アニメ版「紅」の描写力が無性に凄い件
作品に漂う空気にリアルな質感が在って触れられそうなくらいに濃密。
同じように「作画能力の高さ」を誇る京アニを装飾品に例えるなら、「精緻な細工を施した金細工」、謂わば美の中に美を重ねた「今まで見たことの無いような美しさ」だとするなら、「紅」は「使い慣れた漆器」、謂わば日常に時間を重ねた「いつかどこかで見たことがあるリアルさ」。
背景は匂いが漂って来そうなくらいに生活臭に満ちているし、描かれる人物描写はまるで内面が滲むように迫ってきて、一瞬一瞬の情報量が半端じゃないです。
挙げていくとキリが無いんですが、第一話で暗く沈んだ紫の表情に「過去の真九郎の泣き声」が被ったシーンや、第二話で登場する茶菓の質感とか、銭湯の番台のおばちゃんの声質、それらが渾然一体となって暴力的な訴求力を持って襲いかかってくる。
「紅」は凄い。
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