でもサーシェスさんが言ってました。「動きが見える」んだそうです。
「力任せだ。
ガンダムの性能に頼りすぎている。」
マリナ・イスマイール&シーリン・バフティヤール
「やめて!そんな不吉な考え!」
「考えなさい。最悪の事態を回避する為。」
辛い現実に耳を、目を塞ごうとするマリナさんを諭すシーリンさん恰好良い。クーデターを観ても狼狽せず、常に現実を直視して、マリナさんを導こうとするのは、セルゲイさんとソーマお嬢さんにも似て、非常に恰好いいです。
マリナさんは「理想」が強すぎる世間知らずな面があって、それが今回裏目に出てしまったことで狼狽しっぱなしでしたが、最期にシーリンさんに叱咤されて自分の「理想」を思い出した表情になったのが良かったです。
「でも、国民の心に怒りの炎を点してしまった!私のした事が、この国を戦いに導いてしまった!」
「毅然としなさい、マリナ・イスマイール!まだ終わってないわ!まだ!」
シーリンさんは、一見ただマリナさんをいじめているようで、実はその心にはマリナさんと同じ「理想」の実現の炎が燃えている人なんだと改めて実感。
頑張れ、マリンさん。負けるな、シーリンさん。
ルイスさんのお母様
「アザディスタンてどこだったかしら?」
「ああ、確か中東の―――」
「ベタベタしないで!」
感じの悪い印象で登場したルイスさんのお母様。未だに名前が出てこない事や、俄に「いい人」として描写され始めた事を考えると、そろそろ危険です。
くれぐれも外には出ないで下さい。心配には及びません。たった3ヶ月です。
次回予告
機動戦士ガンダムOO第13話「聖者の帰還」
おまけ
刹那君、マリナさんが「アザディスタン王女」だって気付いてなかったのね。なんて知名度の低さ。
というか、ポスターも如何にも幸薄そうな顔で写ってるしで、いいトコ無し。もっと笑って下さい、マリナさん。