CLANNAD第20話感想&備忘録「秘められた過去」
今回の感想、実は結構困ってます。
内容としては、秋生お父さんが、クルクルと立ち回って、「渚さんが謝りたい事」を明かしたり、岡崎君の為にピクニックを計画して、なおかつ逃げた岡崎君を待つ為に書き置きを処分したり、意図的かは分かりませんが(というか、親父は神つまり脚本さんに近い位置にいるのでどちらでも良かったりする)岡崎君と渚さんの距離を縮めたりと、岡崎君を「古河家の一員」にして、岡崎君自身にその事を自覚させる為に頑張ってくれたりして、今話のラストでは「家族」になった、またはその端緒は掴んだ…という所まで到達したワケなんです。
でも、その間に挿入されているメタファーをどう読んだものか、正直迷っています。
決してレインボーパンの製法について考えていたワケではないっ!
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本編感想
CLANNADに限らずKey作品全般についても言える事ですが(ちなみに、Keyの原作ゲームを私は一度もプレイした事ないので、京アニによるアニメ版を通してですけど)、ミクロな関係性の修復が、マクロに世界に影響を及ぼします。そして、「主人公が忘れている事」を思い出す事が重要になってきます。特に最初の作品であるKANONでその傾向が強いです。何しろ主人公が最初から記憶を一部失っていて非常に効果的に機能しますから。AIRでは「主人公とヒロインが忘れている前世の記憶」と、それによって補強される「主人公自身も知らなかった『人形』に込められた『思い』」が重要な役割を果たします。CLANNADでも例に洩れず、「主人公が忘れている事」が非常に大きな役割をしていて、風子ルートでは「風子の事を忘れるという事」が、ことみルートでは「忘れていた10年前の記憶」が、そして渚ルートでは「主人公とヒロインが知っている『物語』にまつわるエピソード」がやはり大きな役割を果たしています。
「終わった世界の女の子、同じような光景を見たような気がする…。
それがいつだったのか、どこだったのか分からない…。
でも確かに…」
さて、今回いくつかの異なる要素が並行的に登場してました。
岡崎君から渚さんへの愛の告白 | 秋生お父さんから渚さんへの真実の告白 | どっちも渚さんを観察しながらタイミングを計っている |
両親が忙しくて一人になってしまった渚さん | 終わった世界の少女 | 一人だった少女 |
雪の中で両親の帰りを待っていた渚さん | ピクニックの日に逃げた岡崎君を待っていた渚さん | 「待っている」が共通(バスケの約束の時も待っていた) |
倒れた渚さん | 語られた幻想物語 | 冬の日の話 |
両親の夢を壊してしまった渚さん | ロボットの夢を壊してしまった幻想世界の少女 | 大切な人を悲しませてしまった |
泣き崩れる渚さんの両親 | 泣き崩れる幻想世界の少女 | 大切な人を悲しませてしまった |
いくつか共通項があるんですが、渚さんが幻想世界の「少女」と「ロボット」のどちらの立場で物語を見ていたのかがまだ語られていないんですよね。普通に考えれば少女つながりで「渚さん=幻想世界の少女」と考えるのが適当だと思うんですが、今まで語られてきたのは全てロボットの一人称による語りだけなので、「渚さん=幻想世界の少女」だとすれば、「ロボット=岡崎君」という事になるのですが、だとしたら、「泣き崩れる渚さんの両親」と「泣き崩れる幻想世界の少女」の共通項が説明出来ない。まあ、「孤独だった少女(=渚さん)」の元に現れた「ロボット(=岡崎君)」が孤独を解消してくれた…と捉えるのが一番スマートな解釈だとは思うんですが、何か違和感を感じるんですよね。
まあ、Key作品のメインヒロインルートのラストは一度では味わいきれなくて、二度、三度と読み直してみないと分からない(私の読解力が貧相なだけですが)ので、最終回をじっくり待つのがベストだとは思うんですが、一応悪あがきをしてみました。
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次回予告
CLANNAD第21話「学園祭に向けて」