ドラゴノーツ -ザ・レゾナンス-第17話感想&備忘録「咆哮 ―明星の燃えし時―」

 今回はアーシム王子もマキナさんも一度陥ってしまった「宿命」サイドのキーワード、「強制」をはね除けて、「運命」サイドのキーワードである「自由意志」を以て救済されたお話でした。

本編感想

 アーシム王子が兄を殺してまでも欲しかったのは「親の愛情」で、トアに求めていたのは「愛情」、最後に自分を掴んでくれた(「掴む」という事はこの作品では大事な要素になっています)ガーネットを「美しい」と言ったのは、それが掛け値無しの「愛」だったから。結局当初は「強制」を掲げる「宿命」サイドかと思われたアーシム王子が欲しかったのは実は運命サイドのキーワードである「自由意志」で、最期の最期に「愛」を見付けて「運命」サイドになっていました。

 マキナさんも、アーシム王子の「強制」によってレゾナンスが切れ、「宿命」サイドの暴走状態に陥るものの、アキラさんの骸を見て正気に戻って、「自由意志」でアーシム王子に攻撃する形で、「運命」サイドが「宿命」サイドを打ち破った事を描写し、最期はアキラさんとマキナさんが二度と分かたれないように自ら氷の墓標の中で抱き合う「運命」サイドで着地。
 ここで効いてくるのが冒頭の「暴走」をレゾナンスで「強制」しようとする「宿命」サイドに属しそうなお偉いさん方の予想を跳ね返し、レゾナンス(=強制)を、真のレゾナンスである「絆」(=自由意志)が凌駕したという事になっているんですよね。

 ギオも、トアを守る為に火星を破壊する程の力を解放。…なんですが、ここでジンを拒絶するかのように強制射出(単に気遣っただけかもしれませんが)し、本来のコミュニケーターであるカズキ君と繋がったような描写があったのは、ギオが「宿命」サイドに下る前兆かもしれません。もっとも、ウィドーさんに助けられたカズキ君が「愛」を認識して「運命」サイドに……みたいな事があるわきゃないか。

次回予告

 ドラゴノーツ -ザ・レゾナンス-第18話「平穏 ―仮初めの日常―」

 突如として1年後。
 最近前川淳さんの出番が徐々に減ってきたと思ったら、何やら降板されて、新体制で再出発という事らしいです。
 前川淳さんお疲れ様でした。今度は気張りすぎずに優秀な脚本さんの意見も採り入れてあげてください。折角設定は面白いんですから。

おまけ

 突っ込んだら負けだと思いつつも、キタジマ博士とノザキ教授が一緒にいましたよね。キタジマ博士は月に、ノザキ教授は地球でドラゴンの卵を守っているんじゃなかったでしたっけ?