true tears 第7話感想&備忘録「ちゃんと言って、ここに書いて」
誰もが「本当の思い」を諦めていく中で、当初「本当の思い」を諦めていた筆頭だった筈のあいちゃんが「本当」の思いを抑えきれずに眞一郎君へとキス。
「私の事も見てよ、お願いだよ…、眞一郎……」(あいちゃん)
つまりは「諦める」方向に流れていた筈の物語をあいちゃんが、その寸前で留めた事になり、いずれ誰もがあいちゃんのように「諦められない」方向に再び流れが変わっていくのだろうと思います。だって、あいちゃんは、「本当の気持ちを隠していても不幸せだって知っている人」で、あいちゃんに影響されて他の登場人物達も早晩「本当の気持ちを隠していても不幸せ」という事に気付く筈ですから。(今回の感想記事と対になる「アニメ版true tearsに於ける「導き手」の役割 〜あいちゃんと石動純は何故年上として設定されなければならなかったか〜」に詳しく書いているので興味のある方はこちらもどうぞ)
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本編感想
今回は全13話の丁度真ん中という事もあって、今まで視聴者にとって「一番分からない存在」だった筈の乃絵さんの「本当の思い」が立て続けに描写され、その代わりに、「まごころの想像力」を眞一郎君に説いて、「(周囲の状況を)分かってない」からは一番縁遠い存在だった筈の乃絵さんが、一番「(周囲の状況を)分かってない存在」に転落したのは非常に面白いです。「まごころの想像力」はどこへやら。(ドクロ)
「無理だ。お前には分からないよ。」(仲上眞一郎)
「私には、分からない?」(石動乃絵)
「地べた、今日は、あなたにとてつもない罪をプレゼントするわ。」(石動乃絵)
「『分かっている』のね、地べた。
私には、分からない…。」(石動乃絵)
「何なのよ…、何なのよ、勝手な事ばかり言って!
貴方には分からない!」(湯浅比呂美)
「ずるいわ!」(石動乃絵)
「何が!」(湯浅比呂美)
「『分からない』、だったら説明して!ちゃんと教えて!」(石動乃絵)
「どうして二人とも教えてくれないの?」(石動乃絵)
「私が分かっていないなら教えてほしい。
そうじゃなきゃ一緒に考えられないじゃない!
眞一郎の力になれないじゃない!
眞一郎の事、分かりたいのに!」(石動乃絵)
また、乃絵が比呂美に近づいたのは眞一朗を知る為。つまり、「アニメ版true tearsで用いられている「重ね合わせ」を用いた内面の描写方法について」でも書いたあいちゃんの「好きな人の近くにいる人に近づく」という言葉によって解釈される行為だった事が完全に確定。
更にお弁当は「食べさせてあげる代わりに眞一郎の事を話せ」という乃絵さんの攻撃的な思考の発露だった事も判明。乃絵……恐ろしい子!
諦めた人 本当の気持ちを隠していこうと思っている人。(=未練を断ち切る為にワザと他の人と付き合おうと思ってる。)
構成メンバー
-
- 眞一郎
- 比呂美
- 石動純
- 三代吉
誰もが言い聞かせているワケですよ、「これでいい」って。でも、「それでいい」ワケなんか無い。それはあいちゃんが証明してくれた。「本当の思い」を忘れるのはとても辛い事だから。
「好き、だよな、多分。
好きじゃなかったら、こんなに振り回されたりしない…。そうだよ。
交換条件とかじゃないぞ。」(仲上眞一郎)←自分に言い聞かせている
「お前…、格好いいよな。
いいぜ…、俺、お前なら…。」(野伏三代吉)←自分に言い聞かせている
「大丈夫、いいんだよ。変わっても。」(石動純)
「本当?」(石動乃絵)
「ああ、いいんだ。
いや、変わらなきゃ、ダメなんだよ。」(石動純)←自分に言い聞かせている
また、眞一郎君が迷ったまま、跳ね返って落ちていくグミの実は、天空の食事なのに地べたに落ちました。これは、眞一郎君が「飛べなくなる」暗示であると思います。
諦めてない人(=本当の気持ちを隠していても不幸せだって知っている人)
構成メンバー
-
- あいちゃん
「涙」を流し、眞一郎に懇願したあいちゃん。力一杯頑張れー。応援してるよー。
分かってない人(=本当の気持ちしか無い人)
構成メンバー
-
- 乃絵
「今、泣きたいわ。
どうしてかしら、悲しくなんてないのに、とっても、とっても泣きたい。
幸せなんだわ。きっと、幸せなんだわ。」(石動乃絵)
「こいつ、本当に俺が好きなんだ…。」(仲上眞一郎)
「悲しいから流す涙」だけでなく、「嬉しいから流す涙」が有る事に気付いた乃絵さん。この辺が物語の着地点だと思いますが、「地べたに落ちる天空の食事」の暗喩から、乃絵さんと付き合う事恐らく眞一郎君が「飛べなくなる」事が予想されます。乃絵さんの話はその辺が山場かなぁ。
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おまけ
「悪い、その続き、何となく聞きたくないわ。」
「ゴメン…」
「俺には、あいちゃんしかいないから。いないから。」
三代吉いいヤツだなぁ。三代吉が見捨てたらあいちゃんホントに一人になっちゃうもの。
大丈夫、あいちゃんはきっと帰ってきてくれるから。