ドラゴノーツ -ザ・レゾナンス-第18話感想&備忘録「平穏 ―仮初めの日常―」
作中正義だった筈の「自由意志」を掲げるジン君達「運命」サイドが迫害され、「タナトス」と同じく作中悪だった筈の「強制」を掲げるカズキ君「宿命」サイドが人類社会に於ける正義の代弁者になっている逆転現象が起きているのが興味深いです。
普通に考えれば、作中正義の「運命」サイドが人類社会を救って、「宿命」サイドだった人類がドラゴンを見直す展開か、或いは作中悪の筆頭だった「タナトス」が「運命」サイドに転ぶかもしれません。
「運命」サイドでは、一年先延ばしした結論を出す「自由意志」による選択をジークリンデさん、ヨナミネさんが提示して「タイムリミット」が近い、緊迫感を演出。
「宿命」サイドでは、「強制」によってドラゴンを抹殺している連中が、「強制」の象徴的存在である「タナトス」に挑もうとして、マイナス要素を演出……している筈なんですけど、前川淳さんがいなくなった事で、話自体の深みや描写力は明らかに上がって、普通の作品の水準になったのは喜ぶべきトコなのです。でも、あのまま「運命」サイドが人類を守る為にタナトスに戦いを挑む展開の方がストレートで良かったような気もします。だって、「ISDAの強制」が「タナトスの強制」を倒そうとしているんだから、悪と悪の戦いなんですよ。実にヒーロー分が足らない。ジン君、ギオ!カムバーック!
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本編感想
「運命」側のキーワード「自由意志」を掲げるジン君一行
今までは登場人物の行動によって示されてきた「運命」サイドのキーワード、「自由意志」が言語化され、これでもかというくらいに「運命」サイドの面々が口にします。わざわざ口にするという事は、彼らの「自由意志」を試すイベントが到来するという事ですよね。この手の話で「七年後に到来」なんてのが正直に「七年後」だった試しがないですもん。早晩来るであろう「タナトス」に期待。
以下箇条書き。
ヨナミネさんによるギオの「自由意志」を誘引する言葉。
「それで、お前さんはどうしたいのかね。」(ヨナミネ・コウ)
ジークリンデさんによるトアの「自由意志」を誘引する言葉。
「だけどそれは、ジンとレゾナンスした事で作られた気持ちじゃない。
貴方の自由意志じゃないでしょ。」(ジークリンデ・バウムガルド)
キタジマさんによるノザキ教授の「自由意志」を肯定する言葉。
「教授は、教授です!」(キタジマ・ユウリ)
トアさんによる自分自身の「自由意志」を信じる言葉。
「今は信じよう。自分の気持ちを。」(トア)
「宿命」側のキーワード「強制」を掲げるカズキ君一行。
どうしようもないダメさ加減を曝しています。
私情でマスドライバを壊した正真正銘のダメ人間カズキ君を雇用しているISDAも腐ってますが、最期の最期に「運命」サイドに転んだアーシム王子を切り捨てたジルアード国王も腐ってます。一週間前が懐かしい……。
「強制」を強要するカズキ君。
「お二人を、タルタロスにご案内します。」(タチバナ・カズキ)
「運命」サイドで重用視されている「愛情」を否定したジルアード国王。
「出来る事なら時間を戻して、最初からアーシムなどいなかった事にしたいものだ。」(ジルアード国王)
「重要なのは、親子の情ではない。国家を如何に継承し、権益を確保するかだ。」(ジルアード国王)
よく分からない人達
「カズキ、あなたの願いは私が叶えてあげる。」(ウィドー)
「ジンは私が殺してあげるわ。」(ウィドー)
ISDAにいたら殺される「宿命」なのに、ウィドーさんはそれでいいのでしょうか。
前のマスターで叶えられなかったマスターの願いをカズキ君で叶えようとしているのかなぁ?
自分で選んだ事自体は「自由意志」で「運命」サイドの筈なんですが、どこかでどんでん返しがあるのかなぁ?
「私は、一体!?」
こちらも、ISDAで兵器として利用される「娘」の姿をしたドラゴン。彼女もISDAにいたら、いずれ処分される「宿命」なので、父親としてサカキさんが反逆するのを期待しましょう。
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