ドラゴノーツ -ザ・レゾナンス-第16話感想&備忘録「慟哭 ―引き裂かれた運命―」

 今回は、順風満帆だった筈の「運命」サイドに「死」という名の「強制(=「宿命」側のキーワード)」が襲いかかる話。
 トアさんには「寿命」という「死」が近づき、アキラさんは「殺害」という「死」が与えられ、マキナさんも、「暴走」の先に待っているのは、やはり「死」でしょう。スピリタス先生も、アガシオンも、「暴走」の先にあるのは「死」。なによりも、「運命」サイドのキーワードである「自由意志」を放棄して「暴走」したら、作品的に自分自身の存在理由を剥奪する事を意味するに他なりませんから。

本編感想

「それは逃れられない『運命』。」

 前のギオとウィドーさんとの会話でもそうですが、「運命」と「宿命」を混同して使ってやしないか?「運命」の言い出しっぺのトアさんが自分で「死ぬ『運命』」って言ったら、それは「死ぬ運命も変えられる筈だから否定して欲しい」って考えているようなものみたいな気がします。

 まぁ、それはそれとして、「人間」と「ドラゴン」を区別せずに「自由意志」によってトアを追い続けて「運命」を変えた(…?)ジン君を見て、アキラさんも「どうでもいいこと」だったんだと理解。ジン&トア、ジン&ギオに続く「運命」サイドの意義を言語化してくれました。

「互いに相手を認め合い、信じ合う心が本物なら、ドラゴンとか人間とか、そんなこと、どうでもいいことなんだって。」(アキラ)
「あたしにも一つ分かった事がある。
トア、いつか貴方言ってたわね、『全ては運命』だって。
『宿命は変えることは出来ないけれど、運命なら変えることが出来る。』それを貴方達は証明したじゃない。」(マキナ)
「だから、そんな運命なんてジンと一緒にぶっとばしちゃえよ。」(アキラ)

 その後、アキラさんとマキナさんは「死」で分かたれ、更に「暴走」によって「真のレゾナンス(=絆)」が破壊され「自由意志」を否定する「暴走」を起こしてしまったマキナさん、果たして「死」という不可避の現実は「運命」にしては変えようが無い。やはり「強制」だけあって「宿命」か。「運命」側の力に期待するならその「強制された宿命」を乗り越えて欲しいところですが、GONZOだから、あまり期待はしないでおきます。

「運命を変えるおまじないよ。」(マキナ)

 一方で元気がないトアさんを元気づけ、そして「運命」を変える為に開催された結婚式も、トアさんには指輪を嵌めたものの、トアさんからジン君に指輪を嵌める所でアーシム王子の邪魔が入ります。
 「両親の死」と「孤独」を乗り越えたジン君にはもう「悩む要素」が無いので、ジン君に渡せない指輪はトアさんにとって「宿命」を打破する時に使われるガジェットという事かなぁ。

次回予告

 ドラゴノーツ -ザ・レゾナンス-第17話「咆哮 ―明星の燃えし時―」

おまけ

 ギオが目覚めた時の第一声が「ジン…。」。
 ギオさん、貴方トアさんよりジン君の方が大事なのか。
 それは色々とマズいのでは。