true tears 第6話感想&備忘録「それ…なんの冗談?」

 今回も完璧に働くパワーバランス。
 石動純君に再び灯った情念が、本来無関係の筈の比呂美さんと眞一郎君の今までの関係を完全に破壊してしまいます。

「あの二人、付き合うんだ。」(石動純)

「眞一郎君のお父さんがあたしの本当のお父さんかも知れないって。」(湯浅比呂美)

 比呂美さんの気持ち―――、眞一郎君を好きでいてはいけないけど、眞一郎君には自分を好きでいてくれれば、耐えていける―――、それなのに、眞一郎君は乃絵さんと付き合うと言われ、比呂美さんを支えていた全てが崩れ去って、遂に自分から決定的に決別に至る言葉を口にしてしまう展開が相変わらず完璧です。
 これで真一郎君は乃絵さんに、比呂美さんは兄貴に流れます。完璧です。

 一方であいちゃんも、眞一郎君がフリーのままなら、「一番気安い女友達」という「一番」でいられたのに、乃絵さんの登場と、比呂美さんの台頭により「一番」でいられなくなってしまい、その焦燥感と、どうしようもない自分の「欲望」と三代吉君に対する罪悪感という「理性」の鬩ぎ合いに耐えきれなくなり、遂に真実を口にしてしまう―――、という完璧さ。

「眞一郎が好きなセーターを…勝手に…。」(あいちゃん)

 あと、石動純君無駄にカッコ良すぎます。
 主人公にとっての「越えられない壁」としての役割を遺憾なく発揮していますよ。

「格好いいわ、お兄ちゃん!」(石動乃絵)

 全くですね!(バカ)

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次回予告

 true tears 第7話感想&備忘録「ちゃんと言って、ここに書いて」

 いよいよ折り返し地点。こんなに凄い作品だと思ってなかったですよ。

リフレクティア

リフレクティア

おまけ

 今回は、二回に渉ってtrue tearsで用いられているパワーバランス(人間力学)と、内面の描写方法のロジックについての記事に纏めているので、そちらも宜しく。

アニメ版true tearsで用いられている「重ね合わせ」を用いた内面の描写方法について
アニメ版「true tears」はエロゲのアンチテーゼ、「アンチヴィジュアルノベル」である。

 あと、「比呂美さんと眞一郎君が兄妹の関係かもしれない」という事は、知っている人間が最早眞一郎君のお父さんしかいないので、一度眞一郎君の家庭が崩壊するイベントが訪れると思います。ただ、「本当に兄妹」は、崩壊のイベントの前に来るし、「本当は兄妹ではない」は、崩壊のイベントの後に来るというだけで。

 眞一郎君のお母様と比呂美さんのお母さん、そして眞一郎君のお父さんの関係は、乃絵さんと比呂美さん、そして眞一郎君の関係と酷似しているので、眞一郎君の家庭の結末が物語の結末に繋がると思います。恐らくは、眞一郎君、乃絵さん、比呂美さんの関係には、はっきりとした解答を与えないままに余韻を残して放送終了・・・というトコに落ち着くんじゃないかな、と思うんですが。

 ところで、私個人の妄想なんですが、眞一郎君のお母さんが好きだったのは、眞一郎君のお父さんじゃなくて、比呂美さんのお父さんの方だったんじゃないかなぁ?何となくそんな気がするんですが。