やばい、「神狩り」面白過ぎる。

 昨日書いた「山田正紀」さんの作品を紀伊国屋書店で探してみたら、「神狩り」があったので早速買ってみた。機械翻訳という学際的な領域の「天才」である島津氏が普遍文法と、19世紀に始まる暗号解読・古代文字解読のスキルを総動員しながら、「石版の文字」が「人間の言語に直す事が不可能」だと判明するまで読んだんですが、これは面白い。

 世界のあらゆる個別言語ではなく、人間の脳が、五つの論理記号を持っているのだ、と――
 その論理記号は、「そして」、「ならば」、「あるいは」、「でない」、「必然である」の五つであって、それぞれの名称と記号は、連言(∧)、含音(⊃)、選言(∨)、比定(~)、必然性(□)と表されるのだが、そのうちどれが欠けても、人間の脳は論理を操る事ができないのだ。

 人間の脳は「可能性」という分岐を一つ一つ辿って論理を組み立てていく。何故なら人間には「絶対的な知覚」が存在しないから、「人間の知覚」から情報に対して因果を設定していく。だが、「絶対的な知覚」があればどうか?「ある」か「ない」、true or false、0と1、陰と陽の二元論しか無くてよい。
 しかしまぁ、見聞いてはいたけど、頭の強靭な作家さんだなぁ…。主人公最後は発狂して終わったりしそうじゃないですか…。
 続きが気になるけど、取りあえず御飯を作ってプリキュアとCLANNADを見て感想を書いてからにしよう。

神狩り (ハヤカワ文庫 JA (88))

神狩り (ハヤカワ文庫 JA (88))