ガソリンが高いという話は本当だったんですね。

 愛しいおうちに帰る途中に向こう側からヤケにノロノロ走ってくる自転車がいたので、この寒いのに大した御仁だと思って感心していたら、郵便配達のスーパーカブでした。どうやらガス欠らしく、程よく重いスーパーカブを地面を蹴りながら一生懸命漕いでいらっしゃるのでした。
 確かに職務上大事なモノを沢山積んでいるのでその場を離れるワケにも行かないから、郵便局まではまだ遠い道程をこのまま蹴って進んでいくつもりのようでした。

 感心どころではなく、圧倒的に感動的な御仁なのでした。

 私ならコンビニで袋を買って、それに郵便物を全部詰め込んで盗まれる心配をなくした後で、カブに鍵を掛けて取り敢えずタクシーで郵便局に帰るとか、同僚に電話して助けを求めるとか、ずるい事をすぐに思考開始するけど、このご時世に職責に忠実な方もいたものです。